管理エージェント ma は HADB ホスト上で管理コマンドを実行します。HADB ノードスーパーバイザプロセスが失敗すると、管理エージェントはそのプロセスを再起動して、その可用性を確保します。
管理エージェントは次の方法で起動できます。
サービスとして本稼働環境で使用する場合。「サービスとしての管理エージェントの起動」を参照してください。 管理エージェントの有効性を確保するには、システムの再起動時に管理エージェントが自動的に起動することを確認してください。「管理エージェントの自動再起動の実現」を参照してください。
コンソールモードで、評価、テスト、または開発における通常のプロセスとして使用する場合。「コンソールモードでの管理エージェントの起動」を参照してください。
Solaris 10 のサービス管理機能 (Service Management Facility、SMF) とともに使用します。
いずれの場合も、使用しているのが Java Enterprise System であるかスタンドアロン Application Server であるかによって、手順が異なります。
サービスとして管理エージェントを起動すると、システムが停止するかまたは操作によりシステムを明示的に停止するまで、実行を継続します。コマンドは、インストール環境やプラットフォームによって異なります。
管理エージェントをサービスとして起動するには、次のコマンドを使用します。
/etc/init.d/ma-initd start
サービスを停止するには、次のコマンドを使用します。
/etc/init.d/ma-initd stop
管理エージェントを Windows サービスとして起動するには、次のコマンドを使用します。HADB_install_dir\bin\ma -i [config-file ]
省略可能な引数 config-file は、管理エージェントの設定ファイルを指定します。設定ファイルは、デフォルトの管理エージェント設定を変更する場合にのみ使用してください。詳細については、「管理エージェント設定のカスタマイズ」を参照してください。
管理エージェントを停止してサービスから削除 (登録解除) するには、次のコマンドを使用します。HADB_install_dir\bin\ma -r [config-file ]
管理を実行するには、「管理ツール 」->「サービス」を選択します。表示されるウィンドウで、サービスの起動と停止、自動起動の無効化などを行えます。
管理エージェントをサービスとして起動するには、次のコマンドを使用します。
HADB_install_dir/bin/ma-initd start
サービスを停止するには、次のコマンドを使用します。
HADB_install_dir/bin/ma-initd stop
デフォルト値を変更するには、シェルスクリプト HADB_install_dir/bin/ma-initd を編集します。ma-initd をディレクトリ /etc/init.d にコピーします。スクリプト内の HADB_ROOT と HADB_MA_CFG のデフォルト値を、実際のインストールを反映するように置き換えます。
HADB_ROOT は HADB インストールディレクトリ HADB_install_dir です。
HADB_MA_CFG は管理エージェント設定ファイルのある場所です。詳細については、「管理エージェント設定のカスタマイズ」を参照してください。
管理エージェントを Windows サービスとして起動するには、次のコマンドを使用します。HADB_install_dir\bin\ma -i [config-file ]
省略可能な引数 config-file は、管理エージェントの設定ファイルを指定します。設定ファイルは、デフォルトの管理エージェント設定を変更する場合にのみ使用してください。
管理エージェントを停止してサービスから削除 (登録解除) するには、次のコマンドを使用します。HADB_install_dir\bin\ma -r [config-file ]
管理を実行するには、「管理ツール 」->「サービス」を選択します。表示されるウィンドウで、サービスの起動と停止、自動起動の無効化などを行えます。
本稼働環境で、管理エージェントが自動的に再起動するように設定します。そのようにすることで、ma プロセスが 失敗する場合またはオペレーティングシステムが再起動する場合における管理エージェントの有効性が確実になります。
Windows プラットフォームでは、管理エージェントをサービスとして起動した後に、Windows 管理ツールを使用して、サービスの「スタートアップの種類」を「自動」に設定し、必要に応じて「回復」オプションを指定します。
Solaris およびLinux プラットフォームでは、この節の手順を用いて、管理エージェントの自動再起動を設定します。以下の手順を行うと、システムが次のレベルになったときにのみ、管理エージェントが起動します。
Solaris での実行レベル 3 (デフォルト)。
RedHat Linux での実行レベル 5 (グラフィックモードでのデフォルト)。
それ以外の実行レベルになると、管理エージェントは停止します。
この節は、オペレーティングシステムの初期化と実行レベルについての基本を理解していることを前提としています。これらのトピックについては、使用しているオペレーティングシステムのマニュアルを参照してください。
システムのデフォルト実行レベルが 3 または 5 であることを確認します。
システムのデフォルト実行レベルを確認するには、/etc/inittab ファイルを調べ、ファイル上部にある次のような行を探します。
id:5:initdefault:
この例は、デフォルト実行レベル 5 を示しています。
「ソフトリンクの作成」の説明に従って、ファイル /etc/init.d/ma-initd へのソフトリンクを作成します。
マシンを再起動します。
