cron デーモンは、各 crontab ファイル内にあるコマンドに従ってシステムイベントをスケジュールします。crontab ファイルには、それぞれ一定間隔で実行されるコマンドが 1 行に 1 つずつ入っています。各行の先頭は cron デーモンが各コマンドを実行する日時情報です。
たとえば、SunOS ソフトウェアのインストール時に root という名前の crontab ファイルが提供されますが、このファイルの内容は次のとおりです。
0 20 * * 0,4 /etc/cron.d/logchecker 5 4 * * 0 /usr/lib/newsyslog 15 3 * * * /usr/lib/fs/nfs/nfsfind 1 2 * * * [ -x /usr/sbin/rtc ] && /usr/sbin/rtc -c > /dev/null 2>&1
最初のコマンド行は、日曜日と木曜日の午後 10 時に logchecker を実行するようシステムに指示します。2 番目のコマンド行は、毎日曜日の午前 4 時 5 分に newsyslog を実行するようにシステムをスケジュールします。3 番目のコマンド行は毎日午前 3 時 15 分に nfsfind を実行するようにシステムに指示します。4 番目のコマンド行は、夏時間をチェックして、必要であれば修正するようにシステムに指示します。RTC タイムゾーンも /etc/rtc_config ファイルもない場合、このエントリは何もしません。
crontab ファイル内のコマンド行の構文の詳細については、「crontab ファイルエントリの構文」を参照してください。
crontab ファイルは /usr/spool/cron/crontabs (または、/var/spool/cron/crontabs) に格納されます。SunOS ソフトウェアのインストール時には、root 以外にもいくつかの crontab ファイルが提供されます (表 59-2 を参照してください)。
表 59-2 デフォルトの crontab ファイル
crontab ファイル |
機能 |
---|---|
adm |
アカウンティング |
lp |
印刷 |
root |
一般的システム機能と ファイルシステムの整理 |
sys |
性能情報の収集 |
その他の crontab ファイルは、それらの中に作成されるユーザーのアカウントに基づいて、bob、mary、smith、jones などのように命名されます。
デフォルトの crontab ファイルの他に、ユーザーは crontab ファイルを作成してそれぞれユーザー自身のシステムイベントをスケジュールできます。root または他のユーザーが所有する crontab ファイルにアクセスするには、スーパーユーザーの特権が必要です。
crontab ファイルを作成、編集、表示、削除する手順については、「システムイベントのスケジューリング用コマンド」で説明します。