NFS の管理

ファイルシステムのマウント

ファイルシステムをマウントするには、いくつかの方法があります。システムをブートするときに自動的にマウントされるようにするか、コマンド行から必要に応じてマウントするか、オートマウンタを使用します。オートマウンタには、ブート時のマウントやコマンド行からのマウントに比較していくつもの利点がありますが、状況によってこれら 3 つを組み合わせることが必要です。

ブート時のマウント

autofs マップを使用するのではなく、ブート時にファイルシステムをマウントするには、次の手順に従います。この手順は、すべてのローカルファイルシステムで実行しなければなりません。すべてのクライアントで実行しなければならないので、リモートファイルシステムでの実行は推奨できません。

    /etc/vfstab ファイルを編集します。

/etc/vfstab ファイルのエントリ構文は、次のとおりです。

special fsckdev mountp fstype fsckpass mount-at-boot mntopts

vfstab ファイルの項目の例

wasp サーバの /var/mail ディレクトリをクライアントに /var/mail としてマウントするとします。クライアントでは、読み出しと書き込みの両方ができるようにします。この場合は、以下の項目をクライアントの vfstab ファイルに追加します。


wasp:/var/mail - /var/mail nfs - yes rw

注意 - 注意 -

NFS サーバに NFS vfstab ファイルのエントリを作成するとデッドロックが発生する可能性があるため、作成してはなりません。NFS サービスは、/etc/vfstab がチェックされてから起動されます。そのため、互いのファイルシステムをマウントしている 2 台のサーバが同時にダウンすると、リブート中にシステムがハングする可能性があります。


コマンド行からマウントする方法

通常オペレーションの間にファイルシステムを手動でマウントするには、mount コマンドをスーパーユーザとして実行します。


# mount -F nfs -o ro bee:/export/share/local /mnt

上の例では、bee サーバの /export/share/local ファイルシステムが、ローカルシステムの /mnt に読み取り専用でマウントされます。コマンド行からこのようにマウントすることにより、ファイルシステムを一時的に表示することができます。umount を実行するかローカルホストをリブートすると、このマウントは解除されます。


注意 - 注意 -

Solaris 2.6、および Solaris 2.6 以後のパッチに含まれる mount コマンドでは、無効なオプションがあっても警告されません。解釈できないオプションがあると無視されるだけです。予想外の結果が生じるのを避けるために、使用するオプションはすべて確認してください。


mount コマンドで使用されるオプションを確認する方法

Solaris 2.6、および Solaris 2.6 以後のパッチに含まれる mount コマンドでは、無効なオプションがあっても警告されません。コマンド行または /etc/vfstab に指定したオプションが有効であるかどうかを確認するには、以下の手順に従います。

この例では、次のコマンドを実行してあることが前提です。


# mount -F nfs -o ro,vers=2 bee:/export/share/local /mnt
  1. nfsstat コマンドを実行して、オプションを確認します。


    # nfsstat -m
    /mnt from bee:/export/share/local
    Flags: vers=2,proto=tcp,sec=sys,hard,intr,dynamic,acl,rsize=8192,wsize=8192,retrans=5

    bee のファイルシステムは、プロトコルのバージョンを 2 に設定してマウントされていることに注意してください。nfsstat コマンドを使ってもすべてのオプションに関する情報を表示することはできませんが、オプションを確認するには nfsstat コマンドを使うのが最も確実な方法です。

  2. /etc/mnttab ファイルのエントリをチェックします。

    mount コマンドを使うと、マウントテーブルに無効なオプションを追加することはできません。したがって、このファイルに列挙されているオプションがコマンド行の内容と一致することを確認すれば、そのオプションが nfsstat コマンドによってレポートされないことの確認になります。


    # grep bee /etc/mnttab
    bee:/export/share/local /mnt nfs	ro,vers=2,dev=2b0005e 859934818

オートマウンタを使ってマウントする方法

第 5 章「autofs について」 では、オートマウンタによるマウント方法と保守方法について説明します。通常のシステムに変更を加えずに、リモートファイルシステムが /net マウントポイントでアクセスできるようになります。前の例のように /export/share/local ファイルシステムをマウントする場合、以下を実行するだけです。


% cd /net/bee/export/share/local

オートマウンタでは、すべてのユーザがファイルシステムをマウントできるので、root としてアクセスする必要はありません。またファイルシステムのマウントを自動的に解除できるので、作業の終了後、ファイルシステムのマウントを解除する必要はありません。