プリンタタイプとは、プリンタの種類を表す一般名です。プリンタタイプは、プリンタの様々な制御シーケンスが入っている terminfo データベースエントリを識別します。通常、プリンタタイプはメーカーのモデル名からとります。たとえば、DECwriter のプリンタタイプ名は decwriter です。ただし、共通プリンタタイプ PS はこの規則に従いません。PS は LaserWriter I や LaserWriterII プリンタなど、多くの PostScript プリンタモデルのプリンタタイプとして使用されます。
lpadmin -T コマンドまたは Admintool を使用すると、プリンタタイプを指定できます。Admintool では、プリンタのインストール時にのみプリンタタイプを指定できます。既存のプリンタのタイプを変更したい場合は、Admintool を使用してそのプリンタを削除してインストールし直さなければなりません。既存のプリンタ以外の場合、lpadmin コマンドによりプリンタタイプを変更します。
Admintool を使用すると、メニューからプリンタタイプを選択するか、「その他 (Other)」を選択して terminfo データベース内でプリンタタイプを指定できます。この方法には、lpadmin コマンドと同じ機能があります。
各プリンタタイプに関する情報は、terminfo データベース (/usr/share/lib/terminfo) に格納されています。この情報には、プリンタの機能と初期設定制御データが含まれます。インストールするプリンタは、terminfo データベース内のエントリに対応していなければなりません。
$ pwd /usr/share/lib/terminfo $ ls 1 4 7 A M a d g j m p s u x 2 5 8 B P b e h k n q t v y 3 6 9 H S c f i l o r ti w z $
各サブディレクトリには、端末またはプリンタに関してコンパイル済みのデータベースエントリが入っています。各エントリは、プリンタまたは端末のタイプの頭文字別に編成されています。たとえば、Epson プリンタがある場合は、/usr/share/lib/terminfo/e 内を探すと、Epson プリンタの特定のモデルが見つかります。
$ cd /usr/share/lib/terminfo/e $ ls emots ep2500+high ep48 ergo4000 exidy2500 env230 ep2500+low epson250 esprit envision230 ep40 epson2500-80 ethernet ep2500+basic ep4000 epson2500-h ex3000 ep2500+color ep4080 epson2500-hi8 exidy $
上記のように、Epson プリンタのエントリがあります。
NEC プリンタがある場合は、/usr/share/lib/terminfo/n ディレクトリ内を探すと、使用中の NEC プリンタモデルが見つかります。
$ cd /usr/share/lib/terminfo/n $ ls ncr7900 ncr7901 netty-Tabs newhpkeyboard ncr7900-na nec netty-vi nuc ncr7900i net network nucterm ncr7900i-na netronics netx ncr7900iv netty newhp $
上記のように、このディレクトリには、NEC のエントリが含まれています。