TCP/IP とデータ通信

ローカルエリアネットワークの境界を越える - 広域ネットワーク

ネットワークが正常に働く状態が続くうちに、他の企業、専門研究機関、所属の LAN 上にない他の組織の情報にアクセスすることが必要になる場合があります。このような情報を入手しようとするユーザは、広域ネットワーク (WAN) を介して通信することが必要になります。WAN は地理的に広い範囲を対象とするもので、ディジタル専用線または電話回線、X.25、ISDN サービスなどのネットワークメディアを使用します。

WAN の代表的な例としてインターネットがあります。インターネットは、TCP/IP の本来の開発目的となっていた各 WAN の後継者となった世界規模の公共ネットワークです。WAN のその他の例としてはエンタプライズネットワークがあります。これは、1 つの企業の個々の事業所同士を、1 つの国の全域、場合によっては 1 つの大陸の全域にわたるようなネットワークによって結ぶものです。つまり、1 つの組織が独自の WAN を構築することが可能です。

ネットワーク管理者は、ローカルネットワークのユーザが WAN にアクセスできるような処置をとることが必要になる場合もあります。TCP/IP と UNIX のコミュニティでは、最もよく使われている公共ネットワークはインターネットです。インターネットに直接接続する方法については、このマニュアルでは説明しません。これについては、役立つ書籍がコンピュータ関係の書店にたくさんそろっています。

セキュリティ

LAN を WAN に接続することには、セキュリティに関するある程度のリスクが伴います。ときには、自分のネットワークを無許可のアクセスから保護したり、データと資源へのアクセスを制御したりすることが必要になります。セキュリティの概要については、Solaris のシステム管理に説明があります。詳細な説明は、William R. Cheswick および Steven M. Bellovin 共著の『Firewalls and Internet Security』(Addison Wesly, 1994) に出ています。

米国の majordomo@greatcircle.com に対して、テキストの中に subscribe firewalls を含ませて申し込むことで、情報を入手することもできます。ダイジェスト版の方を望む場合は、テキストの中に firewalls_digest を入れてください。