Sun Java System Application Server Platform Edition 9.0 Update 1 リリースノート

第 2 章 Application Server Platform Edition 9.0 Update 1 について

Sun JavaTM System Application Server Platform Edition 9.0 Update 1 は、Java EE アプリケーションおよび Java テクノロジベースの Web サービスの開発と配備に利用できる Java EE 5 プラットフォーム互換サーバーです。

この節では、次の点を説明します。

9.0 Update 1 リリースの新機能

Sun Java System Application Server Platform Edition 9.0 Update 1 は、次に示す多くの新機能を実装しています。

ハードウェアとソフトウェアの要件

ここでは、Sun Java System Application Server Platform Edition 9.0 Update 1 製品をインストールする前に満たしている必要のある要件を示します。

プラットフォーム要件

次の表に、Sun Java System Application Server Platform Edition 9.0 Update 1 製品と互換性があるオペレーティングシステムを示します。

表 2–1 サポートされるオペレーティングシステム

オペレーティングシステム 

最小メモリー 

推奨メモリー 

最小ディスク容量 

推奨ディスク容量 

JVM 

Sun Solaris 9、10 (SPARC) 

Solaris 9、10 (x86) 

512M バイト 

512M バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 (利用可能な場合) 

64 ビット版 Sun Solaris 10 (SPARC、x86) 

512M バイト 

512M バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 (利用可能な場合) 

Redhat Enterprise Linux 3.0 U1、4.0 

512M バイト 

1G バイト 

250M バイトの空き領域 

500M バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 (利用可能な場合) 

Windows Server 2000 SP4+ 

Windows 2000 Advanced Server SP4+ 

Windows Server 2003 

Windows XP Pro SP1+ 

1G バイト 

2G バイト 

500M バイトの空き領域 

1G バイトの空き領域 

J2SE 5.0 

Java SE 6 (利用可能な場合) 

UNIXTM では、オペレーティングシステムのバージョンを uname コマンドで確認できます。ディスク容量は df コマンドで確認できます。


注 –

Microsoft Windows プラットフォームで Application Server を実行している場合は、FAT や FAT32 ではなく NTFS ファイルシステムを使用する必要があります。


システムの仮想化のサポート

システムの仮想化は、複数のオペレーティングシステム (OS) インスタンスを共用ハードウェア上で個別に実行できるようにするテクノロジです。機能的にいうと、仮想化された環境でホストされる OS に配備されたソフトウェアは、通常はベースとなるプラットフォームが仮想化されていることを認識しません。Sun では、精選されたシステムの仮想化と OS の組み合わせについて、その Sun Java System 製品のテストを行っています。これは、Sun Java System 製品が、適切な規模と構成の仮想化された環境で、仮想化されていないシステム上の場合と同様に引き続き機能することを実証するためのテストです。仮想化された環境における Sun Java System 製品のサポートについては、System Virtualization Support in Sun Java System Products を参照してください。

重要パッチ情報

Solaris のパッチ要件

Solaris 9 または 10 (x86 または SPARC) を使用する場合には、「Sun 推奨パッチクラスタ」をインストールすることをお勧めします。このパッチクラスタは SunSolve Web サイトの「推奨 & セキュリティーパッチ」から入手できます。

JDBC ドライバとデータベース

表 2–2 に、Java EE の互換性要件を満たすデータベースとドライバを示します。サポートされるすべての Sun Java System Application Server Platform Edition の構成では、バンドル版 Java DB データベースとドライバなどの、この表に基づくデータベースとドライバの組み合わせを少なくとも 1 つ含める必要があります。さらに、Application Server は、対応する JDBC ドライバを使用してほかのどの DBMS に対する JDBC 接続もサポートするように設計されています。

表 2–2 Java EE 互換の JDBC ドライバ

JDBC ドライバベンダー 

JDBC ドライバのタイプ 

サポートされるデータベースサーバー 

Java DB ネットワーククライアント 

Type 4 

Apache Derby 10.1 

DataDirect 3.5 

Type 4 

Oracle 9i、10g 

IBM DB2 

Type 2 

DB2 (8.2) 

