Solaris 2.6 情報ライブラリ (Intel 版)

第 8 章 ソフトウェアの追加と削除

この章では、Solaris CD や他の製品の CD からソフトウェアパッケージを追加する方法と、システムからソフトウェアパッケージを削除する方法を説明します。これらの作業には、コマンド行から行う方法と、グラフィカルユーザインタフェースの Admintool から行う方法の 2 通りがあります。

なお、ソフトウェアパッケージを追加したり削除したりする方法についての詳細は、『Solaris のシステム管理』を参照してください。

この章では次の内容について、その手順を説明します。

コマンドによるパッケージの追加と削除

ここでは、コマンド行からコマンドを入力してパッケージを追加したり削除する方法を説明します。

pkgadd コマンドでパッケージを追加するには

  1. インストール済みのシステムにログインして、root になります。

    シェルプロンプトで次のように入力します。

    $ su
    

  2. 追加するパッケージを含む CD を CD-ROM ドライブにロードします。

    ボリューム管理が自動的に CD をマウントします。

  3. pkgadd コマンドを使用して、1 つまたは複数のパッケージをシステムに追加します。

    # /usr/sbin/pkgadd -d device-name pkgid...
    

    指定の意味

    device-name

    インストール済みのシステムに追加するパッケージを含む CD のパス名 

    pkgid

    インストール済みのシステムに追加するソフトウェアの省略したパッケージ名 (たとえば、SUNWaudio)

    パッケージのインストール時に問題が発生した場合、pkgadd プロセスは、その問題に関連するメッセージを表示して、次のプロンプトを表示します。

    Do you want to continue with this installation?

    yesno、または quit で応答してください。複数のパッケージを指定した場合、no を入力すると、インストール中のパッケージのインストールを停止しますが、他のパッケージのインストールは続けます。quit を入力すると、インストールを停止します。

  4. パッケージが正しくインストールされていることを確認します。

    # /usr/sbin/pkgchk -v pkgid...

    pkgchk コマンドはエラーがないと判断した場合、インストールしたファイルを一覧表示します。エラーが発生した場合、エラーを報告します。

例 - pkgadd コマンドによるパッケージの追加

次の例は、パッケージ名 (この場合は、SUNWaudio パッケージ) を確認して、マウント済みの Solaris 2.6 CD からそのパッケージをインストールする方法を示しています。また、pkgchk コマンドを使用して、パッケージファイルが適切にインストールされていることを確認する方法も示しています。

# /usr/sbin/pkgadd -d /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_2.6 SUNWaudio.
.
.
Installation of <SUNWaudio> was successful.
# pkgchk -v SUNWaudio
/usr
/usr/bin
/usr/bin/audioconvert
/usr/bin/audioplay
/usr/bin/audiorecord
#

pkgrm コマンドでパッケージを削除するには

  1. インストール済みのシステムにログインして、root になります。

    シェルプロンプトで次のように入力します。

    $ su
    

  2. pkgrm コマンドを使用して、1 つまたは複数のパッケージをシステムから削除します。

    # /usr/sbin/pkgrm pkgid...

    指定の意味

    pkgid

    インストール済みのシステムから削除するソフトウェアの省略したパッケージ名 (たとえば、SUNWaudio)

  3. パッケージが正しく削除されていることを確認します。

    # /usr/sbin/pkgchk pkgid...

    pkgchk コマンドは、パッケージがインストールされていないと判断した場合、警告メッセージを表示します。

例 - pkgrm コマンドによるパッケージの削除

次の例は、SUNWaudio パッケージをシステムから削除するコマンドを示しています。また、pkgchk コマンドを使用して、パッケージファイルが削除されていることを確認する方法も示しています。

# /usr/sbin/pkgrm SUNWaudio
The following package is currently installed:
   SUNWaudio       Audio applications^M
                   (sparc) 3.0,REV=1.2.13^M

