メッセージングアプリケーションが配置され稼働されたあとは、基準になる使用パターンを確立することが重要となります。要求のピークがいつ発生するか把握し、その要求の定量化を図ります。たとえば、通常、要求はエンドユーザー数、アクティビティーレベル、時間帯、またはこれらすべてによって左右されます。
基準になる使用パターンを確立するには、メッセージサービスを一定期間監視して、次のようなデータを調べる必要があります。
接続数
ブローカ、または特定の物理的送信先に保存されたメッセージ数
ブローカ、または特定の物理的送信先で送受信されるメッセージフロー
アクティブコンシューマの数
また、メトリックスデータにより提供される平均値とピーク値を使用することもできます。
これらの基準になるメトリックスを設計時の期待値と比較することが重要です。それによって、クライアントコードが正常に動作していることを確認します。たとえば、接続が開いたままになっていないか、または、消費されたメッセージが未通知のままになっていないかを確認できます。これらのコーディングエラーはブローカのリソースを消費し、パフォーマンスに大きな影響を及ぼします。
基準になる使用パターンは、最適なパフォーマンスを得るためにシステムを調整する方法を決定する上で役立ちます。たとえば、次のように指定します。
1 つの物理的送信先がそのほかの物理的送信先に比べ頻繁に使用されている場合は、その物理的送信先のメッセージメモリー制限をそのほかの送信先より高く設定したり、使用率に応じて制限の動作を調整したりできます。
必要な接続数が最大スレッドプールサイズによる許容値を大きく上回る場合は、スレッドプールサイズを増やすか、共有スレッドモデルを採用することができます。
ピーク時のメッセージフローが平均フローより多い場合は、メモリーが不足したときに使用する制限の動作に影響することがあります。
一般に、使用パターンをより綿密に理解しているほど、より適切に、使用パターンに応じてシステムを調整し、将来ニーズに合わせてプランニングすることができます。