Solaris のシステム管理

ページイン動作をチェックする方法 (sar)

sar -p コマンドを使用すると、保護フォルトや変換フォルトを含むページイン動作が表示されます。

$ sar -p
SunOS venus 5.6 Generic sun4m    08/20/96
00:00:03 atch/s pgin/s ppgin/s pflt/s vflt/s slock/s
01:00:02   0.00   0.00    0.00   0.49   1.20    0.00

表 64-14 は、-p オプションを指定したときに表示される統計情報を示します。

表 64-14 sar -p コマンドからの出力

フィールド名 

説明 

atch/s

現在メモリーに入っているページを回収して満たされる 1 秒当りのページフォルト数 (1 秒当りの付加数)。この例には、空きリストから無効なページを回収し、別のプロセスに現在使用中のテキストページを共有する処理が含まれる (たとえば、複数のプロセスが同じプログラムテキストにアクセスしている場合など)。 

pgin/s

ファイルシステムがページイン要求を受信する 1 秒当りの回数 

ppgin/s

ページインされる 1 秒当りのページ数。ソフトロック要求 (slock/s を参照) などの 1 つのページイン要求や、大型ブロックサイズでは、複数のページがページインされることがある。

pflt/s

保護エラーによるページフォルト数。保護フォルトの例には、ページへの不正なアクセスや、「書き込み時コピー」などがある。通常、この数値は主に「書き込み時コピー」からなっている。 

vflt/s

1 秒当りのアドレス変換ページフォルト数。これは、有効性フォルトと呼ばれ、所定の仮想アドレスに有効なプロセステーブルエントリが存在しないときに発生する。 

slock/s

物理入出力を要求するソフトウェアロック要求によって発生する 1 秒当りのフォルト数。ソフトロック要求の発生例には、ディスクからメモリーへのデータ転送などがある。システムはデータを受信しないページをロックするので、別のプロセスはそれを回収して使用できない。 

例 - ページイン動作をチェックする

次の例は、sar -p からの出力を示します。

$ sar -p
SunOS venus 5.6 Generic sun4m    08/20/96

14:28:12  atch/s  pgin/s ppgin/s  pflt/s  vflt/s slock/s
14:29:12    1.17   12.87   12.87    5.67   11.28    1.15
14:30:12    1.67    7.08    7.08    9.12    6.33    0.67
14:31:12    1.37   12.48   12.48    6.83   10.78    1.03

Average     1.40   10.81   10.81    7.21    9.46    0.95