TCP/IP とデータ通信

Solaris ネットワークを形成するハードウェアの種類

ローカルエリアネットワーク (LAN) という用語は、たとえば 1 つのビルまたは 2 つの隣接するビルのように、比較的狭い空間に限定されている単一のコンピュータネットワークを指します。ローカルエリアネットワークには、ハードウェアとソフトウェアの両方の構成要素があります。ハードウェアの観点から見ると、基本的な Solaris LAN は、なんらかの形のローカルエリアネットワークメディアに接続された複数のコンピュータで構成されます。

ローカルエリアネットワークメディア

コンピュータネットワーク用に使用するケーブル配線や電気配線をネットワークメディアと言います。図 1-1 は、イーサネットメディアを介して相互に接続されている 4 つのコンピュータを示しています。Solaris LAN 環境では、イーサネットが最もよく使われるローカルエリアネットワークメディアです。Solaris LAN で使用できるその他のローカルエリアネットワークメディアには、FDDI とトークンリングがあります。

図 1-1 Solaris ローカルエリアネットワーク

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コンピュータとそのコネクタ

TCP/IP ネットワーク上のコンピュータは、ネットワークメディアに接続するために 2 種類のコネクタを使用します。それは、シリアルポートと、ネットワークインタフェース上のポートです。

シリアルポート

どのコンピュータにも、シリアルポートが少なくとも 2 つはあり、これらはコンピュータにプリンタやモデムを接続するためのコネクタとして使用されます。シリアルポートは CPU ボードに装備されている場合もありますが、新たに購入しなければならない場合もあります。システムにモデムを接続して PPP 接続や UUCP 接続を確立するときは、これらのポートを使用します。PPP と UUCP はネットワークメディアとして電話回線を使用することができるので、事実上の広域ネットワークサービスを提供します。

ネットワークインタフェース

ネットワークへの接続ができるようにするためにコンピュータに内蔵されているハードウェアを、ネットワークインタフェースと言います。多くのコンピュータには始めからネットワークインタフェースがインストールされていますが、そうでない場合は、別にネットワークインタフェースを購入する必要があります。

LAN メディアの種類別に、それぞれ異なるネットワークインタフェースが定められています。たとえば、イーサネットをネットワークメディアとして使用したいのであれば、ネットワークの一員となる各ホストにイーサネットインタフェースをインストールしておくことが必要です。イーサネットケーブルを接続するために使用するボード上のコネクタを、イーサネットコネクタと言います。たとえば FDDI の使用を計画しているのであれば、予定している各ホストが FDDI ネットワークインタフェースを備えていなければなりません (その他のネットワークメディアの場合も同様です)。

このマニュアルでは、ホストのデフォルトのネットワークインタフェースを一次ネットワークインタフェースと呼びます。


注 -

ネットワークハードウェアのインストールについては、このマニュアルでは取り扱いません。シリアルポートの構成方法については、 Solaris のシステム管理

を、ネットワークメディアのインストールの手順については、それに付属しているマニュアルを参照してください。