asppp.cf ファイルの path セクションは、リモートエンドポイントの名前と、エンドポイントマシンをリンクするインタフェースの名前を、リンクマネージャに指示します。ただし、マルチポイントダイヤルインサーバでは、複数の path セクションを設けることができます。また、キーワードへの引数のいくつかは、マルチポイントリンクでは使い方が異なります。
path interface interface-number peer_system_name endpoint-username peer_ip_address endpoint-hostname |
path セクションは、ダイヤルインサーバが接続を確立する相手となる各可搬エンドポイントについて、1 つずつ定義する必要があります。
マルチポイントダイヤルインサーバの場合は、interface キーワードは PPP インタフェース ipdn を定義します。このインタフェースを介してサーバと通信するすべてのエンドポイントについて、同じ PPP インタフェースを path セクションに指定する必要があります。
ダイヤルインマシンの場合の peer_system_name キーワードは、ダイヤルアウトマシンの場合と引数が少々異なります。ダイヤルインサーバの場合は、この引数は、リモートホストがサーバとの通信を確立しようとするときに使用するログイン名です。このユーザ名は、すでにサーバの /etc/passwd ファイル内に存在しているものでなければなりません。ログインサービスは、この名前を読みとると、/etc/passwd ファイルと /etc/shadow ファイルの中のユーザ名と検証して、通信を可能にします。
次に示す、例 9-2 の抜粋を見てください。
path interface ipd0 peer_system_name scarlett peer_ip_address nomadc |
ここでは、peer_system_name への引数は scarlett です。これは、nomadc が nubian-ppp にログインするときに、scarlett というログイン名を使用することを示しています。
peer_ip_address キーワードは、マルチポイントリンクの場合は必須です。このキーワードは、リモートエンドポイントのホスト名または IP アドレスを引数としてとります。上記の例では、peer_ip_address キーワードの引数はホスト名 nomads です。
asppp.cf ファイルには、上記以外にも、エンドポイントマシンによる通信の方法を定義するためのキーワードがいくつかあります。これらのキーワードについては、第 11 章「PPP リンクの調整」に詳しい説明があります。