電源障害やシステム障害が原因で、ディスクが認識されなくなることがあります。このような場合に、かならずしもスライス情報やディスクのデータを作成し直したり、復元しなければならないとは限りません。
破損したディスクラベルを復元する作業の最初の手順は、正しいジオメトリとディスクタイプ情報を使用してディスクにラベルを付けることです。この操作は、通常のディスクラベル作成方法を使用して実行できます。つまり、自動構成するか、またはディスクタイプを手作業で指定します。
format でディスクタイプが認識されたら、次の手順はバックアップラベルを検索してディスクにラベルを付けることです。バックアップラベルを使用してディスクにラベルを付けると、ディスクタイプとジオメトリだけでなく、正しいパーティション情報を使用してディスクラベルが作成されます。
システムをシングルユーザーモードにします。必要であれば、シングルユーザーモードでローカル CD-ROM またはネットワークからシステムをブートして、ディスクにアクセスします。
システムをブートする方法については、第 8 章「SPARC システムのブートの手順」または第 9 章「Intel:x86 システムのブートの手順」を参照してください。
format ユーティリティを使用してディスクのラベルを作成し直します。
# format
この時点で、format はラベルが付いていない SCSI ディスクを自動構成しようとします。ラベルが付いておらず破損したディスクを自動構成できない場合は、次のメッセージが表示されます。
cwtxdy: configured with capacity of xyzMB
次に、システム上のディスクのリストが表示されます。
画面に表示されたリストから、復元したいディスクの番号を入力します。
Specify disk (enter its number): 1
次の表を使用して、ディスクラベルの作成方法を決定します。
ディスクが正常に自動構成された場合 |
ディスクが正常に自動構成されなかった場合 |
---|---|
手順 5 と 6 を実行してから、手順 12 に進む。 |
手順 7 から 11 までを実行してから手順 12 に進む。 |
verify コマンドを使用してバックアップラベルを検索します。
format> verify Warning: Could not read primary label. Warning: Check the current partitioning and 'label' the disk or use the 'backup' command. Backup label contents: Volume name = < > ascii name = <SUN0424 cyl 1151 alt 2 hd 9 sec 80> pcyl = 2500 ncyl = 1151 acyl = 2 nhead = 9 nsect = 80 Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 - 91 32.34MB (92/0/0) 66240 1 swap wu 92 - 183 32.34MB (92/0/0) 66240 2 backup wu 0 - 1150 404.65MB (1151/0/0) 828720 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 usr wm 184 - 1150 339.96MB (967/0/0) 696240 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0
format でバックアップラベルが見つかり、バックアップラベルの内容が適切に表示された場合は、backup コマンドを実行し、バックアップラベルを使用してディスクにラベルをつけます。
format> backup Disk has a primary label, still continue? y Searching for backup labels...found. Restoring primary label
ディスクラベルが復元されました。手順 12 へ進みます。
format でディスクを自動構成できなかった場合は、type コマンドを使用してディスクタイプを指定します。
format> type
Available Devices Type メニューが表示されます。
0 を選択してディスクを自動構成するか、またはディスクタイプの候補のリストからディスクタイプを選択します。
Specify disk type (enter its number)[8]: 8
ディスクが正常に自動構成された場合は、ディスクラベルを作成するかどうか尋ねるプロンプトが表示されたときに no と応答します。
Disk not labeled. Label it now? no
verify コマンドを使用してバックアップラベルを検索します。
format> verify Warning: Could not read primary label. Warning: Check the current partitioning and 'label' the disk or use the 'backup' command. . . .
format でバックアップラベルが見つかり、その内容が適切な場合は、backup コマンドを実行し、バックアップラベルを使用してディスクにラベルを付けます。
format> backup Disk has a primary label, still continue? y Searching for backup labels...found. Restoring primary label
ディスクラベルが復元されました。
q と入力して format ユーティリティを終了します。
format> q
fsck コマンドを使用して、復元されたディスク上のファイルシステムを確認します。
fsck コマンドの使用方法については、第 31 章「ファイルシステムの完全性チェック」を参照してください。