システム管理者は Solaris 環境のさまざまな新しいツールにより、分散コンピューティング環境を容易に管理することができます。システム管理者用の機能として次のものが挙げられます。
デバイス情報 - システム管理者は、オプションのユーティリティを使うことにより、インストールされているデバイスの名前、属性、アクセス状況などの情報を得ることができます。従来の UNIX システムにはなかった機能としてデバイス割り当てプールを作成することにより、管理は容易になります。
ファイルシステムの管理 - これらのユーティリティを使用することにより、システム管理者はファイルシステムの作成、コピー、マウント、デバッグ、修復、マウント解除が行えます。また、ハードファイルリンクと名前付きパイプの作成や削除、ボリュームの管理も行えます。
プロセス間通信 - 2 つのプロセス間通信ユーティリティは、システムのプロセス間通信機能 (メッセージ待ち行列、セマフォ、共有メモリの ID) の作成、削除、状態のレポートを行います。これらのユーティリティは、システムのチューニングに役立つ情報を提供します。
プロセス管理 - プロセス管理ユーティリティは、システムのスケジューリングを制御します。これらのユーティリティを使用すると、管理者は性能、ログイン、ディスクアクセスの位置に関するレポートを作成し、システムのパフォーマンスをより効率良くチューニングする方法を検討することができます。さらに、システムの実行レベルの変更、アクティブなプロセスの終了、コマンドの実行時間の指定、カーネルによるデフォルトのスケジューリング優先順位の変更、タイムシェアリング、リアルタイム処理などの変更も可能です。
システムアカウント - アカウントユーティリティを使用すると、システム管理者は CPU、ユーザ、プロセスによるシステムの使用状況を追跡し、より効率の良い優れたリソースの割り当てを検討することができます。
システム情報 - これらのユーティリティは、システムメモリとシステムの構成についてレポートします。システム管理者は、これらのユーティリティを使用して、システム名やネットワークのノードを変更することができます。
ユーザとグループの管理 - システム管理者は、これらのユーティリティを使用して、グループとパスワードのデータベース内のエントリの作成と削除、デフォルトのホームディレクトリと環境の指定、ユーザログインとシステムログインの管理、グループ ID とユーザ ID の割り当てなどを行うことができます。これらのユーティリティは、一次グループと二次グループの両方をサポートしています。
Admintool - Admintool は OpenWindows 環境下で動作するもので、システム管理機能を提供します。これらの機能は、ローカルシステム上での、ホストの追加、ネットワークの管理、他の多くの日常作業を支援します。
自動構成 - Solaris 環境は動的なカーネルを持っており、デバイスがアクセスされたときに、ドライバや他のモジュールをメモリにロードします。インストールの後でカーネルを再構築する必要や、システム管理者がドライバの追加と削除を行う必要はありません。
インストール - Solaris 環境はインストール用の GUI を備えているため、インストール作業やアップグレード作業が容易になります。ネットワーク全体にわたる自動インストールや自動アップグレードも可能です。