NIS が使用する名前空間データは、NIS マップ群に格納されます。本質的に NIS マップは、2 つの列で構成される表です。
表 10-1 は、デフォルトの NIS マップ、それに含まれる情報、NIS の実行中に対応する管理ファイルをオペレーティングシステムが参照するかどうかを説明します。
表 10-1 NIS マップの説明
マップ名 |
対応する NIS 管理ファイル |
説明 |
---|---|---|
bootparams |
bootparams |
クライアントがブート中に必要とするファイルのパス名を含む。root、swap など |
ethers.byaddr |
ethers |
マシン名と Ethernet アドレスを含む。Ethernet アドレスはマップ内のキー |
ethers.byname |
ethers |
キーが Ethernet アドレスではなくマシン名であることを除けば ethers.byaddr と同じ |
group.bygid |
group |
グループ ID をキーとしてグループセキュリティ情報を含む |
group.byname |
group |
グループ名をキーとしてグループセキュリティ情報を含む |
hosts.byaddr |
hosts |
IP アドレスをキーとしてマシン名と IP アドレスを含む |
hosts.byname |
hosts |
マシン (ホスト) 名をキーとしてマシン名と IP アドレスを含む |
mail.aliases |
aliases |
エイリアスをキーとしてエイリアスとメールアドレスを含む |
mail.byaddr |
aliases |
メールアドレスをキーとしてメールアドレスとエイリアスを含む |
netgroup.byhost |
netgroup |
マシン (ホスト名) をキーとして、グループ名、ユーザー名、マシン名を含む |
netgroup.byuser |
netgroup |
キーがユーザー名であることを除くと netgroup.byhost と同じ |
netgroup |
netgroup |
キーがグループ名であることを除くと netgroup.byhost と同じ |
netid.byname |
passwd, hosts, group |
UNIX 形式の認証に使用。ネット名のデータベースを含む。netid ファイルがある場合には、他のファイルを使用して利用できるデータの他にそれが参照される |
netmasks.byaddr |
netmasks |
アドレスをキーとして、IP のサブネット化で使用されるマスクを含む |
networks.byaddr |
networks |
アドレスをキーとして、システムに対して既知のネットワークの名前とアドレスを含む |
networks.byname |
networks |
キーがネットワークの名前であることを除くと、networks.byaddr と同じ |
passwd.adjunct. byname |
passwd と shadow |
C2 クライアント用の監査情報と隠蔽されたパスワード情報を含む |
passwd.byname |
passwd と shadow |
ユーザー名をキーとして、パスワード情報を含む |
passwd.byuid |
passwd と shadow |
キーがユーザー ID であることを除くと passwd.byname と同じ |
protocols.byname |
protocols |
プロトコル名をキーとして、システムに対して既知のネットワークプロトコルを含む |
protocols.bynumber |
protocols |
キーがプロトコル番号であることを除くと、protocols.byname と同じ |
rpc.bynumber |
rpc |
システムに対して既知のプログラム番号と RPC の名前を含む。キーは RPC のプログラム番号 |
services.byname |
services |
ネットワークに対して既知のインターネットサービスをリストする。キーはポートとプロトコル |
services.byservice |
services |
ネットワークに対して既知のインターネットサービスをリスト |
ypservers |
なし |
ネットワークに対して既知の NIS サーバーをリスト |
作成後の NIS マップの修正については、『Solaris ネーミングの管理』を参照してください。