メールシステムの管理

sendmail 構成ファイルの目的

sendmail 構成ファイルは次の 3 つの部分に分かれています。

記号、クラス、オプションとパラメータを定義して、sendmail の環境を設定して、オプションを設定していくつかの重要なマクロを定義します。

メールプログラムと配信プログラムを定義することによって、sendmail が正しいプロトコルを使用し、正しい配信プログラムとやりとりできるようになります。

書き換えルールを定義してルールセットにまとめ、別の形式にアドレスを変換します。一般に、ルールセットの各ルールは特定のアドレスに適用されます。アドレスはルールセット内で何度か書き換えられることがあります。

標準のルールセットは 7 つあり、表 3-5 に示す順に適用されます。

表 3-5 ルールセットの適用の順序

ルールセット 

説明 

3

適用される最初のルールセット。アドレスを local-address@host-domain に変換しようとする

0

宛先と送信に使用するメールプログラムを判定する。宛先を 3 つ (メールプログラムホストユーザー) に処理する

1

発信者のアドレスを書き換える 

S

発信者アドレスに追加のルールセットを指定し、最後のメールプログラム固有のクリーンアップが可能。これらのルールセットには、各メールプログラムごとに異なる名前がある。たとえば、 S は一般の「発信者 (sender)」を表す

2

受信者のアドレスを書き換える 

R

受信者アドレスに追加のルールセットを指定し、最後のメールプログラム固有のクリーンアップが可能。これらのルールセットには、各メールプログラムごとに異なる名前がある。この例の R は一般の「受信者 (recipient) 」を表す 

4

通常内部形式から外部形式に、前回のアドレスをすべて書き換える 

ルールセット 0 は内部的な形式に変換される必要があります。この内部形式はメールプログラム記述子へのポインタとして使用されます。メールプログラム記述子は、メールプログラムのインタフェースの必要条件を記述します。

メッセージにある名前の書き換えは、通常、2 つのフェーズで行われます。最初のフェーズは、ルールセット 3 を使用して任意のフォーマットの名前を local-address@host-domain 形式に変換します。第 2 フェーズは、その名をメールプログラムの受信に適した構文の標準形式に変換します。sendmail は 3 つのサブフェーズで名前を書き換えます。ルールセット 1 はすべての発信者の名前に、ルールセット 2 はすべての受信者の名前に適用されます。メールプログラムの定義中にメールプログラム固有のルールセットを指定できます。最後に、ルールセット 4 は、外部形式への変換を行うために適用されます。

RFC 822 では、メールメッセージそのもののフォーマットを説明しています。sendmail はこの RFC に準拠しています。したがって、カスタマイズするには、このマニュアルに説明がある多数の標準的なコードを変更する必要があります。特に次の文字は特殊な意味に解釈されます。

< > () " ¥


注意 - 注意 -

RFC 822 特殊文字 < > ( ) " ¥ は、特定の目的に使用してください。かっこ () の中の情報は、コメントまたは個人用です。角かっこ <> の中の情報は local-address@host-domain アドレス用です。