『Solaris ネーミングの管理』では、4 つのネームサービス、すなわち NIS+、NIS、FNS、DNS の構成を一度設定してからカスタマイズする場合の手順を解説します。このマニュアルは SolarisTM 2.6 システムとネットワークの管理マニュアルセットの一部です。
このマニュアルは主に、経験のあるシステム管理者、ネットワーク管理者を対象としています。
このマニュアルは Solaris ネームサービスの基本について説明するものであり、ネットワークの基礎や Solaris 環境で提供される管理ツールについては触れていません。したがってネットワークを管理するためには、ネットワークの動作やツールの選択についての知識が必要となります。
(Solaris の 4 つのネームサービスの設定と構成については、『Solaris ネーミングの設定と構成』を参照してください。)
このマニュアルは次の 7 つのパートに分かれています。
名前空間の概念と、Solaris ネームサービスについて説明します。また、nsswitch.conf ファイルを使ってネームサービスを活用する手順を紹介しています。
第 1 章「ネームサービスについて」: 「名前空間」および「ネームサービス」とは何か、それらが何をするのかを説明し、続いて、4 つの Solaris ネームサービス、すなわち、DNS、NIS、FNS、NIS+ の概要を説明します。
第 2 章「ネームサービススイッチ」: ネームサービススイッチはいくつかのネームサービスを使い分けます。この章ではネームサービススイッチとは何か、それを使用してクライアントがどの情報ソースを使用するのかについて説明します。
NIS+ について説明します。
第 3 章「NIS+ の紹介」: NIS+ (Network Information Service Plus) の概要を説明します。
第 4 章「NIS+ の名前空間」: NIS+ の名前空間の構造、サーバーとクライアントについて説明します。
第 5 章「NIS+ のテーブルと情報」: NIS+ テーブルの構造と、テーブルの設定の概要について説明します。
第 6 章「セキュリティの概要」: NIS+ のセキュリティシステムの概要と、それが NIS+ 名前空間全体におよぼす影響について説明します。
NIS+ 名前空間の管理方法について説明します。
第 7 章「NIS+ 資格の管理」: NIS+ 資格とその管理方法について説明します。
第 8 章「NIS+ 鍵の管理」: NIS+ キーとその管理方法について説明します。
第 9 章「NIS+ のアクセス権の管理」: NIS+ のアクセス権とその管理方法について説明します。
第 10 章「パスワードの管理」: 一般のユーザー (NIS+ 主体) の立場から見た passwd コマンドの使用方法について、また、NIS+ 管理者によるパスワードシステムの管理方法について説明します。
第 11 章「NIS+ グループの管理」: NIS+ グループとその管理方法について説明します。
第 12 章「NIS+ ディレクトリの管理」: NIS+ ディレクトリオブジェクトとその管理方法について説明します。
第 13 章「NIS+ テーブルの管理」 : NIS+ テーブルとその管理方法について説明します。デフォルトの NIS+ テーブルの詳細は、付録 C 「NIS+ テーブルの情報」 を参照してください。
第 14 章「サーバー使用のカスタマイズ」 : NIS+ クライアントがサーバーを選択する動作をカスタマイズする方法を説明します。
第 15 章「NIS+ のバックアップと復元」: NIS+ 名前空間をバックアップしたり、復元したりする方法を説明します。
第 16 章「NIS+ の削除」: NIS+ ディレクトリ管理コマンドを使用してクライアントマシン、サーバーから NIS+ を削除する方法、NIS+ 名前空間全体を削除する方法について説明します。
NIS (Network Information Service) とその管理方法について解説します。
第 17 章「ネットワーク情報サービス (NIS)」: NIS について解説します。
第 18 章「NIS の管理」: NIS の管理方法について解説します。
フェデレーテッド・ネーミング・サービス (FNS) とその管理方法について説明します。
第 19 章「FNS の手引き」: 経験のある管理者を対象としています。FNS の概要、設定と構成の手順について説明し、サンプルプログラムを紹介します。
第 20 章「FNS の概要」 : X/Open XFN フェデレーテッド・ネーミング標準を Sun で実装したフェデレーテッド・ネーミング・サービス (FNS) について説明します。
第 21 章「FNS ポリシー」: FNS ポリシーについて説明します。
第 22 章「FNS とエンタープライズのネームサービス」: FNS がエンタープライズレベルのネームサービスとどのような関係にあるかを説明します。
第 23 章「エンタープライズレベルのコンテキスト」: 既存のエンタープライズレベルのコンテキストを個々に作成、管理する方法について説明します。
第 24 章「ファイルコンテキストの管理」: アプリケーション固有のコンテキストの管理方法について説明します。
第 25 章「FNS およびグローバルネーミングシステム」: 2 つのグローバルネーミングシステム (DNS と X.500/LDAP) と、それを FNS でフェデレートする方法について説明します。
第 26 章「FNS 属性の管理」: FNS 属性とその管理方法について説明します。
ドメイン名システムとその管理方法について説明します。
第 27 章「DNS の紹介」: ドメイン名システムについて説明します。
第 28 章「DNS の管理」 : ドメイン名システムの管理方法について説明します。
参考となる資料や用語解説を提供します。
付録 A 「問題と解決方法」: NIS+ の管理上発生する可能性のある様々な問題と、その解決方法について説明します。
付録 B 「エラーメッセージ」: 一般的なエラーメッセージについて、アルファベット順に説明します。
付録 C 「NIS+ テーブルの情報」 : NIS+ 標準テーブルの内容についてまとめます。NIS+ テーブルと、管理に使用するコマンドの概要は、第 13 章「NIS+ テーブルの管理」を参照してください。
付録 D 「FNS リファレンスの書式と構文」: DNS テキスト (TXT) レコードの使用と、XFN リファレンスでの X.500 属性の使用についての補足資料です。
用語集: NIS+ に関連する用語について説明します。
『Solaris ネーミングの設定と構成』- NIS+、DNS を設定、構成する方法について説明しています。
『NIS+ への移行』- NIS から NIS+ に移行する方法について説明しています。
Solaris 2.6 マニュアルセット以外のマニュアル
『DNS and Bind』 - Cricket Liu & Paul Albitz 共著、浅羽登志也/上水流由香 監訳、アスキー出版社、1995年
『NFS and NIS』 - Hal Stern 著、倉骨 彰 訳、砂原秀樹監訳、アスキー出版局、1992年
SunDocsTM プログラムでは、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. の 250 冊以上のマニュアルを扱っています。このプログラムを利用して、マニュアルのセットまたは個々のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、米国 SunExpressTM, Inc. のインターネットホームページ http://www.sun.com/sunexpress にあるカタログセクションを参照してください。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、およびディレクトリ名を示します。または、画面上のコンピュータ出力を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力とは区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章や節を示します。また、ボタンやメニューなど、強調する単語を囲む場合にも使用します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 |
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の場合、filename は省略してもよいことを示します。
ただし AnswerBook2 では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が適宜、併記されています。