表 2–3 に、Sun が内部的にテストしたその他のデータベースとドライバをすべて示します。

表 2–3 サポートされるその他の JDBC ドライバとデータベース

JDBC ドライバベンダー 

JDBC ドライバのタイプ 

サポートされるデータベースサーバー 

DataDirect 3.5 

Type 4 

Sybase ASE 12.5、15 

Microsoft SQL Server 2000、2005 

IBM DB2 8.1、8.2 

Microsoft MS SQL 

Type 4 

SQLServer 2000、2005 

MySQL Connector/J Driver 3.1 

Type 4 

MySQL 5 

Oracle 

Type 4 

Oracle 9i、10g 

Postgres 

Type 4 

Postgres 8.1 

Sybase 

Type 4 

ASE 12.5、15 

通常、Application Server Platform Edition 9.0 Update 1 は、Java EE 仕様に適合するすべての JDBC ドライバをサポートします。

バンドル版 Java DB データベースの使用

この節では、Application Server 9.0 Update 1 にバンドルされている Java DB データベースの実装を使用する手順について説明します。Java DB は、Apache Derby データベース を基盤としています。

Java DB データベースの起動と停止

Sun Java System Application Server 9.0 Update 1 には、Java DB Network Server の開始と停止を行うための 2 つの新しい asadmin コマンドが導入されています。

Java DB ユーティリティースクリプト

Application Server 9.0 Update 1 とともに出荷される Java DB の構成には、Java DB の使用に役立つ便利なスクリプトも含まれます。<appserver_install_dir> /javadb/frameworks/NetworkServer/bin ディレクトリには、次の使用可能なスクリプトがあります。

ProcedureJava DB ユーティリティースクリプトを実行するために環境を設定するには

  1. <appserver_install_dir>/javadb ディレクトリをポイントするように、DERBY_INSTALL 環境変数を設定します。

  2. CLASSPATH 環境変数の設定を解除します。

  3. 次のプロパティーを設定することもできます。

    1. DERBY_SERVER_HOST をネットワークサーバーの待機先ホストとして設定します。

      0.0.0.0 に設定すると、すべてのリスナーを有効にできます。

    2. DERBY_SERVER_PORT をネットワークサーバーの待機先ポート番号として設定します。

参照

これらのユーティリティーの詳細については、Derby のツール および Admin に関するガイドを参照してください。

Pointbase から Java DB へのテーブルのエクスポート

この例は、コマンダの Pointbase テーブルの DDL をキャプチャーし、NetBeans 5.0 を使用して Java DB に同じテーブルを作成する方法を示しています。これと同じ事を行うには、コマンダツールと unload database コマンドを使用する方法もあります。

./startcommander.sh
Do you wish to create a new Database. (Yes (Y) or No (N))? [default: N]: 
Enter product to connect with: (Embedded (E) or Server (S))? [default: E]: e
Enter driver to use? [default: [com.pointbase.jdbc.jdbcUniversalDriver]: 
Enter database URL? [default: [jdbc:pointbase:embedded:sample]: 
Enter Username? [default: PBPUBLIC]: 
Enter Password? [default: PBPUBLIC]: 

PointBase Commander 5.2 ECF build 294 size restricted version EMBEDDED

Interactive SQL command language. SunOS/5.9

(C) Copyright 2004 DataMirror Mobile Solutions, Inc. All rights reserved.

