Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 リリースノート (UNIX 版)

管理

ここでは、管理上の既知の問題とその解決方法を示します。

domain1 が存在しない場合、package-appclient スクリプトが動作しない。(ID 6171458)

説明

デフォルトでは、asenv.conf によって参照される domain1AS_ACC_CONFIG 変数の値が $INSTALL/lib/package-appclient.xml にハードコードされています。domain1 を削除して新たなドメインを作成した場合、AS_ACC_CONFIG 変数は新たなドメイン名で更新されません。その結果、package-appclient スクリプトの処理が失敗します。

解決方法

次のいずれかの操作を行います。

負荷分散プラグインをインストールすると、既存のプラグインが上書きされる。(ID 6172977)

説明

7.1EE などからすでにロードバランサプラグインがインストールされている Application Server のインストールに対して負荷分散プラグインをインストールすると、プラグインを実行する新しいサーバーインスタンスを作成しても、メッセージの表示なしで既存のロードバランサが 8.2EE プラグインに置き換えられます。

プラグインファイルは、デフォルトで install_dir /plugins/lbplugin ディレクトリの下にインストールされるため、1 つの Application Server インストールで使用できるプラグインは 1 つのバージョンだけになります。コンソールインストーラはアンインストールが実行されていることを示すメッセージを表示しますが、このメッセージは見逃しやすいことに注意してください。

解決方法

だれもがこの問題を経験するわけではありません。この問題が発生した場合は、古い Application Server インストールを削除して、アップグレードインストールではなく新規インストールを実行してください。

JES2 AS7 と比べると、JES3 Application Server 8.2 の asadmin スクリプトにいくつかの変更がある (ID 6189433、6189436)

Application Server 7.x と比べると、Application Server 8.2 の asadmin コマンドにはいくつかの変更が加えられています。たとえば、7.x では、サーバーインスタンスを起動するコマンドは次のとおりです。


asadmin start-instance

8.2 では、同等のコマンドは次のとおりです。


asadmin start-domain --user admin domain1

最新の asadmin コマンド構文の詳細については、次のマニュアルを参照してください。

Application Server のデフォルトポートが変更される (ID 6198555)

説明

JES2/Application Server 7. x から JES5/Application Server 8.2 にアップグレードすると、デフォルトのポートが変更されたために、互換性が失われたりエラーが発生したりすることがあります。

解決方法

Application Server 8.2 で使用されるデフォルトポートの一覧については、このリリースノートの 「その他の要件」を参照してください。

バックアップしたドメインを別の名前で復元できない。(ID 6196993)

説明

同一の Application Server インストール上では、backup-domain コマンドと restore-domain コマンドを使用してドメインをミラーリングできません。これは、asadmin restore-domain コマンドにドメイン名を変更するオプションがあっても、元の名前ではなく、別の名前でドメインを復元できないからです。バックアップされたドメインの名前を正常に変更したように見えても、名前を変更されたドメインの起動は失敗します。ドメイン設定のエントリは変更されておらず、startserv および stopserv は元のドメイン名を使用してパスを設定するからです。

解決方法

restore-domain で使用するドメイン名は、元の backup-domain コマンドで使用したドメイン名と同じである必要があります。Application Server 8.2 の backup-domain コマンドと restore-domain コマンドが動作するのは、同一マシンで同一ドメインをバックアップおよび復元する場合だけです。

JMX エージェントを追加した Application Server の起動はサポートされていない。(ID 6200011)

説明

J2SE 1.4.x、5.0、またはそれ以降のバージョンは、Application Server で設定できます。J2SE 5.0 プラットフォームの重要な特徴は、JMX エージェントを起動できることです。サーバーの起動時にシステムプロパティーを明示的に設定すると、JMX エージェントがアクティブになります。

次に例を示します。

name="com.sun.management.jmxremote" value="true"
name="com.sun.management.jmxremote.port" value="9999"
name="com.sun.management.jmxremote.authenticate" value="false"
name="com.sun.management.jmxremote.ssl" value="false"

JMX プロパティーを設定してサーバーを起動すると、Application Server VM 内で新しい jmx-connector サーバーが起動します。この場合は、望ましくない副作用の 1 つとして、管理機能が悪影響を受け、Application Server の管理 GUI や CLI で予期しない結果が発生することがあります。問題は、組み込みの jmx-connector サーバーと新たな jmx-connector サーバーとの間で衝突が発生することにあります。

解決方法

jconsole または何らかの JMX 互換クライアントを使用する場合には、Application Server とともに起動する標準の JMX コネクタサーバーを再利用することを検討してください。

サーバーの起動時に、次に示すような行が server.log に作成されます。ここで指定されている JMXServiceURL に接続し、資格を正常に指定した後、同様の管理および設定操作を実行することができます。次に例を示します。

