ユーザーが Kerberos 化されていない NFS ファイルシステムにアクセスしたい場合、NFS ファイルシステムには root としてマウントできます。あるいは、(root アクセス権がなくても) アクセスすれば、オートマウンタで自動的にアクセスできます。
Kerberos 化された NFS ファイルシステムをマウントする場合もほとんど同じです。しかし、若干の問題があります。Kerberos 化された NFS ファイルシステムをマウントするには、通常、クライアントの root プリンシパルはクライアントの keytab に存在していないため、ユーザーは root として kinit コマンドを使用し、クライアントの root プリンシパルの資格を取得する必要があります。これは、オートマウンタが設定されているときにも同様です。さらに、すべてのユーザーはシステムの root パスワードと root プリンシパルのパスワードを知っていなければなりません。
この手順を省略するには、クライアントの root プリンシパルをクライアントの keytab に追加します。そうすると、自動的に root の資格が提供されます。この方法でユーザーは kinit コマンドを実行せずに NFS ファイルシステムをマウントでき、利用しやすくなりますが、セキュリティが侵害される可能性があります。たとえば、keytab に root プリンシパルを持つシステムへのアクセス権を誰かが取得した場合、そのユーザーは root の資格も取得できます。したがって、セキュリティ保護のための予防措置が必要となります。詳細は、「keytab の管理」を参照してください。