TCP/IP とデータ通信

付録 A PCNFSpro 用の付録

障害追跡

以下の障害追跡手法は、Windows クライアントとして動作している PCNFSpro 専用です。PCNFSpro および Windows クライアントについての詳細情報を取得する場合は、『SolarNet PC-Admin Admininstrator's Guide』を参照してください。

PC の再起動

PC がサーバに接続を試みた際に接続できないか、またはエラーメッセージが表示される場合は、まず再起動してみてください。マシンを再起動すると、ネットワークのハードウェアとソフトウェアがリセットされます。期限が切れた一時ライセンスが問題の原因である場合には、再起動によってライセンスが 30 分間更新されます。

Windows クライアントの場合は、以下のファイルを削除します。

c:¥pcnfspro¥dhcp¥interface.bin

interface は、使用中の実際のインタフェースの名前に置換します。たとえば、 c:¥pcnfspro¥dhcp¥pk0.bin とします。

デバッグモードでの実行

DHCP デバッグモードで実行すると、クライアントとサーバとの間で進行中の大部分のダイアログが明らかになります。このダイアログは、ネットワークの問題を解決する有用な手がかりを与えてくれます。

Windows クライアントをデバッグモードで動作させるには

  1. DHCP サーバを終了して、デバッグモードで再起動します。

  2. 「Configuration Tool」(構成ツール) の「Service applet」(サービスアプレット) の中の「Network Event Log」(ネットワークイベントログ) を有効にします。

  3. 「Configuration Tool」(構成ツール) を閉じます。

  4. プログラムグループから、「Network Event Log」(ネットワークイベントログ) を開始します。

  5. 「Display」(表示) メニューを選択して、すべての優先レベルを強調表示します。

  6. 「Save」(保存) を選択します。選択後は、nfswdhcp.exe がネットワークイベントログへの記録を行います。

  7. Windows を終了して再起動します。

クライアントが DHCP/BOOTP サーバとの接続に失敗する場合

新規クライアントをインストールまたは追加したが、そのマシンがサーバへの接続に失敗してエラーメッセージが表示される場合は、マシンのケーブルとアダプタを検査します。アダプタに診断プログラムがある場合は、そのプログラムを実行して、考えられる問題を特定します。

PCNFSpro ディレクトリ内の構成アプリケーションを開始します。「Services」(サービス) を選択し、「Start Network Event Log」(ネットワークイベントログの開始) を有効にします。アイコンから直接ネットワークイベントログを開始することもできます。ネットワークイベントログの開始後、「Display」(表示) を選択し、次に「Configure」(構成) を選択します。最下位の「Debug」(デバッグ) まで、すべての優先レベルを選択します。「保存」を選択して構成を保存します。以下に類似するイベントログのエントリは、マシンが構成を求める要求を伝送済みであることを示しています。

DHCP: Attempting to configure interface using DHCP

サーバの応答が後続します。

次に、サーバ上で in.dhcpd デーモンを終了し、in.dhcp -d と入力してサーバを診断モードで動作させます。

出力を受け取った後で、マシンのサブネット上に DHCP サーバまたは中継エージェントが存在するかどうかを検査します。クライアントのブート時に、マシンと同じサブネット上にある任意のサーバで、以下を実行します。

snoop udp port 67 or udp port 68

システムが応答するかどうかを確認します。Windows クライアントの snoop の出力は、以下のようになります。

OLD-BROADCAST -> BROADCAST UDP D=67 S=68 LEN=311

glrr -> BROADCAST UDP D=68 S=67 LEN=490

Windows クライアントの場合は、クライアント名は表示されません。DHCP の稼働は BROADCAST によって表されます。

アプリケーションがコンベンショナルメモリを使い切った場合

CONFIG.SYS ファイルは、(デフォルトでは) Windows クライアントのアダプタドライバ (パケットドライバ、NDIS、ODI のいずれか) をアッパーメモリへ読み込みません。この結果として、アプリケーションの開始時に、「コンベンショナルメモリが足りない」、または類似のメッセージが報告されることがあります。

DOS 5.x またはそれ以降を動作させている場合は、CONFIG.SYS 内の以下の行を変更します。

DEVICE=C:¥PCNFSPRO¥filename

上記の行を以下に示すように変更します。

DEVICEHIGH=C:¥PCNFSPRO¥filename

さらに、NFSWAUTO.BAT 内の、以下の TSRs を読み込む行を変更します。

tsrname

上記の行を以下に示すように変更します。

LH tsrname

ホームディレクトリをマウントする場合

ソフトウェアのデフォルトとしてホームディレクトリをドライブ H 上にマウントすると、同じくドライブ H を使用する MS-DOS 6.2 の DoubleSpace ユーティリティが衝突します。この衝突を解決するには、DoubleSpace ユーティリティが使用するドライブの割り当てを変更する (dblspace h: /host=new_drive) か、またはユーザサイトのログインスクリプトを変更してホームディレクトリを異なるドライブにマウントします。ユーザサイトのログインスクリプトは、/opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro/login.snc です。

