Application Server には JavaMail API が含まれています。JavaMail API はメールシステムをモデル化する一連の抽象 API です。この API は、メールとメッセージングアプリケーションを構築するための、プラットフォームにもプロトコルにも依存しないフレームワークを提供します。JavaMail API には、電子メッセージの読み取り、作成、送信のための機能が備えられています。サービスプロバイダは特定のプロトコルを実装します。JavaMail API を使用して、アプリケーションに電子メール機能を追加できます。JavaMail は Java アプリケーションから、ネットワークまたはインターネット上の IMAP (Internet Message Access Protocol) および SMTP (メール転送プロトコル) 対応のメールサーバーにアクセスできます。メールサーバー機能はないため、JavaMail を使用するにはメールサーバーにアクセスする必要があります。
JavaMail API の詳細については、http://java.sun.com/products/javamail/index.html の JavaMail Web サイトを参照してください。
この章は、次の節で構成されています。
Application Server で JavaMail を設定して使用するには、Application Server 管理コンソールでメールセッションを作成します。これにより、サーバー側コンポーネントとアプリケーションは、JavaMail サービスに割り当てられたセッションプロパティを使用して、JNDI を使用して JavaMail サービスにアクセスできます。メールセッションを作成する際に、管理コンソールで、メールホスト、トランスポートプロトコルとストアプロトコル、およびデフォルトのメールユーザーを指定できるため、JavaMail を使用するコンポーネントはこれらのプロパティーを設定する必要がありません。Application Server は単一のセッションオブジェクトを作成して、JNDI を介してセッションオブジェクトを必要とするすべてのコンポーネントに使用できるようにするため、電子メールを大量に使用するアプリケーションで役立ちます。
管理コンソールを使用して、JavaMail セッションを作成するには、「リソース」>「JavaMail セッション」の順に選択します。次のように JavaMail 設定を指定します。
JNDI 名: メールセッションの一意の名前。JavaMail リソースには、ネーミングサブコンテキストプレフィックス mail/ を使用します。次に例を示します。mail/MySession
メールホスト: デフォルトのメールサーバーのホスト名。プロトコル固有のホストプロパティーが提供されていない場合、Store オブジェクトと Transport オブジェクトの接続メソッドはこの値を使用します。この名前は実際のホスト名として解決可能でなければいけません。
デフォルトユーザー: メールサーバーに接続する際に指定するユーザー名。プロトコル固有の username プロパティーが提供されていない場合、Store オブジェクトと Transport オブジェクトの接続メソッドはこの値を使用します。
デフォルトの返信用アドレス: 次の形式のデフォルトユーザーの電子メールアドレス。username@host.domain パターンを使用して名前を付けることができます。
説明: コンポーネントの説明文を記述します。
セッション:このときメールセッションを有効にしない場合は、「有効」チェックボックスを選択解除します。
さらに、メールプロバイダが、デフォルト以外のストアやトランスポートプロトコルを使用するように設定し直した場合にのみ、次の詳細設定を定義します。
ストアプロトコル: 使用するストアオブジェクトの通信方法を定義します。デフォルトのストアプロトコルは imap です。
ストアプロトコルクラス: 目的のストアプロトコルを実装するストア通信方法クラスを指定します。デフォルトのストアプロトコルクラスは com.sun.mail.imap.IMAPStore です。
トランスポートプロトコル: トランスポート通信方法を識別します。デフォルトのトランスポートプロトコルは smtp です。
トランスポートプロトコルクラス: トランスポートクラスの通信方法を定義します。デフォルトのトランスポートプロトコルクラスは com.sun.mail.smtp.SMTPTransport です。
デバッグ: このメールセッションのプロトコルトレースなど、ほかのデバッグ出力を有効にするには、このチェックボックスにチェックマークを付けます。JavaMail のログレベルを FINE またはそれ以上に設定した場合、デバッグ出力が生成され、システムのログファイルに取り込まれます。ログレベルの設定の詳細については、「カスタムログレベルを設定する」を参照してください。
追加プロパティー: プロトコル固有のホストやユーザー名のプロパティーなどアプリケーションに必要なプロパティーを作成します。JavaMail API マニュアルには、使用可能なプロパティーのリストがあります。