Solaris のインストール (上級編)

第 3 章 カスタム JumpStart インストールの実行

この章では、カスタム JumpStart インストールを実行する手順を説明します。これらの手順は、インストールしようとするシステム上で実行してください。


注 -

ローカル CD-ROM からデスクトップシステムをインストールするには、Solaris 2.6 情報ライブラリ (SPARC 版)またはSolaris 2.6 情報ライブラリ (Intel 版)の「インストールの手順」を参照してください。対話式インストールを実行したい場合は、第 2 章「対話式インストールの実行」を参照してください。


SPARC: カスタム JumpStart インストールの実行手順

  1. 表 3-1 を使って、インストール先のシステムでカスタム JumpStart インストールを実行する準備ができていることを確認します。

    表 3-1 SPARC: カスタム JumpStart インストールのためのシステムの設定: 作業マップ
     

    作業 

     

    説明 

     

    参照先 

     

    既存の Solaris 1.x (SunOS 4.x) ファイルのバックアップをとる 

     

    システムに以前の Solaris 1.x (SunOS 4.x) リリースがインストールされている場合は、一部の Solaris 1.x ファイルは Solaris ファイルに変換またはマージできます。begin スクリプトと finish スクリプトを使って、この作業を実行できます。 

     

    Solaris 2.x への移行

     
            
     

    システムがサポートされているかチェックする 

     

    ハードウェアのマニュアルで、そのシステムで Solaris 2.6 リリースがサポートされているか調べます。 

     

    Solaris 2.6 ご使用にあたって

     
            
     

    旧バージョンの Solaris がインストールされている場合は、システムをアップグレードする方法を決定する 

     

    システムに以前の Solaris リリースがインストールされている場合は、システムをどのようにアップグレードするかを決める必要があります。システムをアップグレードする前と後で何をすべきかを明確にしておいてください。こうすると、プロファイル、begin スクリプト、finish スクリプトなどの設定が容易になります。 

     

    第 4 章「システムのアップグレード」

     
              
     

    Solaris ソフトウェアをインストールするための十分なディスク容量が、システムにあるかチェックする 

     

    (省略可能) ディスク容量の計画をたてるときには、どのソフトウェアグループをインストールするかなど、さまざまな考慮事項があります。 

     

    付録 A 「ディスク容量の計画」

     
              
     

    システム構成情報を事前設定する 

     

    (省略可能) sysidcfg ファイルまたはネームサービスを使って、システムのインストール情報 (たとえば locale など) をあらかじめ設定できるため、インストール作業中にプロンプトに答えて毎回情報を入力する手間が省けます。

     

    第 6 章「システム構成情報の事前設定」

     
              
     

    カスタム JumpStart インストールするようにシステムを準備する 

     

    カスタム JumpStart を使ってシステムをインストールするには、あらかじめ初期設定作業を行う必要があります。 

     

    第 8 章「カスタム JumpStart インストールの準備」

     
              
     

    ネットワーク上でインストールするようにシステムを設定する 

     

    ネットワーク上でのインストールの場合のみ

    リモート Solaris CD イメージからシステムをインストールするには、インストールサーバーまたはブートサーバーからブートとインストールを行うようにシステムを設定する必要があります。 

     

    第 7 章「ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールする準備」

     
       

  2. システムがネットワークの一部に組み込まれている場合は、そのシステムに Ethernet コネクタまたは類似のネットワークアダプタが接続されていることを確認します。

  3. tip ラインで接続されているシステムをインストールする場合は、ウィンドウ表示が横 80 桁、縦 24 行以上あることを確認します。

    この大きさがないと、キャラクタベースのインストールインタフェースは正しく表示されません。stty コマンドを使うと、tip ウィンドウの現在のサイズを調べることができます。

  4. システムの CD-ROM ドライブを使ってシステムに Solaris ソフトウェアをインストールする場合は、システムの CD-ROM ドライブに Solaris CD-ROM を挿入します。

  5. プロファイルフロッピーディスクを使ってカスタム JumpStart インストールを実行する場合は、システムのフロッピーディスクドライブにこのプロファイルフロッピーディスクを挿入します。

  6. システムをブートします。

    新規 / 既存システム 

    操作 

    新規 (梱包から取り出したばかり) 

