Solaris 8 のインストール (上級編)

スタンドアロンシステム用のプロファイルフロッピーディスクの作成

JumpStart ディレクトリを含むフロッピーディスクは、プロファイルフロッピーディスクと呼ばれます。ネットワークに接続されていないシステムには、プロファイルサーバーへのアクセス権はありません。このため、システムがネットワークに接続されていない場合はフロッピーディスク上に JumpStart ディレクトリを作成する必要があります。プロファイルフロッピーディスクを作成するシステムには、フロッピーディスクドライブが必要です。

JumpStart ディレクトリには、重要なカスタム JumpStart ファイル (rules ファイル、rules.ok ファイル、プロファイルなど) がすべて入っています。JumpStart ディレクトリは、プロファイルフロッピーディスクのルート (/) ディレクトリに作成する必要があります。

SPARC: プロファイルフロッピーディスクを作成する方法


注 –

この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャを使用せずにフロッピーディスク、CD、および DVD を管理する方法の詳細は、http://docs.sun.com 上の Solaris 9 System Administration Collection に含まれている『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。Solaris 9 のリリース前には、Solaris 9 アーリーアクセスの『System Administration Guide: Basic Administration』を参照してください。Solaris 9 アーリーアクセスのマニュアルを参照する方法については、『Solaris 8 2/02 新規機能の概要』の「アーリーアクセス」をご覧ください。


  1. フロッピーディスクドライブマネージャを持つ SPARC システムに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 空のフロッピーディスクまたは上書き可能なディスクをフロッピーディスクドライブに挿入します。

  3. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    
  4. フロッピーディスクに UNIX ファイルシステム (UFS) が含まれているかどうかを確認します。

    システム上のファイル /etc/mnttab の内容を調べ、次のようなエントリがないか確認します。


    /vol/dev/diskette0/scrap  /floppy/scrap  ufs  suid,rw,largefiles,dev=1740008  927147040
    • このようなエントリが存在する場合は、手順 7 へ進みます。

    • エントリが存在しない場合は、次の手順へ進みます。

  5. フロッピーディスクをフォーマットします。


    注意 – 注意 –

    この手順によって、フロッピーディスク上のすべてのデータは上書きされます。



    # fdformat -U
    
  6. フロッピーディスクに UFS ファイルシステムを作成します。


    # newfs /vol/dev/aliases/floppy0
    
  7. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを JumpStart ディレクトリにコピーするかどうかを決定します。

    • コピーしない場合は、手順 10 へ進みます。

    • コピーする場合は、次の表を利用して次に行う作業を決定します。

    例のコピー元 

    実行すべき作業 

    Solaris 8 DVD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) 

    サーバーの CD-ROM ドライブに Solaris 8 DVD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) を挿入します。 

    ボリュームマネージャが自動的に CD をマウントします。 

    ローカルディスク上の Solaris 8 DVD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) のイメージ

    Solaris 8 DVD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) イメージの場所にディレクトリを移動させます。コマンド例を示します。Solaris 8 LANGUAGES CD (SPARC) に含まれているパッケージのリストです。 


    cd /export/install
    

  8. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを、プロファイルフロッピーディスクのルートディレクトリ (JumpStart ディレクトリ) にコピーします。


    # cp -r media_path/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path
    

    media_path

    ローカルディスク上の CD、DVD、またはイメージのパス。 

    jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart のサンプルファイルを配置するプロファイルフロッピーディスクのパス。 


    注 –

    すべてのカスタム JumpStart インストールファイルは、フロッピーディスクのルートディレクトリに置かれている必要があります。


    たとえば、次のコマンドは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) の jumpstart_sample の内容を、プロファイルフロッピーディスク scrap のルート (/) ディレクトリにコピーします。


    cp -r /cdrom/sol_8_sparc/s0/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* /floppy/scrap
    
  9. プロファイルフロッピーディスク上の JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。

  10. JumpStart ディレクトリの所有者が root で、そのアクセス権が 755 に設定されていることを確認します。

  11. フロッピーディスクを取り出します。


    # eject floppy
    

    これで、プロファイルフロッピーディスクの作成が完了しました。rules ファイルを更新して、プロファイルフロッピーディスクにプロファイルを作成して、カスタム JumpStart インストールを実行できます。処理を続けるには、rules ファイルの作成へ進んでください。

x86: プロファイルフロッピーディスクを作成する方法


注 –

この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャを使用せずにフロッピーディスク、CD、および DVD を管理する方法の詳細は、http://docs.sun.com 上の Solaris 9 System Administration Collection に含まれている『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。Solaris 9 のリリース前には、Solaris 9 アーリーアクセスの『System Administration Guide: Basic Administration』を参照してください。Solaris 9 アーリーアクセスのマニュアルを参照する方法については、『Solaris 8 2/02 新規機能の概要』の「アーリーアクセス」をご覧ください。