エージェントの自動起動および停止を解除するには、これらのリンクを削除するか、リンク名中の文字 K とS を小文字に変更します。
シェルで、カレントディレクトリを HADB_install_dir /bin に変更します。
シェルスクリプト ma-initd を編集します。
スクリプト内の HADB_ROOT および HADB_MA_CFG のデフォルト値を確認して、インストールを反映させます。
HADB_ROOT は HADB インストールディレクトリ HADB_install_dir です。
HADB_MA_CFG は管理エージェント設定ファイルのある場所です。詳細については、「管理エージェント設定のカスタマイズ」を参照してください。
ma-initd をディレクトリ /etc/init.d にコピーします。
「ソフトリンクの作成」の説明に従って、ファイル /etc/init.d/ma-initd へのソフトリンクを作成します。
エージェントの自動起動および停止を解除するには、これらのリンクを削除するか、リンク名中の文字 K とS を小文字に変更します。
Solaris の場合、次のソフトリンクを作成します。
/etc/rc0.d/K20ma-initd /etc/rc1.d/K20ma-initd /etc/rc2.d/K20ma-initd /etc/rc3.d/S99ma-initd /etc/rc5.d/K20ma-initd (Sun 4m および 4u アーキテクチャーの場合のみ) /etc/rc6.d/K20ma-initd /etc/rcS.d/K20ma-initd
Linux の場合、次のソフトリンクを作成します。
/etc/rc0.d/K20ma-initd /etc/rc1.d/K20ma-initd /etc/rc3.d/S99ma-initd /etc/rc5.d/S99ma-initd /etc/rc6.d/K20ma-initd
評価やテストのために、コンソールモードで管理エージェントを起動することができます。本稼働環境ではこの方法で管理エージェントを起動しないでください。システムやプロセスの障害の後で ma プロセスが再起動しなかったり、コマンドウィンドウを閉じたときにプロセスが終了したりするからです。コマンドは、プラットフォームやインストール環境によって異なります。
コンソールモードで HADB 管理エージェントを起動するには、次のコマンドを使用します。
opt/SUNWhadb/bin/ma [config-file]
デフォルトの管理エージェント設定ファイルは /etc/opt/SUNWhadb/mgt.cfg です。
管理エージェントを停止するには、プロセスを終了するか、またはシェルウィンドウを閉じます。
コンソールモードで管理エージェントを起動するには、次のコマンドを使用します。
HADB_install_dir\bin\ma [config-file]
省略可能な引数 config-file は、管理エージェント設定ファイルの名前です。設定ファイルの詳細については、「管理エージェント設定のカスタマイズ」を参照してください。
エージェントを停止するには、プロセスを終了します。
コンソールモードで管理エージェントを起動するには、次のコマンドを使用します。
HADB_install_dir\bin\ma [config-file]
省略可能な引数 config-file は、管理エージェント設定ファイルの名前です。詳細については、「管理エージェント設定のカスタマイズ」を参照してください。
管理エージェントを停止するには、プロセスを終了します。
コンソールモードで HADB 管理エージェントを起動するには、次のコマンドを使用します。
HADB_install_dir/bin/ma [config-file]
デフォルトの管理エージェント設定ファイルは HADB_install_dir /bin/ma.cfg です。
管理エージェントを停止するには、プロセスを終了するか、またはシェルウィンドウを閉じます。
サービス管理機能 (SMF) では、Solaris 10 でのサービスを再起動、表示、および管理するためのメカニズムを提供しています。SMF を使用して、HADB 管理エージェントを起動、再起動、および管理することができます。
管理エージェントの障害管理リソース識別子 (FMRI) は svc:/application/hadb-ma です。
管理エージェント ma コマンドの構文は、次のとおりです。
ma [common-options] [ service-options] config-file
説明:
common-options は、「管理エージェントコマンドの構文」で説明されている 1 つ以上の共通オプションです。
service-options は、「管理エージェントコマンドの構文」で説明されている Windows サービスオプションのいずれかです。
config-file は、管理エージェント設定ファイルへのフルパスです。詳細については、「管理エージェント設定のカスタマイズ」を参照してください。
オプション |
説明 |
デフォルト |
---|---|---|
--define name=value-D |
プロパティー name に value を割り当てます。このプロパティーは 「設定ファイル」に定義されているプロパティーのいずれかです。このオプションは、複数回繰り返すことができます。 |
なし |
--help-? |
ヘルプ情報を表示します。 |
False |
--javahome path-j |
path にある Java Runtime 環境 (1.4 以降) を使用します。 |
なし |
--systemroot path-y |
通常は %SystemRoot% で設定されているオペレーティングシステムルートへのパス。 |
なし |
--version-V |
バージョン情報を表示します。 |
False |
