Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 技術の概要

付録 A Message Queue オプションの JMS 機能の実装

JMS 仕様は、いくつかの項目をオプションとしています。各 JMS プロバイダ (ベンダー) が、これらを実装するかどうかを選択します。ここでは、Message Queue 製品が JMS のオプション項目をどのように取り扱うかを示します。

表 A–1 に、Message Queue サービスが JMS のオプション項目をどのように取り扱うかを示します。

オプション機能

表 A–1 JMS のオプション機能

JMS 仕様の節 

説明と Message Queue における実装 

3.4.3 JMSMessageID

「メッセージ ID に対しては、メッセージの作成とサイズの拡大に力を注いできたことから、一部には、メッセージ ID がアプリケーションで使用されないというヒントが与えられれば、メッセージオーバーヘッドを最適化できる JMS プロバイダも存在します。JMS メッセージプロデューサは、メッセージ ID を無効にするためのヒントを与えてくれます。」 

Message Queue 実装: 製品は、メッセージ ID の生成を無効にしません。MessageProducer での setDisableMessageID() 呼び出しは、すべて無視されます。すべてのメッセージは、有効な MessageID 値を持ちます。

3.4.12 メッセージのヘッダーフィールドのオーバーライド 

「JMS では、管理者がこれらのヘッダーフィールド値をオーバーライドする方法を、具体的に規定してはいません。JMS プロバイダは、この管理オプションをサポートする必要はありません。」

Message Queue 実装: Message Queue 製品では、クライアントランタイムの設定を通じて、メッセージヘッダーフィールド値の管理的オーバーライドをサポートしています。「メッセージヘッダー」を参照してください。

3.5.9 JMS の定義済みプロパティー 

「JMS では、JMS の定義済みプロパティー用として、JMSX プロパティー名のプレフィックスを予約しています。」「特に記述がないかぎり、これらのプロパティーのサポートはオプションです。」

Message Queue 実装: JMS 1.1 仕様で定義済みの JMSX プロパティーは、Message Queue 製品でサポートされています。『Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 管理ガイド』の付録 B「Stability of Message Queue Interfaces」を参照してください。

3.5.10 プロバイダ固有のプロパティー 

「JMS では、プロバイダ固有のプロパティー用として、JMS_<vendor_name > というプロパティー名のプレフィックスを予約しています。」

Message Queue 実装: プロバイダ固有のプロパティーの目的は、プロバイダにネイティブなクライアントで JMS をサポートするのに必要な、特殊な機能を提供することです。これらは、JMS 対 JMS のメッセージングには使用できません。

4.4.8 分散トランザクション  

「JMS では、プロバイダが分散トランザクションをサポートすることを必要としていません。」

Message Queue 実装: 分散トランザクションは、このリリースの Message Queue 製品でサポートされています。「トランザクション」を参照してください。

4.4.9 複数のセッション 

「JMS では、PTP ポイントツーポイント分散モデル について、同じキューに同時にアクセスする QueueReceivers に対するセマンティクスを指定していません。しかし、JMS がこの機能のサポートを禁止しているわけではありません。」詳細は、JMS 仕様の 5.8 節を参照してください。

Message Queue 実装: Message Queue 実装は、複数のコンシューマへのキュー配信をサポートしています。詳細は、「ポイントツーポイントメッセージング」を参照してください。