Sun Enterprise Authentication Mechanism 1.0.1 ガイド

レルム

レルムは、ドメインのような論理的なネットワークで、同じマスター KDC (下記を参照) の下でシステムのグループを定義します。図 1-3 に、どのようにレルムが他のレルムと関連するかを示します。いくつかのレルムは階層構造 (つまり、他のレルムのスーパーセット) になっています。レルムが階層構造でない場合は、2 つのレルム間のマッピングが定義されている必要があります。SEAM の特徴はレルム間で認証を許可することです。各レルムは、その KDC に他のレルムのプリンシパルエントリを持つだけでよいのです。

図 1-3 レルム

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レルムとサーバー

各レルムには、プリンシパルデータベースのマスターコピーを保持しているサーバーが必要です。このサーバーのことをマスター KDC サーバーと呼びます。さらに、各レルムで、プリンシパルデータベースの複製コピーを持つサーバーがあれば望ましいですが、なくても動作します。このサーバーのことをスレーブ KDC サーバーと呼びます。マスター KDC サーバーとスレーブ KDC サーバーは両方とも、認証を確立するためのチケットを作成します。

さらに、レルムは 2 種類の SEAM サーバーを持つことができます。SEAM ネットワークのアプリケーションサーバーは、Kerberos 化されたアプリケーション (ftptelnetrsh など) へのアクセスを提供するサーバーです。レルムは、Kerberos 認証で NFS サービスを提供する NFS サーバーを持つこともできます。

図 1-4 に、レルムの例を示します。

図 1-4 典型的なレルム