ここでは、Message Queue サービスを設定するために使用するツール、および開発環境または本稼働環境をサポートするために実行する必要があるタスクについて説明します。
図 3–5 に、クライアントコネクションを除外し、ブローカコンポーネントとそれらを管理するために使用されるツールに焦点を当てるメッセージサービスの概要を示します。
次のコマンド行ツールを使用して、Message Queue サービスを設定および管理することができます。
imqbrokerd ユーティリティーを使用して、ブローカを起動します。imqbrokerd コマンドのオプションを使用して、クラスタ内でブローカを接続するかどうか、および追加の起動設定情報を指定することができます。
ブローカを起動したあとで、imqcmd ユーティリティーを使用して、物理的な送信先を作成、更新、および削除します。そのようにして、ブローカとそのコネクションサービスを制御したり、ブローカのリソースを管理したりします。
imqobjmgr ユーティリティーを使用して、JNDI オブジェクトストア内の管理対象オブジェクトの追加、一覧表示、更新、および削除を行います。
imqusermgr ユーティリティーを使用して、ユーザーの認証および承認のためのファイルベースのユーザーリポジトリに値を入力します。
imqdbmgr ユーティリティーを使用して、持続ストレージで使用される JDBC 準拠のデータベースを作成および管理します。組み込みファイルストアは外部管理を必要としません。
imqsvcadmin ユーティリティーを使用して、ブローカを Windows サービスとしてインストール、照会、および削除します。
GUI ベースの管理コンソールは、imqcmd ユーティリティーと imqobjmgr ユーティリティーの一部の機能を組み合わせたものです。この管理コンソールを使用して次のことができます。
ブローカへの接続および管理。
物理的な送信先の作成および管理。
オブジェクトストアへの接続、ストアへのオブジェクトの追加、およびそれらの管理。
クライアントコンポーネントの開発では、管理作業を最小限に抑えるのが最適です。Message Queue 製品は、この目的のために設計され、すぐに使用できる状態で出荷されています。ブローカを起動するだけで十分です。次の手法を使用して、開発に集中することができます。
データストア (組み込みのファイル持続)、ユーザーリポジトリ (ファイルベース)、アクセス制御プロパティーファイルのデフォルトの実装を使用します。開発テストを行うには、これらで十分です。デフォルトのユーザーリポジトリは、デフォルトエントリと一緒に作成され、インストール後すぐにブローカを使用できるようになります。デフォルトのユーザー名 (guest) とパスワード (guest) を使用して、クライアントを認証できます。
目的に合ったディレクトリを作成することにより、単純なファイルシステムオブジェクトストアを使用してそこに管理対象オブジェクトを保管します。また、ストアを一切作成しない場合は、管理対象オブジェクトをコードで直接インスタンス化することができます。
物理的な送信先をブローカ上で明示的に作成せずに、自動作成された物理的な送信先を使用します。詳細は、適切な開発者ガイドを参照してください。
本稼働環境では、アプリケーションのパフォーマンスを向上させ、スケーラビリティー、可用性、およびセキュリティーに関する企業の要件を達成するためにメッセージサービス管理が重要な役割を果たします。この環境では、管理者が実行するタスクが数多くあります。これらのタスクはセットアップ操作とメンテナンス操作に大きく分類できます。
一般的に、次のセットアップ操作を行う必要があります。
セキュリティー保護された管理アクセス
ファイルベースまたは LDAP のどちらのユーザーリポジトリを使用する場合でも、管理者が admin グループに所属し、セキュリティー保護されたパスワードを持っていることを確認します。必要に応じて、管理者用にセキュリティー保護されたブローカへのコネクションを作成します。
セキュリティー保護されたクライアントアクセス
ファイルベースまたは LDAP のどちらのユーザーリポジトリを使用する場合でも、メッセージサービスにアクセスできるユーザーの名前をユーザーリポジトリに入力し、アクセス制御プロパティーファイルを編集して、それらのユーザーに適切な承認を与えます。必要に応じて、SSL ベースのコネクションサービスを設定します。認証されていなコネクションを防止するために、「guest」ユーザーのパスワードを変更します。
物理的な送信先の作成および管理
メッセージ数とメッセージに割り当てられるメモリー量をブローカリソースでサポートできるように送信先属性を設定します。
管理対象オブジェクトの作成および設定
LDAP オブジェクトストアを使用する場合は、ストアを設定します。コネクションファクトリオブジェクトと送信先管理対象オブジェクトの作成および設定
ステートフルな水平方向の拡張が必要な場合のブローカクラスタの作成
中央設定ファイルを作成し、マスターブローカを指定します。
ブローカリソースを監視および制御し、アプリケーションのパフォーマンスを調整するには、アプリケーションを配備したあとで次のタスクを実行する必要があります。