Licensed to: Sun_customer_demo_use
For commercial version contact PointBase at: 
pointbase.com
PHONE: 1-877-238-8798 (US & CANADA)
       1-408-961-1100 (International)
WEBSITE: www.pointbase.com

SQL>unload database sampledb.sql;
SQL> unload database sampledb.sql;
SQL> 13 Row(s) Unloaded. (PBPUBLIC.CUSTOMER_TBL)
SQL> 4 Row(s) Unloaded. (PBPUBLIC.DISCOUNT_CODE_TBL)
SQL> 30 Row(s) Unloaded. (PBPUBLIC.MANUFACTURE_TBL)
SQL> 11 Row(s) Unloaded. (PBPUBLIC.MICRO_MARKETS_TBL)
SQL> 9 Row(s) Unloaded. (PBPUBLIC.OFFICE_TBL)
SQL> 4 Row(s) Unloaded. (PBPUBLIC.OFFICE_TYPE_CODE_TBL)
SQL> 15 Row(s) Unloaded. (PBPUBLIC.ORDER_TBL)
SQL> 6 Row(s) Unloaded. (PBPUBLIC.PRODUCT_CODE_TBL)
SQL> 30 Row(s) Unloaded. (PBPUBLIC.PRODUCT_TBL)
SQL> 10 Row(s) Unloaded. (PBPUBLIC.SALES_REP_DATA_TBL)
SQL> 10 Row(s) Unloaded. (PBPUBLIC.SALES_REP_TBL)
SQL> 52 Row(s) Unloaded. (PBPUBLIC.SALES_TAX_CODE_TBL)
SQL> 12 Table(s) Unloaded.
SQL> quit;

この例の unload database コマンドを実行した結果は、sampledb.sql ファイルに書き込まれます。sampledb.sql ファイルには、必要なテーブルとインデックスを作成するために必要となる DDL がすべて含まれています。また、データベースにデータを挿入しなおすための DML も含まれます。コマンダの RUN コマンドは、生成されたスクリプトを使用して別の Pointbase データベースにデータをインポートするために使用されます。生成されたファイル内の INSERT 文と関連するデータの例を次に示します。

INSERT INTO "ADVENTURE"."CATEGORY" (
"CATID", "LOCALE", "NAME", "DESCRIPTION", "IMAGEURI" )
VALUES( ?, ?, ?, ?, ? );
{
'ISLAND              ','en_US','Island Adventures','Experience an island /
paradise in a way fit for your needs.','Island_Adventures.gif'
'JUNGLE              ','en_US','Jungle Adventures','Experience a jungle /
paradise in a way fit for your needs.','Jungle_Adventures.gif'
'MOUNTAIN            ','en_US','Mountain Adventures','Experience an /
elevated paradise with a view.','Mountain_Adventures.gif'
'ORBITAL             ','en_US','Orbital Adventures','Experience a vacuum /
paradise with a beautiful view and where no one can hear you scream.', /
'Space_Adventures.gif'
'WESTERN             ','en_US','Western Adventures','Enjoy the Wild West. /
','Western_Adventures.gif'
'SOUTH_POLE          ','en_US','South Pole Adventures','Experience a /
frozen paradise in a way fit for your needs.','SouthPole_Adventures.gif'
};

コマンダの unload database コマンドによって生成されたファイルを、DDL だけで構成されるように簡単に編集できます。たとえば、insert 文を処理するプログラムを記述することは難しくありません。簡単なテストとして、Pointbase sample データベースに対して unload database コマンドを使用し、生成されたスクリプトを編集して次のように変更します。

次に、簡単な Ant スクリプトを使用し、sql ターゲットを使用して DDL を実行します。最後に、sun-appserv-samples データベースに対して同じ試行を繰り返します。このとき、生成された SQL ファイルに次の変更を追加する必要があります。

Pointbase の Java プロシージャーを Java DB で動作するように変換するには、CREATE PROCEDURE 文と同様に Java コードも変更する必要があります。Java DB の Java プロシージャーの詳細については、Derby Reference manual を参照してください。Boolean データ型は、次期リリースの Java DB でサポートされる予定です。

ブラウザ

この節では、Sun Java System Application Server Platform Edition 9.0 Update 1 管理コンソールおよび『Quick Start Guide』でサポートされるブラウザを示します。Application Server 上のアプリケーションの実行時にサポートされるブラウザは、実行中のアプリケーションによって異なります。