表 3–2 では、管理サービスをWindows サービスとして起動するためのオプションを説明しています。-i、-r、および -s オプションは相互に排他的であるため、一度に 1 つだけを使用してください。
Windows では、設定ファイルまたはコマンド行にプロパティー値のパスを指定する際に、スペースを含むファイルパスを二重引用符 ( ") で囲んでエスケープします。コロン(:) ドライブセパレータと円記号 (\) ディレクトリセパレータは、二重引用符と円記号を用いて "\: および "\\ のようにエスケープします。
表 3–2 管理エージェントサービスオプション (Windows のみ)
オプション |
説明 |
デフォルト |
---|---|---|
--install-i |
エージェントを Windows サービスとしてインストールして、サービスを開始します。-i、-r、および -s オプションから、1 つだけを使用します。 |
False |
--name servicename-n |
ホスト上で複数のエージェントを実行している場合に、サービスに対して指定した名前を使用します。 |
HADBMgmtAgent |
--remove-r |
サービスを停止し、Windows のサービスマネージャーからエージェントを削除します。-i、-r、および -s オプションから、1 つだけを使用します。 |
False |
--service-s |
エージェントを Windows サービスとして実行します。-i、-r、および -s オプションから、1 つだけを使用します。 |
False |
HADB には設定ファイルが組み込まれており、管理エージェント設定のカスタマイズに使用できます。設定ファイルを指定せずに管理エージェントを起動した場合は、デフォルト値が使用されます。設定ファイルを指定した場合、管理エージェントはそのファイルの設定を使用します。同じ設定ファイルをドメイン内のすべてのホストで繰り返し使用することができます。
Java Enterprise System では、設定ファイル内のすべてのエントリがコメントにされています。デフォルトの設定を使用する場合、変更の必要はありません。管理エージェント設定をカスタマイズするには、ファイルからコメントを削除し、必要に応じて値を変更してから、設定ファイルを引数に指定して、管理エージェントを起動します。
管理エージェント設定ファイルは次の場所にインストールされます。
Solaris および Linux: /etc/opt/SUNWhadb/mgt.cfg。
Windows: install_dir \lib\mgt.cfg。
スタンドアロンインストールプログラムでは、管理エージェント設定ファイルは次の場所にインストールされます。
Solaris および Linux: HADB_install_dir /bin/ma.cfg。
Windows: HADB_install_dir \bin\ma.cfg。
次の表で、設定ファイルの設定値について説明します。
表 3–3 設定ファイルの設定値
設定値名 |
説明 |
デフォルト |
---|---|---|
console.loglevel |
コンソールログレベル。有効な値は、SEVERE、ERROR、WARNING、INFO、FINE、FINER、FINEST。 |
WARNING |
logfile.loglevel |
ログファイルのログレベル。有効な値は、SEVERE、ERROR、WARNING、INFO、FINE、FINER、FINEST。 |
INFO |
logfile.name |
ログファイルの名前と場所。読み込み/書き込みアクセスに対して有効なパスである必要があります。 |
Solaris および Linux:/var/opt/SUNWhadb/ma/ma.log Windows: HADB_install_dir\ma.log |
ma.server.type |
クライアントプロトコル。JMXMP のみサポートされています。 |
jmxp |
ma.server. jmxmp.port |
内部 (UDP) および外部 (TCP) 通信用のポート番号。正の整数である必要があります。推奨される範囲は 1024 〜 49151 です。 |
1862 |
ma.server. mainternal.interfaces |
複数のインタフェースを持つマシンの内部通信用のインタフェース。有効な IPv4 アドレスマスクである必要があります。ドメイン内のすべての管理エージェントが必ず同じサブネットを使用する必要があります。 たとえば、ホストに 10.10.116.61 と 10.10.124.61 の 2 つのインタフェースがある場合、最初のインタフェースを使用するには 10.10.116.0/24 を指定します。スラッシュの後の数字は、サブネットマスクのビット数を示します。 |
なし |
ma.server. dbdevicepath |
HADB デバイス情報を格納するパス。 |
Solaris および Linux: /var/opt/SUNWhadb/4 Windows: HADB_install_dir \device |
ma.server. dbhistorypath |
HADB 履歴ファイルを格納するパス。 |
Solaris および Linux: /var/opt/SUNWhadb Windows: REPLACEDIR (実行時に実際の URL に置換される) |
ma.server. dbconfigpath |
ノード設定データを格納するパス。 |
Solaris および Linux: /var/opt/SUNWhadb/dbdef Windows: C:\Sun\SUNWhadb\dbdef |
repository.dr.path |
ドメインリポジトリファイルのパス。 |
Solaris および Linux: /var/opt/SUNWhadb/repository Windows: C:\Sun\SUNWhadb\repository |