Kerberos 認証には 2 つの段階があります。1 つは初期認証で、この後に続くすべての認証に関して許可を与えます。もう 1 つは、それ以後の認証です。
図 1-1 に、初期認証がどのように行われるかを示します。
クライアント (ユーザーまたは NFS などのサービス) は、チケット許可チケット (TGT) を鍵発行センターに要求し、SEAM セッションを開始します。これはしばしばログイン時に自動的に行われます。
チケット許可チケットは、他の特定のサービスのチケットを取得するために必要です。たとえば、チケット許可チケットはパスポートのようなものです。パスポートと同様に、チケット許可チケットはユーザーを識別し、さまざまな「ビザ」を取得できるようにします。この場合、「ビザ」(チケット) は、外国に行くためのものではなく、リモートのマシンやネットワークサービスのチケットのことです。パスポートやビザと同様に、チケット許可チケットと他のさまざまなチケットには有効期限があります。異なる点は、「Kerberos 化」されたコマンドは、ユーザーがパスポートを持っており、ビザを取得できることを認識しているということです。ユーザー自身がトランザクションを実行する必要はありません。
KDC はチケット許可チケットを作成し、暗号化して、クライアントに戻します。クライアントは、クライアントのパスワードでチケット許可チケットを復号化します。
有効なチケット許可チケットを取得した後、クライアントはあらゆる種類のネットワーク操作 (rlogin や telnet など) のチケットを要求できます。ただし、これはチケット許可チケットが有効な間だけです。通常、チケット許可チケットが有効なのは数時間です。クライアントは、固有のネットワーク操作を実行するたびに、その操作に必要なチケットを KDC に要求します。