『Solaris ネーミングの設定と構成』では、NIS+、NIS、FNS、DNS の各ネームサービスを設定および構成する方法について説明します。このマニュアルは、 SolarisTM 2.6リリースシステム管理マニュアルセットの一部です。
このマニュアルは、NIS+、NIS、FNS、DNS という 4 つの Solaris ネームサービスのどれか 1 つまたは複数を設定したいと考えているシステム管理者とネットワーク管理者を対象としています。読者にはシステム管理者としての経験があるものと想定しています。
このマニュアルでは Solaris ネームサービスに関連する概念を紹介しますが、ネットワークの基礎や、Solaris 環境の提供する管理ツールについては説明していません。ネットワークを管理する場合、このマニュアルでは、読者がすでにネットワークの動作に関する知識があり、好みのツールも選択しているものと想定しています。
(Solaris ネームサービス、ネームサービス関連用語、一般的なエラーメッセージの詳細は、『Solaris ネーミングの管理』を参照してください。)
このマニュアルは、次の 5 部構成になっています。
Part I では、nsswitch.conf を使用して、複数の異なるネームサービスを同時に利用する方法について説明します。
第 1 章「ネームサービススイッチの設定」:ネームサービススイッチとその詳細な構成手順について説明します。
Part II では、NIS+ 名前空間を設定および構成する方法について説明します。第 2 章では、NIS+ とは何かを紹介します。第 3 章と第 4 章では、NIS+ 設定スクリプトを使って NIS+ 名前空間を設定する方法を説明します。第 5 章から第 9 章では、NIS+ の各種コマンドを使って NIS+ 名前空間を設定する方法を説明します。
第 2 章「NIS+ 入門」:NIS+ (Network Information Service Plus) の概要を説明し、NIS+ を設定する前にやらなければならない作業を列挙します。さらに、NIS+ 名前空間の最低要件を明らかにし、NIS+ の設定方法を 2 通り紹介します。
第 3 章「NIS+ 設定スクリプト - 紹介」:NIS+ スクリプトの概要と、スクリプトを使ってできることとできないことを説明します。
第 4 章「スクリプトを使用した NIS+ の設定」:NIS+ スクリプト (nisserver、nispopulate、nisclient) といくつかの NIS+ コマンドを組み合わせて基本的な NIS+ 名前空間を構成する方法について説明します。
第 5 章「ルートドメインの設定」:NIS+ コマンドを使用してルートドメインと DES 認証を設定する詳細な方法について説明します。
第 6 章「NIS+ クライアントの構成」:NIS+ コマンドを使って NIS+ クライアントを設定する手順、および 3 通りの初期設定方式について説明します。この章の内容は、NIS+ モード、 NIS+ 互換モードを問わず、ルートドメイン、サブドメインに共通するものです。
第 7 章「NIS+ サーバーの構成」:NIS+ コマンドを使って NIS+ (ルートマスターサーバーを除く) サーバーを設定し、既存の NIS+ ドメインに複製サーバーを追加する手順を説明します。
第 8 章「非ルートドメインの構成」:NIS+ コマンドを使ってサブドメイン (非ルートドメインともいう) を設定する手順を説明します。この手順には、マスターサーバーと複製サーバーを指定する方法も含まれます。
第 9 章「NIS+ テーブルの設定」:NIS+ コマンドを使ってマスターサーバー上で /etc ファイルまたは NIS マップから NIS+ テーブル生成する手順、NIS+ テーブルから NIS マップに情報を戻す方法、さらに passwd テーブルのパスワード列へのアクセスを制限する方法を説明します。
第 10 章「NISサービスの構成」:NIS (Network Information Service) の初期設定と初期構成について説明します。
第 11 章「FNS の設定と構成」:NIS+、NIS、/etc のそれぞれの名前空間環境において、FNS (Federated Naming Service) の初期設定および管理の方法について説明します。
Part V では、DNS クライアントと DNS サーバの設定方法について説明します。
第 12 章「DNS クライアントの設定」:DNS クライアントマシン上の DNS サービスの設定方法について説明します。
第 13 章「DNS サーバーの設定」:DNS ネームサーバーの設定方法について説明します。
NIS+、DNS に関してこのマニュアルの範囲を超えることがらについては、次に示すマニュアルを参照してください。これらのマニュアルは、日本語 Solaris 2.6 リリースシステム管理マニュアルセットの一部です。
『Solaris ネーミングの管理』 - すでに存在する NIS+ 名前空間のカスタマイズおよび管理の方法を説明しています。
『NIS+ への移行』 - NIS から NIS+ に移行する方法について説明しています。
Solaris 2.6 リリースマニュアルセット以外のマニュアル
『DNS and Bind』 - Cricket Liu、Paul Albitz 共著、浅羽登志也/上水流由香 監訳、アスキー出版局、1995年
『 NFS and NIS』 - Hal Stern 著、君骨彰訳、砂原秀樹 監訳、アスキー出版局、1992年
SunDocsTM プログラムでは、米国 Sun MicrosystemTM, Inc. の 250 冊以上のマニュアルを扱っています。このプログラムを利用して、マニュアルのセットまたは個々のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、米国 SunExpressTM, Inc. のインターネットホームページ http://www.sun.com/sunexpress にあるカタログセクションを参照してください。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、およびディレクトリ名を示します。または、画面上のコンピュータ出力を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力とは区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章や節を示します。また、ボタンやメニューなど、強調する単語を囲む場合にも使用します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 |
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の場合、filename は省略してもよいことを示します。
ただし AnswerBook2 では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が適宜、併記されています。