サイトのログインスクリプトを変更する場合は、HOME 環境変数も新しいドライブに変更する必要があります。

Ping の使用法

任意のマシンから、net use コマンドを用いてリモートファイルをマウントすることができない場合は、アクセスしたいと希望するファイルシステムへのパス名が適正に入力されていることを確認します。その後で Ping アプリケーションを使用します。

ネットワークドライブをコピー先またはコピー元としてユーザがファイルのコピーを行なっていて、コピーが完了する前に処理が停止する場合は、Ping アプリケーションを使用します。

これまでライセンスを受け取ってきたマシンが、電源投入時または再起動時にライセンスを受け取ることができず、代わりにエラーメッセージを受け取る場合は、Ping アプリケーションを使用します。

SNC スクリプト

マシンの起動時、または新規ユーザがログインした際に、ソフトウェアによりアプリケーションおよびその他のネットワークサービスへのアクセスが配付されます。ソフトウェアは、store¥login.snc ファイル内の命令を解釈します。%SNDRIVE% は、Windows クライアント用のサイトの SNC スクリプトディレクトリである /opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro に展開されます。このスクリプトは UNIX のアクセス権によって保護されているため、ユーザがアクセスすることはできません。

ディレクトリ /opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro にはデフォルトのクライアントスクリプト (SNC スクリプト) が格納されていて、ブート時、ログイン時、ログアウト時に使用されてマシン上の資源を制御します。ディレクトリは一時的にマウントされ、スクリプトが実行された後でマウント解除されます。Windows クライアント上では、SNC コマンドがネットワークに対するユーザの一意な関係を確立する役割を果たします。

Windows クライアントの構成プログラムは、SNC スクリプトディレクトリ /opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro 内の起動スクリプト (デフォルトの名前は boot.snc) を処理します。スクリプトと SNC スクリプトディレクトリの名前は、ネットワークごとに異なることがあります。

Windows クライアントの構成プログラムは総合的なグラフィカルツールで、各種の構成パラメタの参照と変更を行う場合に使用します。このプログラムを使用すると、Windows クライアントのデフォルトの構成を変更してカスタマイズすること、およびカスタマイズした構成を保存することができます。この構成プログラムを使用して制御できるパラメタには、TCP/IP、ローカルエリアネットワーク (LAN) のユーザ名、NFS、プリンタクライアント、NetBIOS、SNMP があります。さらに、Windows クライアントの構成プログラムがユーザサイトの複数のユーザに対して使用可能に設定する構成のレベルを標準化して制御することもできます。構成プログラムの使用法についての詳細は、プログラムのオンラインヘルプを参照してください。

新規グループの login.snc スクリプトに対する INCLUDE 命令を追加すると、サイトの SNC スクリプトディレクトリが拡張されます。INCLUDE 命令を store¥logout.snc ファイル内に追加した場合にも、サイトの SNC スクリプトディレクトリは拡張されます。

スクリプトディレクトリを使用して、ネットワーク上のアプリケーションを独自に表示する各ユーザの UNIX ログイン名を名前にしたディレクトリを作成することができます。次に、ユーザ固有の login.snc スクリプトと logout.snc スクリプトを作成して、それらのスクリプトを個々のディレクトリにコピーすることができます。以下のコマンドを使用します。

cd/opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro

mkdir user1user2 user3 user4 user5user6user7

この例では、user8user9user10user11 を除くすべてのユーザが、その他のどのユーザとも共有しないアプリケーション、または一部のユーザとは共有しているがすべてのユーザと共有してはいないアプリケーションを使用します。

SNC スクリプトディレクトリ /opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro 内には、クライアントの種類ごとに、デフォルトの SNC スクリプトが 3 つ用意されています。用意されているスクリプトは以下のとおりです。

デフォルトのサイトの logout.snc スクリプトは、サイトの login.snc スクリプトの後に再配置します。サイトの logout.snc スクリプトをコピーし、名前を変更して、独自のログインスクリプトに対応するように修正することができます。すべてのログアウトスクリプト logout.snc は、ログインスクリプトに対応するように命名する必要があります。ログアウトスクリプトを、SNC スクリプトディレクトリ /opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro の下に作成したユーザ固有ディレクトリとグループ固有ディレクトリ内に配置します。