  1. フロッピーディスクドライブを持つ SPARC システムまたは IA システムにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. Solaris 8 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) をフロッピーディスクドライブ (通常はドライブ A) に挿入します。このフロッピーディスクは、プロファイルフロッピーディスクとして使用します。


    x86 のみ –

    ブートフロッピーディスクソフトウェアは、http://soldc.sun.com/support/drivers/dcs_diskettes の「Solaris Developer Connection」からこのソフトウェアをダウンロードしてフロッピーディスクにコピーすることによってアクセスできるようになります。


  3. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    
  4. Solaris 8 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクイメージをシステムのハードディスクにコピーします。


    # dd if=/vol/dev/aliases/floppy0 of=boot_image
    

    ここで boot_image は Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクイメージがコピーされるファイル名です。絶対パス名を指定できます。

    たとえば次のコマンドは、ブートフロッピーディスクを boot_save ファイルにコピーします。


    dd if=/vol/dev/aliases/floppy0 of=boot_save
    
  5. 「ファイル・マネージャ (File Manager)」ウィンドウの「取り出し (Eject Disk)」をクリックするか、コマンド行に eject floppy と入力して、フロッピーディスクを取り出します。

  6. 「リムーバブルメディア・マネージャ (Removable Media manager)」画面で「了解 (OK)」をクリックします。

  7. Solaris 8 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) を手動で取り出します。

  8. 空のフロッピーディスクまたは上書き可能なディスクをフロッピーディスクドライブに挿入します。

  9. フロッピーディスクをマウントします。


    # volcheck
    
  10. フロッピーディスクをフォーマットします。


    注意 – 注意 –

    この手順によって、フロッピーディスク上のすべてのデータは上書きされます。



    # fdformat -d -U
    
  11. Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクイメージを、システムのハードディスクからフォーマットしたフロッピーディスクにコピーします。


    # dd if=boot_image of=/vol/dev/aliases/floppy0
    

    ここで boot_image は、Solaris 8 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) のイメージをコピーするファイル名を示します。絶対パス名を指定できます。

  12. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを JumpStart ディレクトリにコピーするかどうかを決定します。

    • コピーしない場合は、手順 15 へ進みます。

    • コピーする場合は、次の表を利用して次に行う作業を決定します。

    例のコピー元 

    実行すべき作業 

    Solaris 8 DVD (Intel) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) 

    サーバーの CD-ROM ドライブに、Solaris 8 DVD (Intel) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) を挿入します。 

    ボリュームマネージャが自動的に CD をマウントします。 

    ローカルディスク上の Solaris 8 DVD (Intel) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) のイメージ

    Solaris 8 DVD (Intel) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) イメージが置かれたディレクトリに移動します。入力例を示します。 


    cd /export/install

  13. サンプルのカスタム JumpStart ファイルを、プロファイルフロッピーディスクのルートディレクトリ (JumpStart ディレクトリ) にコピーします。


    # cp -r media_path/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* jumpstart_dir_path
    

    media_path

    ディスク上の CD、DVD、またはイメージのパス。 

    jumpstart_dir_path

    カスタム JumpStart のサンプルファイルを置くプロファイルフロッピーディスクのパス。 


    注 –

    プロファイルフロッピーディスクを使用するときは、すべてのカスタム JumpStart インストールファイルは、フロッピーディスクのルートディレクトリに置かれている必要があります。


    たとえば、次のコマンドは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) の jumpstart_sample の内容を、プロファイルフロッピーディスク scrap のルート (/) ディレクトリにコピーします。


    cp -r /cdrom/sol_8_ia/s2/Solaris_8/Misc/jumpstart_sample/* /floppy/scrap
    
  14. プロファイルフロッピーディスク上の JumpStart ファイルの例を更新して、サイトの環境内で動作するようにします。

  15. JumpStart ディレクトリの所有者が rootで、そのアクセス権が 755 に設定されていることを確認します。

  16. 「ファイル・マネージャ (File Manager)」ウィンドウの「取り出し (Eject Disk)」をクリックするか、コマンド行に eject floppy と入力して、フロッピーディスクを取り出します。

  17. 「リムーバブルメディア・マネージャ (Removable Media Manager)」画面で「了解 (OK)」をクリックします。

  18. フロッピーディスクを手動で取り出します。

これで、プロファイルフロッピーディスクの作成が完了しました。rules ファイルを更新して、プロファイルフロッピーディスクにプロファイルを作成して、カスタム JumpStart インストールを実行できます。処理を続けるには、rules ファイルの作成へ進んでください。