[#|2004-11-24T17:49:08.203-0800|INFO|sun-appserver-ee8.1|javax.enterprise.
system.tools.admin|_ThreadID=10;|ADM1501: Here is the JMXServiceURL for the 
JMXConnectorServer: [service:jmx:rmi:///jndi/rmi://hostname:8686/management/
rmi-jmx-connector]. This is where the remote administrative clients should 
connect using the JSR 160 JMX Connectors.|#]

詳細については、『 Sun Java System Application Server 8.2 管理ガイド』を参照してください。

UNIX で、Application Server の start および stop スクリプトに関する実行権に過度の制限がかけられている。(ID 6206176)

説明

ユーザー「A」としてログインして asadmin restore-domain コマンドを実行すると、そのスクリプトのアクセス権は 744 (rwxr--r--) になります。そのあとでユーザー「B」としてドメインを起動または停止しようとすると、たとえ「B」が root であっても、その試みは失敗します。ユーザー「A」についてだけスクリプトが実行可能だからです。

解決方法

スクリプトのアクセス権を次のようにして変更します。


chmod 755 appserv/domains/domain-name/bin/*

どの Web サービスのエンドポイント URL を使用しても、ロードバランサの設定ファイルが作成されない。(ID 6236544、6275436)

説明

Web サービスの URL をエクスポートする EJB モジュールを含むアプリケーションを使用してロードバランサを設定しても、作成された loadbalancer.xml ファイルに、その Web サービスのコンテキストルートが存在しません。

解決方法

  1. loadbalancer.xml ファイルを編集して、作成されなかった Web モジュールを次のように追加します。


    <web-module context-root="context-root-name"
    disable-timeout-in-minutes="30" enabled="true"/>
  2. context-root-name 値を、EJB として公開された Web サービスのコンテキストルート名に置き換えます。

設定内の Java ホームの設定が反映されない。(ID 6240672)

説明

Application Server のドメインまたはサーバーが、関連付けられた設定の java-config 要素の java-home 属性によってポイントされる JDK を使用しません。

解決方法

該当のサーバーインストール内のすべてのドメインに対して Application Server プロセスが使用する JDK は、appserver-installation-dir /config/asenv.conf ファイルによって決まります。使用される JDK は、このファイル内のプロパティー AS_JAVA によって決まります。これはインストール時に設定されます。インストール後に別の JDK を Application Server プロセスが使用するようにするには、別の JDK をポイントするようにこの値を編集します。この変更によって、このインストール内のすべてのドメインが影響を受けることに注意してください。


注 –

asenv.conf ファイルを手動で変更する場合は有効性がチェックされないため、変更時に注意が必要です。AS_JAVA の値を修正する場合は、製品のマニュアルで JDK のバージョンの最低限の要件を確認してください。


sun-appserv-admin を使用して Application Server を再起動すると、LoginException エラーが発生する。(ID 6288893)

説明

この問題は %CONFIG_HOME% の間違った値によって発生します。

解決方法

  1. 既存の名前を asant.bak に変更します。

  2. <as_install>/lib/install/templates/ee (SE/EE バージョンの場合) にある asant.template ファイルを <as_install>/bin/ ディレクトリにコピーし、このファイルの名前を asant に変更します。

  3. 新しくコピーされた <as_install>/bin/asant スクリプトを編集して、%CONFIG_HOME% トークンを <as_install>/config に置き換えます。

  4. 元の asant.bak ファイルに対して行なった手作業の変更がある場合は、それを新しい asant スクリプトに結合します。

Application Server のマニュアルに .asadmintruststore ファイルが記述されていない。(ID 6315957)

説明

このファイルがサーバー管理者の home ディレクトリに存在しないと、そのサーバー上にホストされている特定のアプリケーションをアップグレードしたときに重大なバグが発生する場合があります。

解決方法

ドメインのマスターパスワードに特殊文字が含まれる場合、ドメインの起動が失敗する。(ID 6345947)

説明

ドメインのマスターパスワードにパーセント文字 (%) が含まれるときにドメインが起動しません。

解決方法

ドメインのマスターパスワードにパーセント文字 (%) を含めないようにしてください。これは、新しいドメインを作成するとき、および既存のドメインのマスターパスワードを変更するときに適用されます。

magnus.conf および obj.conf でのロードバランサの設定変更が上書きされる (ID 6394181)

説明

セキュリティー保護された http-listener を作成し、lbplugin をインストールしたあとで、webserver_instance_dir/config の下の magnus.conf および obj.conf ファイルが変更され、lbplugin の内容が削除されます。

インストーラは、ロードバランサプラグインのインストールの一部として、Application Server の magnus.conf および obj.conf 設定ファイルを変更します。Application Server 管理コンソールにログインし、ロードバランサがインストールされたインスタンスのインスタンス設定を管理しようとすると、Application Server は、設定の手動編集を検出したことを示す警告メッセージを表示します。この警告は、実際にはインストーラによって加えられた変更を示しています。

解決方法

インストーラによって加えられた変更が上書きされていないことを確認します。