表 2–4 サポートされるブラウザ

ブラウザ 

バージョン 

Mozilla 

1.4、1.5、1.6、1.7、1.8 

Netscape Navigator 

6.2、7.0 

Internet Explorer 

5.5 Service Pack 2、6.0 

Firefox 

1.5 

Sun Java System Application Server のアップグレード

以前のバージョンの Application Server から Sun Java System Application Server Platform Edition 9.0 Update 1 にアップグレードするための詳細な手順については、『Sun Java System Application Server Platform Edition 9 Upgrade and Migration Guide』を参照してください。

その他の要件

Sun Java System Application Server ソフトウェアをインストールする前に、次の追加の要件が満たされるようにしてください。

Java EE 5 プラットフォームの API

Sun Java System Application Server Platform Edition 9.0 Update 1 は、Java EE 5 プラットフォームをサポートしています。Java EE 5 プラットフォームで使用できる拡張 API を、次の表に示します。

表 2–5 Java EE 5 プラットフォームの主要な API の変更点

API 

JSR 

Java EE 5

Java Platform, Enterprise Edition 5

JSR 244

Web サービステクノロジ

エンタープライズ Web サービスの実装 

JSR 109

Java API for XML-Based Web Services (JAX-WS) 2.0 

JSR 224

Java API for XML-Based RPC (JAX-RPC) 1.1 

JSR 101

Java Architecture for XML Binding (JAXB) 2.0

JSR 222

SOAP with Attachments API for Java (SAAJ) 

JSR 67

Streaming API for XML

JSR 173

Java プラットフォーム用 Web サービスメタデータ 

JSR 181

コンポーネントモデルテクノロジ

Enterprise JavaBeans 3.0

JSR 220

J2EE Connector Architecture 1.5

JSR 112

Java Servlet 2.5

JSR 154

JavaServer Faces 1.2

JSR 252

JavaServer Pages 2.1

JSR 245

JavaServer Pages Standard Tag Library 1.2

JSR 52

管理テクノロジ

J2EE Management

JSR 77

J2EE Application Deployment

JSR 88

Java Authorization Contract for Containers

JSR 115

その他の Java EE テクノロジ

Common Annotations for the Java Platform 

JSR 250

Java Transaction API (JTA)

JSR 907

JavaBeans Activation Framework (JAF) 1.1

JSR 925

JavaMail

JSR 919

Java Message Service API

JSR 914

Java Persistence API

JSR 220

Java EE 5 SDK

Sun Java System Application Server 9.0 Update 1 は、Java EE 5 SDK の一部として使用できます。

Java EE 5 SDK には、次の 2 つのバージョンがあります。

さらに、これらの SDK 配布を JDK または NetBeans 5.5 ツールとともにダウンロードすることもできます。詳細については、http://java.sun.com/javaee/downloads/index.jsp のダウンロードページにアクセスしてください。

サポートされている別の Java バージョンへの切り換え

Sun Java System Application Server 9.0 Update 1 には、配下の JVM として J2SE 5.0 以降が必要です。Java を別のバージョンに切り替える場合は、次の一般的な手順に従います。(Windows および Unix)

Procedureサポートされている別の Java バージョンへ切り換えるには

  1. 必要に応じて、Java SDK (JRE ではない) をダウンロードしてインストールします。

    Java SDK は、http://java.sun.com/j2se からダウンロードできます。

  2. Application Server を完全に停止します。

    次のコマンド行が使えます。


    as-install/bin/asadmin stop-domain

    または、管理コンソールの GUI で次の手順に従います。

    1. 「アプリケーションサーバー」ノードをクリックします。

    2. 「インスタンスの停止」をクリックします。

  3. install_dir/config/asenv.conf ファイル (Windows では asenv.bat) を編集して、新しい J2SE のホームディレクトリをポイントするように AS_JAVA の値を変更します。

  4. as-install/samples/common.properties ファイルを編集して、J2SE の新しいホームディレクトリを参照するように com.sun.aas.javaRoot... で始まる行を変更します。

  5. Application Server を再起動します。


    as-install/bin/asadmin start-domain