Solaris 2.6 情報ライブラリ (Intel 版)

第 5 章 既存のオペレーティングシステムとユーザーデータの保存

x86 ベースのシステムには、MS-DOS、Microsoft Windows、Windows NT、OS/2 などの UNIX 以外のオペレーティングシステムや、他のベンダーの UNIX がほとんどの場合すでにインストールされています。すでにインストールされているオペレーティングシステムのほとんどがシステムのディスク全体 (1 つの fdisk パーティション) を使用していて、その中には、失いたくないデータも含まれています。その fdisk パーティションに Solaris オペレーティング環境をインストールすると、既存のオペレーティングシステムとそれに関連するユーザーデータを上書きしてしまいます。既存のオペレーティングシステムをシステムに残し、Solaris オペレーティング環境と共存させたい場合は、複数の fdisk パーティションをディスクに作成しなければなりません。

この章では、1 台のディスクシステム上にある既存のデータを保存して、既存のオペレーティングシステム (MS-DOS など) を Solaris オペレーティングシステムと共存させる手順を説明します。

既存のオペレーティングシステムとユーザーデータを保存するには
  1. 既存のオペレーティングシステムが Solaris オペレーティング環境と共存できることを確認します。

    次の表では、Solaris オペレーティング環境と共存させた場合のオペレーティングシステムの既知の問題について記述しています。ただしこの表は完全ではありません。問題については、必ず既存のオペレーティングシステムのマニュアルで確認してください。

    表 5-1 Solaris と共存させたときに問題のあるオペレーティングシステム

    オペレーティングシステム 

    問題 

    Linux 

    Solaris fdisk パーティションは、Linux のスワップパーティションと同じである。したがって Solaris ソフトウェアをインストールする前に、Linux のスワップパーティションを削除しなければならない。手順については、Linux のマニュアルを参照。 

  2. 既存のオペレーティングシステムが入っている媒体 (CD-ROM やフロッピーディスク) があることを確認します。

    インストール済みシステムの中には、オペレーティングシステムを再インストールするための媒体が標準で付属していないものもあります。ベンダーが提供するツールを使用して、オペレーティングシステムのコピーを媒体に作成してください。

  3. バックアッププログラムを使用して、既存のオペレーティングシステムのカスタマイズデータとユーザーデータをバックアップします。

  4. 「インストールの手順」の章に説明されている手順を使用して、Solaris インストールプログラムを起動します。

  5. プロンプトが表示されたら、「Solaris Interactive Installation」オプションを選択します。

    「Solaris Web Start」オプションは選択しないでください。このオプションでは、fdisk パーティションを作成できません。

  6. Solaris 用に Solaris fdisk パーティションを作成して、既存のオペレーティングシステム用に fdisk パーティションを作成します。

    既存のオペレーティングシステムがディスク全体を使用しているため、Solaris fdisk パーティションを手作業で作成するのか、あるいは、自動で作成するのかを選択します。

  7. インストール時にプロンプトが表示されたら、「手動リブート (Manual Reboot)」を選択します。

  8. Solaris ソフトウェアがインストールされた後、コマンド行からシステムを停止します。

  9. 上記の既存のオペレーティングシステムの媒体を使用して、システムをリブートします。

  10. Solaris 以外の fdisk パーティションが「Other」の場合、そのオペレーティングシステムの fdisk ユーティリティを使用して、fdisk パーティションに新しい名前を付けます。

  11. 当該オペレーティングシステムのインストールソフトウェアを使用して、Solaris 以外の fdisk パーティションにそのオペレーティングシステムを再インストールします。


    注 -

    MS-DOS ユーザーのみ - MS-DOS セットアッププログラムは、MS-DOS パーティションがフォーマットされていないことを認識して、フォーマットするかどうかを尋ねるプロンプトを表示します。セットアッププログラムがディスク全体をフォーマットするように解釈できるメッセージが表示されますが、実際には MS-DOS fdisk パーティションだけをフォーマットして、Solaris fdisk パーティションには何もしません。


  12. バックアップしたデータを Solaris 以外の fdisk パーティションに復元します。

    オペレーティングシステムの復元プログラムを使用して、バックアップしたファイルを復元します。

  13. システムをリブートして、Solaris オペレーティング環境をアクティブなパーティションに変更します。

    以降、システムをリブートするたびに Solaris オペレーティング環境を自動的に起動させるようにするには、Solaris fdisk パーティションをアクティブなパーティションにしておかなければなりません。この場合、リブート後、「Boot Solaris」画面の指示に従ってください。