Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (UNIX 版)

Sun Cluster データサービスの設定

クラスタの確立および製品コンポーネントの設定が完了すると、各種の Java ES 製品コンポーネント用に Sun Cluster データサービスを設定できるようになります。インストールされる Sun Cluster エージェントは、アプリケーションがクラスタを利用できるようにするソフトウェアプログラムです。エージェントソフトウェアおよび追加の設定ファイルは、( Web Server や Oracle データベースなどの) アプリケーションを、単一のサーバー上ではなくクラスタ上で実行できるようにするデータサービスを構成します。データサービスは、Sun Cluster フレームワークソフトウェアおよびマルチホストディスクと組み合わせることによって、アプリケーションの高可用性とスケーラビリティーを実現します。

データサービスおよびサポートされるすべての層 (ボリュームマネージャー、クラスタファイルシステム、リソースグループ情報) が完全に設定されるまでは、Sun Cluster のインストールは完了しません。データサービスの詳細については、『Sun Cluster Overview for Solaris OS』を参照してください。


注 –

Access Manager および Portal Server は、高可用性の Web コンテナ内に配備できます。ただし、Web コンテナに配備されるその他の Web アプリケーションと同様に、それらに障害が発生する可能性があります。その場合、Web コンテナのフェイルオーバーは行われません。


Java ES 製品コンポーネントの場合は、製品コンポーネントをインストールする各ノード上で Java ES インストーラを実行してから、Sun Cluster エージェントの HA Sun Java System サブコンポーネントのうち Sun Java System 製品コンポーネントに対応するサブコンポーネントをインストールします。Java ES インストーラでは、「あとで設定」設定タイプを選択します。インストールディレクトリを指定するときは、製品コンポーネントに対しては、そのノードのローカルファイルシステム上の場所を使用し、コンポーネントの設定および製品の場所に対しては、クラスタファイルシステム上の場所を使用します。

次の表は、Java ES インストーラの Sun Cluster Agents コンポーネントで設定されるエージェントの一覧です。特に参照する必要のあるマニュアルへのリンクもいくつか示されています。

表 6–2 Sun Cluster Agents (データサービス)

エージェント名 

特別な指示 

プラットフォーム 

HA Application Server 

『Sun Cluster Data Service for Sun Java System Application Server EE (HADB) Guide for Solaris OS』の第 1 章「Sun Cluster HA for Sun Java System Application Server EE (Supporting HADB Versions as of 4.4)」

SPARC、x86 

HA Application Server EE (HADB) 

『Sun Cluster Data Service for Sun Java System Application Server EE (HADB) Guide for Solaris OS 』

SPARC、x86 

HA Directory Server 

 

SPARCx86 

HA Message Queue 

フェイルオーバーのためのインストールと設定については、『Sun Cluster Data Service for Sun Java System Message Queue Guide for Solaris OS 』を参照してください。

SPARC、x86 

HA/Scalable Web Server 

フェイルオーバーまたはスケーラビリティーのためのインストールと設定については、『Sun Cluster Data Service for Sun Java System Web Server Guide for Solaris OS 』を参照してください。

SPARC、x86 

HA Agfa IMPAX 

 

SPARC 

HA Apache Tomcat 

 

SPARC、x86 

HA Apache 

 

SPARC 

HA Broadvision One-to-One Enterprise 

 

SPARC 

HA Calendar Server 

フェイルオーバーのためのインストールと設定については、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』の第 6 章「Calendar Server 6.3 ソフトウェアでの高可用性 (フェイルオーバーサービス) の設定」を参照してください。

SPARC 

HA DHCP 

 

SPARC、x86 

HA DNS 

 

SPARC、x86 

HA Instant Messaging 

高可用性のためのインストールと設定については、『Sun Java System Instant Messaging 7.2 管理ガイド』を参照してください。

SPARC 

HA Messaging Server 

フェイルオーバーのためのインストールと設定については、『Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド』の第 3 章「高可用性の設定」を参照してください。

SPARC 

HA MySQL 

 

SPARC、x86 

HA NetBackup 

 

SPARC 

HA Sun N1 Service Provisioning 

 

SPARC 

HA NFS 

 

SPARC、x86 

HA Oracle 

 

SPARC 

HA Oracle Application Server 

 

SPARC 

HA Oracle E-Business Suite 

 

SPARC 

HA Oracle Real Application Clusters 

 

SPARC 

HA Samba 

 

SPARC、x86 

HA SAP 

 

SPARC 

HA SAP DB 

 

SPARC 

HA SAP liveCache 

 

SPARC 

HA Siebel 

 

SPARC 

HA Solaris Containers 

 

SPARC、x86 

HA Sun N1 Grid Engine 

 

SPARC 

HA Sun N1 Service Provisioning 

 

SPARC 

HA SWIFT Alliance Gateway 

 

SPARC 

HA Sybase ASE 

 

SPARC 

HA WebLogic Server 

 

SPARC 

HA WebSphere MQ 

 

SPARC 

HA WebSphere MQ Integrator 

 

SPARC 

ProcedureJava ES 以外の製品で高可用性を実装するには

Java ES 以外の製品が高可用性を必要とするインストールを計画している場合は、ここに記載されている手順を実行します。

  1. Java ES 以外の製品をインストールして設定します。

    たとえば、『Sun Java Communications Suite 5 インストールガイド』を使用して Instant Messaging をインストールします。

  2. Java ES インストーラの「ソフトウェアコンポーネントの選択」ページで、その製品をサポートする Sun Cluster Agents を選択します。

    たとえば、Java ES Sun Cluster Agents コンポーネントの HA Instant Messaging サブコンポーネントを選択します。

  3. Java ES インストーラを使用して Sun Cluster エージェントをインストールします。

  4. 次の Sun Cluster データサービスマニュアルのうち、該当するマニュアルの説明に従ってエージェントを設定します。