Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 高可用性 (HA) 管理ガイド

RMI-IIOP 負荷分散とフェイルオーバー

RMI-IIOP 負荷分散では、IIOP クライアント要求が別のサーバーインスタンスまたはネームサーバーに分散されます。目標は、負荷をクラスタ間に均等に拡散して、スケーラビリティーを実現することです。また、IIOP 負荷分散を EJB のクラスタリングおよび可用性と結合すれば、EJB フェイルオーバーも実現されます。

クライアントがオブジェクトに対して JNDI 検索を実行すると、ネームサービスは、原則的に要求を特定のサーバーインスタンスにバインドします。それ以降、そのクライアントからの検索要求はすべて、同じサーバーインスタンスに送信されます。こうして、すべての EJBHome オブジェクトは、同じターゲットサーバーにホストされます。また、それ以降に取得された Bean 参照もすべて、同じターゲットホスト上に作成されます。JNDI 検索の実行時に、すべてのクライアントがターゲットサーバーのリストをランダムに選択するため、これにより負荷分散が効果的に実現されます。ターゲットサーバーインスタンスが停止すると、検索または EJB メソッド呼び出しは、別のサーバーインスタンスに処理が引き継がれます。

RMI-IIOP 負荷分散とフェイルオーバーは、透過的に発生します。アプリケーションの配備中に、特別な手順は必要ありません。ただし、クラスタに新しいインスタンスを追加したり削除したりしても、そのクラスタに関する既存のクライアントの表示は更新されません。それには、クライアントで、端点の一覧を手動で更新する必要があります。

RMI-IIOP 負荷分散およびフェールオーバーの詳細については、第 11 章「RMI-IIOP 負荷分散とフェイルオーバー」を参照してください。