FNS では、XFN 初期コンテキスト関数が呼び出されたときに、プロセスに関連付けられたユーザーが存在するものと仮定されます。この関連付けは、プロセスの実効ユーザー ID (euid) に基づいています。プロセスに対するユーザーの関連付けがプロセスの途中で変更されることはありますが、元のコンテキストハンドルは変更されません。
FNS では、名前解決を要求するユーザーに関連する初期コンテキストにある次のバインドが定義されます。
初期コンテキストにある名前空間識別子 myself (あるいは同義語の _myself または thisuser のどちらか) は、要求を行うユーザーのコンテキストで解決されます。ユーザー jsmith が所有するプロセスが名前解決を要求したときの例を示します。
名前 myself は、jsmith のユーザーのコンテキストとして初期コンテキストで解決される
myself/fs/.cshrc は、jsmith のファイル cshrc にネーミングする
FNS では、各ユーザーがエンタープライズの組織単位に関連するものと仮定されます。1 人のユーザーを複数の組織単位に関連させることはできますが、組織の名前空間での位置または組織内でのユーザーの役割によって、主な組織単位が必ず 1 つ必要です。
「NIS+」
NIS+ 名前空間では、この組織単位はユーザーのホームドメイン (これは、サブドメインになることもある) に対応する
「NIS」
NIS 名前空間では、ユーザーのドメインに対応するエンタープライズレベルの組織単位は 1 つしかない
「ファイル」
ファイルベースの名前空間では、組織単位は myorgunit にマップする org// しかない
名前空間識別子 myorgunit (または _myorgunit) は、要求を行うユーザーが所属する主組織単位のコンテキストとして初期コンテキストで解決されます。たとえば、要求を行うユーザーが jsmith で、jsmith のホームドメインが east.sales である場合は、myorgunit は east.sales の組織単位コンテキストとして初期コンテキストで解決され、名前 myorgunit/service/calendar は east.sales のカレンダのサービスで解決されます。
FNS では、各ユーザーがエンタープライズに関連するものと仮定されます。これは、myorgunit を保持する名前空間に対応します。
名前空間識別子 myens (および _myens) は、要求を行うユーザーが所属するエンタープライズのルートとして初期コンテキストで解決されます。たとえば、jsmith が要求を行い、jsmith の NIS+ ホームドメインが east.sales である場合、それは doc.com. のルートドメイン名を含む NIS+ 階層にあります。名前 myens/orgunit/ は、doc.com の最上部の組織単位で解決されます。
myorgunit または myself/service などのユーザーに関連する複合名を使用するときは、これらのバインドはプロセスの実効ユーザー ID に依存するため、ユーザー ID 設定プログラムに注意してください。ユーザー ID を root に設定して、呼び出し元に代わってシステムリソースにアクセスするプログラムでは、通常は fn_ctx_handle_from_initial() を呼び出す前に seteuid(getuid()) を呼び出してください。