SunOS 5.6 と SunOS 4.x のファイルシステムは類似していますが、システムディレクトリとシステムファイルの位置と名前には変更が加えられています。5.6 には、新しいファイルシステムと新しい疑似ファイルシステムが追加される一方で、1 つのディレクトリが使用されなくなっています。
「ファイルシステムの変更」では、ファイルシステムの変更について説明しています。『Solaris のシステム管理』では、ファイルシステムの概念と管理について詳細に説明しています。
ファイルシステムの位置と名前についての変更は、次のとおりです。
/dev ディレクトリは、平坦な構造から階層構造に変更されました。
/etc ディレクトリには、システム構成情報が含まれるようになりました。ファイルとサブディレクトリの追加、削除、変更が行われています。
/etc/vfstab ファイルは、/etc/fstabに変更されました。
/etc/lp ディレクトリは、/etc/printcap に変更されました。
SunOS 5.6 では、/sbin ディレクトリに、システムの実行レベルを変更する rc スクリプトと、ファイルシステムをマウントする前にシステムを初期設定する rcs スクリプトが含まれています。
SunOS 5.6 では、/usr ディレクトリに、システムの提供する共有可能ファイルと実行可能ファイルが含まれています。
/var ディレクトリには、通常の使用の際に大きさが変化するファイルが含まれています。ファイルとサブディレクトリの追加、削除、変更が行われています。
/var/mail ディレクトリは、 /var/spool/mail に変更されました。
terminfo データベースは、termcap に変更されました。
SunOS 5.6 のコアカーネルは genunix と呼ばれます。カーネルモジュールは/kernel、/usr/kernel、/platform および /usr/platform の各ディレクトリに格納されています。
疑似ファイルシステムとは、ディスクベースのシステムに存在する、論理的なファイルグループのことです。SunOS 5.6 には、TFS 疑似ファイルシステムは含まれていません。
SunOS 5.6 で使用されている疑似ファイルシステムは、次のとおりです。
CACHEFS 疑似ファイルシステム - CD-ROM ドライブのような低速デバイスの性能を上げるために使用します。
PROCFS 疑似ファイルシステム - メモリに常駐し、アクティブなプロセスのプロセス番号を /proc ディレクトリに保持しています。proc(4) のマニュアルページを参照してください。
FDFS 疑似ファイルシステム - 明示的なファイル名を提供し、ファイル記述子を使用してファイルをオープンします。
FIFOFS 疑似ファイルシステム - パイプファイルを格納して、複数のプロセスが共通のデータをアクセスをできるようにします。
NAMEFS 疑似ファイルシステム - ファイル記述子をファイルの先頭に動的にマウントするのが目的で、ほとんどの場合 STREAMS が使用します。
SWAPFS 疑似ファイルシステム - デフォルトのスワップデバイスで、システムのブート時やシステム管理者が他のスワップ空間を作成するときに使用します。
SunOS 5.6 のディレクトリ構造には、次のファイルシステムも含まれています。
オプションの /opt ファイルシステム - サードパーティのソフトウェアや、アンバンドルのソフトウェアを格納するために使用します。/opt が単独のファイルシステムではない場合は、/usr/opt へのシンボリックリンクになっています。
RFS ファイルシステムタイプのサポートは除去されました。