    システムの電源を入れる。 

    既存 

    • ネットワーク上のインストールサーバーからインストールする場合は、ok プロンプトで次のように入力する。


         ok boot net - install
      

      (- の前後に半角スペースが必要です。)

    • システムのローカル CD-ROM ドライブからインストールする場合は、ok プロンプトで次のように入力する。


         ok boot cdrom - install
      

      (- の前後に半角スペースが必要です。)


    注 -

    古い EEPROM をもつシステムの場合、システムの CD-ROM からブートするには cdrom の代わりに sd(0,6,2) と入力してください。


    この時点で問題が発生した場合は、第 5 章「問題発生時の解決方法」を参照してください。


    注 -

    システムで ok プロンプトを表示させる方法の詳細は、Solaris のシステム管理を参照してください。


  7. ブートが完了するのを待ちます。

    boot コマンドを入力すると、システムはハードウェアとシステムの構成要素をチェックします。これには数分かかります。

  8. プロンプトが表示された場合は、システムに関する情報を入力します。

    ブート後に、Solaris インストールプログラムはプロンプトを表示して、システムに関する構成情報を入力するよう求めてきます。すべてのシステム構成情報をあらかじめ設定してある場合は、この手順を省略して、手順 9 に進むことができます。

  9. システムに Solaris ソフトウェアがインストールされるのを待ちます。

    インストールが終了すると、表 3-2 に示すファイルに Solaris ソフトウェアのインストールに関するログが保存されます。

    表 3-2 インストールログの保存場所

    システムのインストール方法 

    ログの保存先 

    初期インストールオプション 

    • システムをリブートする前: /a/var/sadm/system/logs/install_log

    • システムをリブートした後: /var/sadm/system/logs/install_log

    アップグレードオプション 

    • システムをリブートする前: /a/var/sadm/system/logs/upgrade_log

    • システムをリブートした後: /var/sadm/system/logs/upgrade_log

  10. システムのプロファイルがディスクレスクライアントまたは AutoClient システムに対して領域を割り当てた場合は、Solstice ホストマネージャを使って、これらのクライアントの設定を完了します。

x86: カスタム JumpStart インストールの実行手順

  1. 表 3-3 を使って、インストール先のシステムでカスタム JumpStart インストールを実行する準備ができていることを確認します。

    表 3-3 x86: カスタム JumpStart インストールのためのシステムの設定: 作業マップ
     

    作業 

     

    説明 

     

    参照先 

     

    既存のオペレーティングシステムとユーザーデータを保存する必要があるか決定する 

     

    システムにディスク全体を使用している既存のオペレーティングシステムがある場合は、そのシステムと Solaris ソフトウェアを共存させるために既存のオペレーティングシステムを保存する必要があります。この決定により、システムのプロファイル内の fdisk キーワードをどのように指定するかが決まります。

     

    付録 F 「x86: 既存のオペレーティングシステムとユーザーデータの保存」

     
            
     

    システムがサポートされているかチェックする 

     

    ハードウェアのマニュアルで Solaris 2.6 がサポートされているか調べます。 

     

    同梱の『ドライバー・アップデートおよびハードウェア互換リストの入手方法

     
            
     

    旧バージョンの Solaris がインストールされている場合は、システムをアップグレードする方法を決定する 

     

    システムに以前の Solaris リリースがインストールされている場合は、システムをどのようにアップグレードするかを決める必要があります。システムをアップグレードする前と後で何をすべきかを明確にしておいてください。こうすると、プロファイル、begin スクリプト、finish スクリプトなどの設定が容易になります。 

     

    第 4 章「システムのアップグレード」

     
              
     

    Solaris ソフトウェアをインストールするための十分なディスク容量がシステムにあるかチェックする 

     

    (省略可能) ディスク容量の計画をたてるときには、どのソフトウェアグループをインストールするかなど、さまざまな考慮事項があります。 

     

    付録 A 「ディスク容量の計画」

     
              
     

    システム構成情報を事前設定する 

     

    (省略可能) sysidcfg ファイルまたはネームサービスを使って、システムのインストール情報 (たとえば locale など) をあらかじめ設定できるため、インストール作業中にプロンプトに答えて毎回情報を入力する手間が省けます。

     

    第 6 章「システム構成情報の事前設定」

     
              
     

    カスタム JumpStart インストールを行うようにシステムを準備する 

     

