Solaris オペレーティング環境のリンカーに関連する拡張機能として、バージョン管理とスコープ管理が追加されました。動的オブジェクトの開発者は、これらの機能を使って動的オブジェクトのバイナリインタフェースについて一連のバージョン更新をオブジェクト内部で定義し、グローバルシンボルをローカルスコープに落とすことができます。この機能によって、異なるソフトウェアリリースにまたがってインタフェースの進化を管理できるほか、前バージョンのグローバルシンボルの継承、バージョン依存関係の記録、および内部の実装変更の記述を行うことができます。
バージョン管理とスコープ管理によって、開発者はプログラム開発のための安定したインタフェースを提供できるほか、標準に準拠し、バグ修正などの実装変更をオブジェクトのパブリックインタフェースから保護することができます。このほかにも、オブジェクトサイズを縮小し、実行時再配置に必要なコストを節約してアプリケーションの実行時性能を向上できるなどの利点が得られます。
Solaris 2.6 オペレーティング環境では、システムライブラリでこの技術を利用し、バージョン管理とスコープ管理の両方を適用しています。
詳細については、『Linker and Libraries Guide』を参照してください。