asadmin ユーティリティーを使用すると、Application Server の管理タスクを実行できます。この asadmin ユーティリティーは、管理コンソールの代わりに使用できます。
asadmin ユーティリティーは、ユーザーの実行する操作やタスクを特定するコマンドを呼び出します。これらのコマンドでは大文字と小文字が区別されます。短形式のオプションの引数にはダッシュ (-) が、長形式のオプションの引数には二重ダッシュ (--) が付いています。オプションによって、ユーティリティーによるコマンドの実行方法を制御します。オプションでも大文字と小文字を区別します。機能のオン/オフを切り替えるブール型のオプションを除いて、大部分のオプションには引数値が必要です。オペランドは引数値の後ろに表示され、空白、タブ、または二重ダッシュ (--) で区切られます。asadmin ユーティリティーでは、オプションとその値の後ろに続くものをオペランドとして処理します。
asadmin command [-short_option] [short_option_argument]* [--long_option [long_option_argument]* [operand]*
asadmin create-profiler -u admin --passwordfile password.txt myprofiler
Solaris プラットフォーム上の Application Server の asadmin ユーティリティーコマンドのマニュアルページにアクセスするには、MANPATH 環境変数に $AS_INSTALL/man を追加します。
asadmin ユーティリティーコマンドの全体的な使用法の情報は、--help オプションを呼び出すことで取得できます。コマンドを指定すると、そのコマンドの使用法に関する情報が表示されます。コマンドを指定せずに --help オプションを使用すると、使用可能なすべてのコマンドの一覧が表示されます。
asadmin --help では、一般的なヘルプが表示されます。
asadmin command --help では、特定のコマンドのヘルプが表示されます。
ここでは、次の内容について説明します。
asadmin ユーティリティーは、コマンドシェルを呼び出して、またはマルチコマンドモード (multimode コマンドと呼ばれる) で使用できます。コマンドシェルの呼び出しを使用する場合は、コマンドシェルから asadmin ユーティリティーを呼び出します。asadmin がコマンドを実行し、終了します。マルチコマンドモードでは、asadmin が一度呼び出されると、asadmin が終了するまで、複数のコマンドを受け入れます。終了後は通常のコマンドシェルの呼び出しに戻ります。マルチコマンドモードで設定した環境変数は、multimode を終了するまで、あとに続くすべてのコマンドに使用されます。また、あらかじめ準備したコマンドの一覧をファイルまたは標準入力から渡す (パイプする) ことによって、コマンドを提供することもできます。また、マルチモードセッション内から multimode を呼び出すこともできます。2 つ目のマルチモード環境を終了すると、元のマルチモード環境に戻ります。
また、asadmin ユーティリティーは、対話型モードまたは非対話型モードで実行できます。デフォルトでは、対話型モードのオプションが有効になっています。対話型モードでは、必要な引数を入力するように求められます。対話型モードオプションは、すべての環境のコマンドシェルの呼び出しで使用することができます。コマンドプロンプトから一度に 1 つのコマンドを実行したり、ファイルから multimode で実行したりするときは、multimode で対話型モードオプションを使用できます。multimode のコマンド (入力ストリームからパイプされた場合) や、別のプログラムから呼び出されたコマンドは、対話型モードでは実行できません。
ローカルコマンドは、管理サーバーが存在しなくても実行できます。ただし、コマンドを実行したり、インストールディレクトリやドメインディレクトリに対するアクセス権を得たりするには、ドメインをホストしているマシンにユーザーがログインする必要があります。
ローカルまたはリモートで実行できるコマンドの場合、環境内またはコマンド行のどちらかで、--host、--port、--user、および --passwordfile オプションのいずれか 1 つが設定されていれば、そのコマンドはリモートモードで実行されます。また、コマンド行または環境内で、ローカルオプションが何も設定されていない場合でも、デフォルトでコマンドはローカルで実行されます。
リモートコマンドの実行は、管理サーバーに接続してコマンドを実行することによって常に行われます。稼働中の管理サーバーが必要です。すべてのリモートコマンドで、次の共通オプションが必須になります。
表 19–1 リモートコマンドの必須オプション
短形式のオプション |
オプション |
定義 |
---|---|---|
-H |
--host |
ドメイン管理サーバーの稼働しているマシン名。デフォルト値は、localhost です。 |
-p |
--port |
管理用の HTTP/S ポート。これは、ドメインを管理するためにブラウザで指定するポートです。たとえば、http://localhost:4848 などです。Platform Edition のデフォルトのポート番号は 4848 です。 |
-u |
--user |
認証されたドメイン管理サーバーの管理ユーザー名。asadmin login コマンドを使用してドメインに対して認証を行った場合、その後の操作では、この特定のドメインに対して --user オプションを指定する必要はありません。 |
--passwordfile |
-‐passwordfile オプションは、特定の形式でパスワードエントリを格納しているファイルの名前を指定します。パスワードのエントリには、パスワード名の前に AS_ADMIN_ というプレフィックス (大文字) を付ける必要があります。 たとえば、ドメイン管理サーバーのパスワードを指定するには、次の形式のエントリを使用します。AS_ADMIN_PASSWORD=password (この password は実際の管理者パスワード)。その他の指定できるパスワードには、AS_ADMIN_PASSWORD、AS_ADMIN_USERPASSWORD、AS_ADMIN_ALIASPASSWORD、AS_ADMIN_MAPPEDPASSWORD などがあります。 すべてのリモートコマンドでは、-‐passwordfile または asadmin login を使用するか、コマンドプロンプトによる対話形式で、ドメイン管理サーバーに対して認証を行うための管理パスワードを指定する必要があります。asadmin login コマンドを使用するのは、管理パスワードを指定するときだけです。リモートコマンド用に指定する必要があるその他のパスワードについては、-‐passwordfile を使用するか、コマンドプロンプトで入力します。 asadmin login コマンドを使用してドメインに対して認証を行った場合、その後の操作では、この特定のドメインに対して -‐passwordfile オプションを使用して管理パスワードを指定する必要はありません。ただし、これは AS_ADMIN_PASSWORD オプションにしか適用されません。なお、個別のコマンド (update-file-user など) が要求する場合は、その他のパスワード (AS_ADMIN_USERPASSWORD など) を指定する必要があります。 セキュリティー上の理由により、環境変数として指定されたパスワードは、asadmin によって読み取られません。 |
|
-s |
--secure |
true に設定した場合、SSL/TLS を使用してドメイン管理サーバーと通信します。 |
-I |
--interactive |
true (デフォルト) に設定した場合、必須パスワードとユーザーオプションのみの入力が要求されます。 |
-t |
--terse |
出力データを簡潔にすることを示します。通常、人間が読みやすい文を避けて、スクリプトで使用するために整形されたデータを優先します。デフォルトは false です。 |
-e |
--echo |
true に設定すると、コマンド行の文が標準出力にエコーされます。デフォルトは false です。 |
-h |
--help |
コマンドに関するヘルプテキストが表示されます。 |
セキュリティーのため、コマンド行でパスワードを入力する代わりに、ファイルからコマンドのパスワードを設定することができます。--passwordfile オプションを使用すると、パスワードを格納したファイルを取得できます。このファイルの有効な内容は次のとおりです。
AS_ADMIN_PASSWORD=value AS_ADMIN_ADMINPASSWORD=value AS_ADMIN_USERPASSWORD=value AS_ADMIN_MASTERPASSWORD=value |