Sun Enterprise Authentication Mechanism ガイド

制限された Kerberos 管理特権で SEAM ツールを使用する

admin プリンシパルが Kerberos データベースを管理するためのすべての特権を持っていれば、SEAM 管理ツールのすべての機能を利用できます。しかし、特権を制限することも可能です。たとえば、プリンシパルのリストを表示することだけを許可したり、プリンシパルのパスワードだけを変更することを許可するなどです。Kerberos 管理特権が制限されている場合でも、SEAM ツールは使用できます。しかし、どの Kerberos 管理特権を持っていないかによって、SEAM ツールのさまざまな部分が変化します。表 5-8 に、Kerberos 管理特権によって SEAM ツールがどのように変化するかを示します。

SEAM ツールの最も顕著な視覚的な変化は、リスト特権を持っていない場合に現れます。リスト特権がない場合、「リスト (List)」パネルにはプリンシパルとポリシーのリストが表示されません。その代わりに、「リスト (List)」パネルの「名前 (Name)」フィールドを使用して、作業したいプリンシパルやポリシーを指定する必要があります。

SEAM ツールにログインしたとき、作業に必要な十分な特権を持っていない場合、次のメッセージが表示され、「ログイン (Login)」ウィンドウに戻ります。


gkadmin のアクセス権がありません:ADMCIL. 別のプリンシパルを使用してください。
(Insufficient privileges to use gkadmin: ADMCIL. Please try using another principal.)

プリンシパルの特権を変更して Kerberos データベースを管理する方法については、「Kerberos 管理特権を変更するには」を参照してください。

表 5-8 制限された Kerberos 管理特権で SEAM ツールを使用する

以下の特権を持っていないと... 

SEAM ツールは以下のようにします 

a (追加)

「プリンシパルリスト (Principal List)」と「ポリシーリスト (Policy List)」のパネルで「新規作成 (Create New)」と「複製 (Duplicate)」のボタンが利用できません。追加権がなければ、プリンシパルやポリシーを新しく作成したり、複製したりできません。 

d (削除)

「プリンシパルリスト (Principal List)」と「ポリシーリスト (Policy List)」のパネルで「削除 (Delete)」ボタンが利用できません。削除権がなければ、プリンシパルやポリシーを削除できません。 

m (変更)

「プリンシパルリスト (Principal List)」と「ポリシーリスト (Policy List)」のパネルで「変更 (Modify)」ボタンが利用できません。変更権がなければ、プリンシパルやポリシーを変更できません。 

また、「変更 (Modify)」ボタンが利用できなければ、パスワード変更権を持っていても、プリンシパルのパスワードを変更できません。 

c (パスワード変更)

「プリンシパルの基本 (Principal Basics)」パネルで「パスワード (Password)」フィールドが読み取り専用になり、変更できません。パスワード変更権がなければ、プリンシパルのパスワードを変更できません。 

パスワード変更権を持っている場合でも、プリンシパルのパスワードを変更するためには、変更権も必要です。 

i (データベースへの照会)

「プリンシパルリスト (Principal List)」と「ポリシーリスト (Policy List)」のパネルで「変更 (Modify)」と「複製 (Duplicate)」のボタンが利用できません。照会権がなければ、プリンシパルやポリシーを変更または複製できません。 

また、「変更 (Modify)」ボタンが利用できなければ、パスワード変更権を持っていても、プリンシパルのパスワードを変更できません。 

l (リスト)

「リスト (List)」パネルのプリンシパルとポリシーのリストが利用できません。リストの表示権がない場合、「リスト (List)」パネルの「名前 (Name)」フィールドを使用して、作業したいプリンシパルやポリシーを指定してください。