DHCP データベース

NIS+ ドメインごとに dhcptab テーブルが 1 つあります。このテーブルには、DHCP (または BOOTP) クライアントに戻す構成パラメタが定義されます。/opt/SUNWpcnet/1.5/site/pcnfspro スクリプトディレクトリもエントリの 1 つで、ユーザの表示の定義とアプリケーションの配付用に使用します。

ライセンスのアップグレード

ライセンスのアップグレードファイルが作成されたことを検査して確認する場合には、Windows クライアントでは特定の手順が必要です。最初に C:¥pcnfspro¥upgrade を実行します。ライセンスのアップグレードファイルとその内容を検査してから、install プログラムを再実行します。その後で以下のようにします。

  1. C:¥windows¥pcnfswin.ini の名前を変更します。

  2. C:¥pcnfspro¥binnfswpupg プログラムを実行します。

  3. 最後に、名前を変更した pcnfswin.ini ファイルを、元の名前の pcnfswin.ini に戻します。

アップグレードされたライセンスファイルが存在して適正に動作していることを確認するためのその他の手順を実行した後で、古い DHCP 構成ファイルを削除し、マシンを再起動します。ディレクトリ C:¥pcnfspro¥dhcp 内の、インタフェースに対応するファイルを削除します。

ホスト名と IP アドレスが失われた場合

ホスト名と IP アドレスがマシンから失われた場合は、類似した手順を実行する必要があります。最初に、「Control Panel」(コントロールパネル) アプリケーションを実行して「Network」(ネットワーク) アイコンを選択します。現在のホスト名と IP アドレス、さらに関連情報を参照します。dhcp_table にエントリを作成する手順を実行します。その後で C:¥pcnfspro¥dhcp を実行し、前述の手順を実行します。

次に、サーバ上のインストールディレクトリ内のアップグレードディレクトリにアップグレードファイルをコピーします。snaddpcs スクリプトが実行されたことを検査して確認します。その後で、古い DHCP 構成ファイルを削除し、マシンを再起動します。DHCP 構成ファイルの削除は、ディレクトリ C:¥pcnfspro¥dhcp 内の、インタフェースに対応するファイルを削除することによって行います。

アプリケーションの配付

マシンの起動時、または新規ユーザがログインした際に、ソフトウェアによりアプリケーションおよびその他のネットワークサービスへのアクセスが配付されます。Windows クライアントの場合、これらのアプリケーションとサービスはログインアプリケーションによって各ユーザへ供給されます。ログインアプリケーションは、Windows の開始時に自動的に開始するアプリケーションです。

Windows ベースの DHCP アプリケーションが DHCP を開始し、マシンの IP アドレスと関連ネットワーク情報を受け取り、マシンのスタックとサービスを構成します。その後で、クライアントの (SNC) スクリプトの処理を開始してファイルシステムをマウントし、共有される資源、グループ、個別ユーザ、個別マシンの各検索パスを設定します。

ログインおよびログアウト

Windows クライアントの場合、ネットワークへのログインとネットワークからのログアウトは、ログインアプリケーションやログアウトアプリケーションのアイコンをクリックすると表示される Windows ダイアログボックスに記入を行うことによって行われます。ユーザがダイアログボックスにユーザ名とパスワードを記入して OK をクリックするか、または Enter キーを押すと、クライアントのサイトの起動スクリプト内の以下に示す INCLUDE 命令によって、Windows クライアントのサイトの logon.snc が起動します。

INCLUDE %SNDRIVE%¥PCNFSPRO¥LOGIN.SNC

このスクリプトはディレクトリをマウントし、特定の環境変数を設定し、ログインするために使用しているマシンとは関係なく、すでにログインしているユーザ用にその他のサービスを提供します。このスクリプトは、ネットワーク内のすべてのユーザが従うログイン手順を確立します。

Windows ベースの同じダイアログボックスを使用して Windows クライアントがログアウトすると、クライアントのサイトの logout.snc スクリプトが処理されます。このスクリプトは、 login.snc スクリプトが実行したことをリセットします。ログアウトアプリケーションは、ファイルシステムとプリンタをマウント解除し、マシンの環境変数をリセットしてログイン前の値に戻します。

Windows クライアントのログインアプリケーションおよびログアウトアプリケーションは、ユーザのネットワーク設定についての詳細情報を備えているため、これらのアプリケーションを使用して設定を変更することができます。変更できる設定には、バージョンおよびライセンス番号、ユーザ名およびユーザ ID、グループ ID、NIS ドメインおよび DNS ドメイン、サブネットマスク、MAC アドレス (イ−サネット通信アダプタを特定します)、タイムゾーン、終端ドライブ、使用可能なサーバの名前および IP アドレスがあります。