Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 管理ガイド

Sun Java System Application Server について

Sun Java System Application Server は、サーバーサイド Java アプリケーションおよび Web サービスの開発と配信用の Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE プラットフォーム) 1.4 互換プラットフォームを提供します。主な機能には、スケーラブルなトランザクション管理、コンテナ管理による持続性ランタイム、パフォーマンス Web サービス、クラスタリング、高可用性、セキュリティー、統合機能などがあります。

Application Server は次の Edition が提供されています。

ここでは、次の内容について説明します。

Application Server とは

Application Server は、Web パブリッシングから企業規模のトランザクション処理までをサポートするプラットフォームです。一方、開発者は JavaServer Pages (JSP)、Java サーブレット、Enterprise JavaBeans (EJB) テクノロジをベースにしたアプリケーションを構築できます。

Application Server Platform Edition は、開発、本稼働配備、および再配布を自由に行えます。再配布の詳細については、http://www.sun.com/software/products/appsrvr/appsrvr_oem.xml を参照してください。

Application Server Enterprise Edition は、高度なクラスタリング技術とフェイルオーバー技術を提供します。Application Server のインフラストラクチャーは、さまざまなタイプの分散アプリケーションの配備をサポートし、サービス指向アーキテクチャー (SOA) に基づいてアプリケーションを構築するために最適な基盤です。SOA はアプリケーションサービスを最大限に再利用することを目的とした設計方法論です。これらの機能により、スケーラブルで高い可用性を備えた J2EE アプリケーションを実行できます。

Application Server のアーキテクチャー

ここでは、図 1–1 に示す Application Server のハイレベルアーキテクチャーについて説明します。

図 1–1 Application Server のアーキテクチャー

図は、コンテナ、サービス、ツール、およびデータベースなどの外部システムとの通信を含むハイレベルアーキテクチャーを示している。

外部システムへのアクセス

J2EE プラットフォームでは、アプリケーションがアプリケーションサーバーの外部にあるシステムにアクセスできます。アプリケーションは、リソースと呼ばれるオブジェクトを介してこれらのシステムにアクセスします。管理者はリソース設定を行う必要があります。J2EE プラットフォームでは、次の API およびコンポーネントを介して外部システムにアクセスできます。

管理用ツール

Sun Java System Application Server の管理にはさまざまなツールと API を使用できます。

管理コンソール

管理コンソールは、ナビゲートしやすいインタフェースとオンラインヘルプを装備したブラウザベースのツールです。管理コンソール を使用するには、管理サーバー (ドメイン管理サーバーまたは DAS とも呼ばれる) が稼動している必要があります。管理コンソールを起動するには、管理サーバーのホスト名とポート番号が必要です。デフォルトの管理サーバーのデフォルトの管理サーバーポート番号は 4849 です。さらに、管理コンソールにログインするには、管理ユーザー名とパスワードが必要です。詳細については、該当する節を参照してください。

管理コンソールを起動するには、Web ブラウザで次のように入力します。


https://hostname:port

次に例を示します。


https://kindness.sun.com:4849

管理コンソール を管理サーバーが稼動しているマシンで実行する場合は、ホスト名として localhost を指定できます。

Windows で、「スタート」メニューから「Application Server 管理コンソール」を起動します。

コマンド行インタフェース (asadmin ユーティリティー)

asadmin ユーティリティーは Sun Java System Application Server のコマンド行インタフェースです。管理コンソール で提供されている一連の同じ管理タスクを実行できます。asadmin ユーティリティーは、シェルでコマンドプロンプトから起動するか、ほかのスクリプトやプログラムから呼び出すことができます。asadmin ユーティリティーは install-dir/bin ディレクトリにインストールされます。Solaris でのデフォルトの Sun Java System Application Server インストールのルートディレクトリは /opt/SUNWappserver です。

asadmin ユーティリティーを起動するには、install-dir/bin ディレクトリに移動し、次のように入力します。


$ asadmin

asadmin 内で使用可能なコマンドを一覧表示するには、次のように入力します。


asadmin> help

シェルのコマンドプロンプトで、asadmin コマンドを次のように実行することもできます。


$ asadmin help

コマンドの構文と例を表示するには、help のあとにコマンド名を入力します。次に例を示します。


asadmin> help create-jdbc-resource

指定したコマンドの asadmin help 情報が、コマンドの UNIX マニュアルページに表示されます。これらのマニュアルページは、Web の 『Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 Reference Manual』で HTML でも入手できます。

JConsole

Java 2 Platform Standard Edition 5.0 では、Java 監視および管理コンソール (JConsole) が導入されました。JConsole は Sun Java System Application Server の監視に使用します。JConsole の「リモート」タブまたは「詳細」タブを使用して、Application Server に接続できます。

Application Server Management Extension (AMX)

Application Server Management Extension は、すべての Application Server 設定を表示する API であり、AMX インタフェースを実装する、使いやすいクライアント側の動的なプロキシとして JMX 管理対象 Beans を監視しています。

Application Server Management Extension の使用の詳細については、『Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 Developer’s Guide』の第 16 章「Using the Java Management Extensions (JMX) API」を参照してください。