passwd テーブルには、ドメイン内のユーザーのアカウントに関する情報が収められています。これらのユーザーは、一般的には NIS+ 主体ですが、必ずしもその必要はありません。ただし、ユーザーが NIS+ 主体である場合、それらの資格はここには収められず、ドメインの cred テーブルに格納されることに注意してください。 passwd テーブルは、その他 (または未認証) に対して通常読み取り権を与えます。
スーパーユーザー (ユーザー ID = 0) のエントリをこのテーブルに入れることはできません。ルートのパスワード情報は、/etc ディレクトリ上のファイルに格納してください。
passwd テーブル内の情報は、ユーザーのアカウントが作成されたときに追加されます。
passwd テーブルには次の列があります。
表 C-12 passwd テーブル
列 |
説明 |
---|---|
名前 |
ユーザーのログイン名であり、ユーザーのアカウントが作成されたときに割り当てられる。この名前は大文字を含む必要はない。最大 8 文字まで |
パスワード |
ユーザーの暗号化されたパスワード |
ユーザー ID |
ユーザーの ID 番号であり、ユーザーのアカウントが作成されたときに割り当てられる |
グループ ID |
ユーザーのデフォルトグループの ID 番号 |
GCOS |
ユーザーの実名と、ユーザーがメールメッセージ見出しの「From:」フィールドに入れたい情報。この列が「&」の場合、単にユーザーのログイン名を使用する |
ホーム |
ユーザーのホームディレクトリのパス名 |
シェル |
ユーザーの初期シェルプログラム。デフォルトは B シェル :/usr/bin/sh |
シャドウ |
(表 C-13 を参照) |
passwd テーブルには、さらにシャドウ列があります。この列には、ユーザーアカウントに関して、次に示すような制限情報が格納されています。
表 C-13 passwd テーブルのシャドウ列
項目 |
項目 |
---|---|
最終変更日 |
1970 年 1 月 1 日からパスワードの最終変更日までの日数 |
最小値 |
推奨されるパスワード変更間隔の最小日数 |
最大値 |
パスワードが有効な最大日数 |
警告 |
ユーザーパスワードが期限切れになる前にユーザーが警告を受ける日数 |
間隔 |
ユーザーに許される休止日数 |
期限 |
ユーザーのアカウントが無効となる絶対日付 |
未使用 |
将来のために獲保。現在は 0 に設定されている |
Solaris の以前のリリースでは、ローカル /etc/passwd ファイル内で +/- 構文を使って、NIS パスワードマップ内のエントリを統合または上書きしました。Solaris 2.x 環境ではネームサービススイッチを使ってワークステーションの情報ソースを指定するため、これはもはや不要です。Solaris 2.x システムで必要なのは、クライアントの /etc/nsswitch.conf ファイルを編集して files を指定し、それに続けて passwd 情報のソースとして nisplus を指定することです。これによって、passwd テーブルの内容が /etc/passwd ファイルの内容に効果的に追加されます。
しかし、それでも +/- 方式を使用したい場合は、クライアントの nsswitch.conf ファイルを編集します。NIS を使用しているなら passwd ソースに compat を指定し、NIS+ を使用しているなら passwd_compat: nisplus を追加してください。