    カスタム JumpStart を使ってシステムをインストールするには、あらかじめ初期設定作業を行う必要があります。 

     

    第 8 章「カスタム JumpStart インストールの準備」

     
              
     

    ネットワーク上でインストールするようにシステムを設定する 

     

    ネットワーク上でのインストールの場合のみ

    リモート Solaris CD イメージからシステムをインストールするには、インストールサーバーまたはブートサーバーからブートとインストールを行うようにシステムを設定する必要があります。 

     

    第 7 章「ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールする準備」

     
       

  2. システムがネットワークの一部に組み込まれている場合は、そのシステムに Ethernet コネクタまたは類似のネットワークアダプタが接続されていることを確認します。

  3. tip ラインで接続されているシステムをインストールする場合は、ウィンドウ表示が横 80 桁、縦 24 行以上あることを確認します。

    この大きさがないと、キャラクタベースのインストールインタフェースは正しく表示されません。stty コマンドを使うと、tip ウィンドウの現在のサイズを調べることができます。

  4. システムのブートフロッピードライブ (a: ドライブの場合が多い) に Configuration Assistant (構成用補助) フロッピーディスクまたはプロファイルフロッピーディスクを挿入します。


    注 -

    プロファイルフロッピーディスクを使ってカスタム JumpStart インストールを実行する場合は、システムの a: フロッピーディスクドライブにプロファイルフロッピーディスク (これは Configuration Assistant (構成用補助) フロッピーディスクのコピーでもある) を挿入する必要があります。


  5. システムの CD-ROM ドライブを使ってシステムに Solaris ソフトウェアをインストールする場合は、CD-ROM ドライブに CD-ROM を挿入します。

  6. システムの電源が切れている場合は電源を入れます。システムの電源が入っていた場合は、システムをリブートします。

    Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) プログラムが起動し、システムのデバイスを調べます。

  7. システムの CD-ROM ドライブ (CD) またはネットワーク上のインストールサーバー (NET) からブートします。

    Boot Solaris
    
    Select one of the identified devices to boot Solaris.
    
    > To make a selection, use the arrow keys, then press Enter to mark it [X]. 
    
    
      Boot Solaris               
      -------------------------------------------------------------------- 
      [ ]  NET : Xircom Pocket Ethernet parallel port card
                 Port: 3BC-3BF; IRQ: 7 
      [ ]  DISK: IDE(ATA) QUANTUM FIREBALL1080A 
                 Target: 0; Port: 1F0-1F7, 3F6-3F7; IRQ: 14             
      [ ]  CD  : IDE(ATA) IBM-H2344-A4
                 Target: 0; Port: 1F0-1F7, 3F6-3F7; IRQ: 14  
  8. カスタム (Custom) JumpStart インストール方法を選択します。

    Select the type of installation you want to perform:
    
             1 Solaris Interactive
             2 Custom JumpStart
             3 Solaris Web Start
    
    Enter the number of your choice followed by the <ENTER> key.
    
    If you enter anything else, or if you wait for 30 seconds,
    an interactive installation will be started.

    この時点で問題が発生した場合は、第 5 章「問題発生時の解決方法」を参照してください。

  9. プロンプトが表示された場合は、システムに関する情報を入力します。

    ブート後に、Solaris インストールプログラムはプロンプトを表示して、システムに関する構成情報を入力するよう求めてきます。すべてのシステム構成情報をあらかじめ設定してある場合は、この手順を省略して、手順 10 に進むことができます。

  10. システムに Solaris ソフトウェアがインストールされるのを待ちます。

    インストールが終了すると、表 3-4 に示すファイルに Solaris ソフトウェアのインストールに関するログが保存されます。

    表 3-4 インストールログの保存場所

    システムのインストール方法 

    ログの保存先 

    初期インストールオプション 

    • システムをリブートする前: /a/var/sadm/system/logs/install_log

    • システムをリブートした後: /var/sadm/system/logs/install_log

    アップグレードオプション 

    • システムをリブートする前: /a/var/sadm/system/logs/upgrade_log

    • システムをリブートした後: /var/sadm/system/logs/upgrade_log

  11. システムのプロファイルが、ディスクレスクライアントまたは AutoClient システムに対して領域を割り当てた場合は、Solstice ホストマネージャを使って、これらのクライアントの設定を完了します。