以前のリリースでは、パッチのインストールや削除に使うツールと該当するマニュアルは各パッチの一部として出荷されていました。今回のリリースからこれらのツールは Solaris ソフトウェアに含まれるので、次の利点があります。
ユーザーのシステムスペースを有効に使用できる。ツールは、パッチごとにではなく システムに 1 度だけ提供される
以前より簡単に複数のパッチを扱うことができる
Solaris 2.x システムのパッチを追加したり削除したりできる patchadd コマンドと patchrm コマンドが用意されました。これらのコマンドを使って、Solaris 1.x システムのパッチを管理することはできません。
システム、クライアント、サービス、または ネットワークのインストール用イメージコピーに 1 つまたは複数のパッチを追加できます。
パッチをローカルのシステムに追加するには、次のように入力します。
# patchadd /var/spool/patch/104946-02 |
クライアントにパッチを追加するには、サーバー上のクライアントのルートディレクトリを指定します。ただし、パッチに root と usr の両方のパッケージが含まれる場合は、patchadd コマンドを 2 回実行する必要があります。root パッケージには -R オプションを、usr パッケージには -S オプションを付けて実行し、パッチを適用します。したがってサービス領域にしなければなりません。サービス領域とはどのリリースの Solaris でも、クライアントにとって通常は読み取り専用でサーバー上にマウントされている usr ファイルシステムを指します。
通常、クライアントにパッチを追加するには次のようにサーバー上のクライアントのルートディレクトリを指定します。
server# patchadd -R /export/root/client1 /var/spool/patch/104946-02 |
server# patchadd -S Solaris_2.3 /var/spool/patch/104946-02 |
詳細については、patchadd(1M) のマニュアルページと『Solaris のシステム管理』を参照してください。
Isalist は、SPARC システムのユーティリティセットです。Isalist によって、ユーザーは自分のマシンがサポートする命令セットを知ることができるほか、自分のマシンに最も適した命令セットが何であるかを判断できます。このユーティリティセットに含まれるコマンドは、次のとおりです。
isalist コマンド。サポートされる命令セットを一覧で表示する
optisa コマンド。この一覧から最も適した命令セットを表示する
実用的なユーザーインタフェース。sysinfo システムコールに相当する
現在、さまざまなバリエーションの SPARC プロセッサが存在します。これらのバリエーションのいくつかは、他の命令セットから区別して扱われます。あるバリエーション用にコンパイルされたアプリケーションバイナリは、異なるバリエーションで実行できないか、あるいは実行できても性能の低下を伴うことがあります。Isalist ユーティリティが提供する標準のインタフェースを使うと、ユーザーは適切なアプリケーションバイナリを選択して最高の性能を引き出すことができます。たとえば、システム管理者はラッパースクリプトを記述し、isalist と optisa の出力を利用してアプリケーションに適したバイナリを選択できます。