Do you want to remove this package? y
.
.
.
Removal of <SUNWaudio> was successful.
# pkgchk -v SUNWaudio
WARNING: no pathnames were associated with <SUNWaudio>

Admintool によるパッケージの追加と削除

ここでは、Admintool のグラフィカルユーザーインタフェースを使用してソフトウェアパッケージを追加したり削除する方法を説明します。

Admintool でパッケージを追加するには

  1. インストール済みのシステムにログインして、root になります。

    シェルプロンプトで次のように入力します。

    $ su
    

    UNIX sysadmin グループ (グループ 14) のメンバーでないかぎり、Admintool でソフトウェアパッケージをユーザーのシステムに追加したり削除したりする場合、root にならなければなりません。

  2. 追加するパッケージを含む CD を CD-ROM ドライブにロードします。

    ボリューム管理が自動的に CD をマウントします。

  3. Admintool を起動します。

    # admintool &
    

    「ユーザ (Users)」ウィンドウが表示されます。

  4. 「ブラウズ (Browse)」メニューから「ソフトウェア (Software)」を選択します。

    「ソフトウェア (Software)」ウィンドウが表示されます。

  5. 「編集 (Edit)」メニューから「追加 (Add)」を選択します。

    「ソース媒体の設定 (Set Source Media)」ウィンドウが表示される場合があります。この場合、インストール媒体へのパスを指定して、「OK」をクリックします。デフォルトのパスは、マウントされた SPARC 版 Solaris CD です。

    「ソフトウェアの追加 (Add Software)」ウィンドウが表示されます。

    Graphic
  6. ローカルのシステムにインストールしたいソフトウェアを選択します。

    このウィンドウの「ソフトウェア (Software)」部分で、インストールしたいソフトウェアを選択します。

    Admintool は、ロケールに依存する日本語パッケージを表示する場合、パッケージ名の末尾に次の ( <ロケール> ローカリゼーション) を追加して表示します。

    1. (ja ローカリゼーション) ja ロケール固有パッケージ

    2. (ja_JP.PCK ローカリゼーション) ja_JP.PCK ロケール固有パッケージ

    3. (ja, ja_JP.PCK ローカリゼーション) jaja_JP.PCK 共通パッケージ

    ja ロケール環境の場合は上記 a および c を、ja_JP.PCK ロケール環境の場合は b および c を、jaja_JP.PCK 両ロケール環境の場合は、a、b、c のすべてを選択してください。

  7. 「追加 (Add)」をクリックします。

    インストールされるパッケージごとに、コマンドツールウィンドウが表示され、インストール出力を表示します。

    「ソフトウェア (Software)」ウィンドウは、追加されたパッケージを表示します。

Admintool でパッケージを削除するには

  1. インストール済みのシステムにログインして、root になります。

    シェルプロンプトで次のように入力します。

    $ su
    

    UNIX sysadmin グループ (グループ 14) のメンバーでないかぎり、Admintool でソフトウェアパッケージをユーザのシステムに追加したり削除したりする場合、root にならなければなりません。

  2. Admintool を起動します。

    # admintool &
    

  3. 「ブラウズ (Browse)」メニューから「ソフトウェア (Software)」を選択します。

    「ソフトウェア (Software)」ウィンドウが表示されます。

    Graphic
  4. ローカルのシステムから削除したいソフトウェアを選択します。

  5. 「編集 (Edit)」メニューから「削除 (Delete)」を選択します。

    本当にそのソフトウェアを削除するかをたずねる確認メッセージが表示されます。

  6. 「削除 (Delete)」をクリックして、そのソフトウェアを削除することを確認します。

    削除するパッケージごとに、コマンドツールウィンドウが表示されて、そのソフトウェアを削除するかをユーザーにたずねます。yn、または q を入力してください。ソフトウェアの削除を選択した場合、削除プロセスからの出力が表示されます。

    「ソフトウェア (Software)」 ウィンドウは、削除されたパッケージを表示しなくなります。