この章では、Sun Java System Web Proxy Server のクラスタ化の概念、およびクラスタを使用してサーバー間で設定を共有する方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
クラスタとは、1 つの管理サーバーから管理することができる、複数の Sun Java System Web Proxy Server で構成されたグループのことです。各クラスタには、マスター管理サーバーとして指定された 1 つのサーバーを組み込む必要があります。
サーバーをクラスタに構成すると、次のことを実行できます。
すべての Proxy Server を集中して管理する
1 つ、または複数の設定ファイルをサーバー間で共有する
1 つのマスター管理サーバーから、すべてのサーバーの起動または停止を行う
特定のサーバーのアクセスログやエラーログを表示する
次に、Proxy Server のグループで複数のクラスタを構成する際のガイドラインを示します。
クラスタの作成に先立って、特定のクラスタに組み込むサーバーをすべてインストールしておく必要があります。
クラスタ内のすべてのサーバーは、同じ種類 (UNIX または Windows) である必要があります。クラスタは、同じプラットフォームのものである必要があります。
クラスタ内のすべてのサーバーは、Proxy Server バージョン 4 である必要があります。クラスタへの追加をサポートしているのは Proxy Server バージョン 4 だけです。
すべての管理サーバーは、同じプロトコル (HTTP または HTTPS) を使用する必要があります。1 つのクラスタ内の 1 つの管理サーバーのプロトコルを変更する場合は、すべての残りの管理サーバーのプロトコルも同様に変更する必要があります。詳細については、「サーバー情報の変更」を参照してください。
すべてのクラスタに固有の管理サーバーは、マスター管理サーバーと同じユーザー名とパスワードを持っている必要があります。分散管理の機能を使用して、各管理サーバーに複数の管理者を設定できます。
1 つのクラスタに固有の管理サーバーをマスター管理サーバーとして指定する必要があります。どのサーバーを選択してもかまいません。
マスター管理サーバーは、クラスタ固有の各管理サーバーにアクセスできる必要があります。マスター管理サーバーは、すべてのインストールされている Sun Java System Web Proxy Server に関する情報を取得します。
次に、Proxy Server クラスタを設定するための一般的な手順を示します。
クラスタに組み込む Proxy Server をインストールします。
各クラスタの管理サーバーで、マスター管理サーバーが認証に使用できるユーザー名とパスワードを持っていることを確認します。これを行うには、デフォルトのユーザー名とパスワードを使用するか、または分散管理を設定します。
マスター管理サーバーに使用する Proxy Server をインストールします。ユーザー名とパスワードが、手順 1 で設定したものと一致していることを確認します。
サーバーをクラスタリストに追加します。
詳細については、「クラスタへのサーバーの追加」を参照してください。
リモートサーバーの管理は、「Control Cluster」ページからサーバーマネージャーのインタフェースにアクセスするか、または、同じクラスタ内のサーバーの設定ファイルを別のサーバーにコピーして行います。
クラスタに Proxy Server を追加する際は、管理サーバーとポート番号を指定します。追加する管理サーバーが複数のサーバー情報を持っている場合、すべてのサーバーが、そのクラスタに追加されます。後から個々のサーバーを削除できます。
リモート管理サーバーがクラスタの情報を持っている場合、このリモートクラスタの中のサーバーは追加されません。マスター管理サーバーに追加するサーバーは、リモートコンピュータに物理的にインストールされているサーバーだけです。
マスター管理サーバーが起動していることを確認します。
マスター管理サーバーにアクセスして、「Cluster」タブをクリックします。
「Add Server」リンクをクリックします。
リモート管理サーバーが使用するプロトコルを選択します。
通常の管理サーバーの場合は HTTP
セキュリティー保護された管理サーバーの場合は HTTPS
magnus.conf ファイルに表示されているように、リモート管理サーバーの完全修飾ホスト名を入力します (たとえば、plaza.example.com)。
リモート管理サーバーのポート番号を入力します。
リモート管理サーバーの管理者のユーザー名とパスワードを入力し、「了解」をクリックします。
マスター管理サーバーは、リモートサーバーへの通信を試みます。成功すると、クラスタにサーバーを追加することを確認するプロンプトが表示されます。
クラスタ制御を有効にすると、クラスタのマスターがクラスタ内のスレーブごとに、proxy-serverid /config/cluster/server-name/proxy- serverid ディレクトリ内に多数のファイルを作成します。これらのファイルが作成される場所は変更できません。
管理サーバーの「Cluster」タブにある「Modify Server」オプションは、スレーブサーバー上で、スレーブ管理ポート情報が変更されたあと、その情報を更新するときだけに使用します。クラスタ内のリモート管理サーバーのポート番号を変更したときは、そのクラスタに格納されている管理サーバーの情報も変更する必要があります。スレーブ管理サーバーに対するその他の変更の場合は、いったんそのサーバーを削除し、変更が終わったら、元のようにクラスタに追加する必要があります。
マスター管理サーバーにアクセスして、「Cluster」タブをクリックします。
「Modify Server」リンクをクリックします。一意のサーバー識別子で識別された、サーバーが表示されます。
変更するサーバーを選択し、変更を行ってから、「了解」をクリックします。
マスター管理サーバーにアクセスして、「Cluster」タブをクリックします。
「Remove Server」リンクをクリックします。
クラスタから削除するリモートサーバーを選択し、「了解」をクリックします。
削除したサーバーは、クラスタからアクセスできなくなります。アクセスできるのは、そのサーバーの管理サーバーだけです。
Proxy Server を使用すると、次のことを行うことによって、クラスタ内のリモートサーバーを制御することができます。
サーバーの起動または停止
アクセスログやエラーログの表示
設定ファイルの転送。マスター管理サーバーに Proxy Server のインスタンスが複数ある場合、ファイルは、それらの任意のサーバーから、クラスタに追加された任意のスレーブに転送できます。クラスタは、同じプラットフォームのものである必要があります。クラスタ内のすべてのサーバーは、同じ種類 (UNIX または Windows) である必要があります。設定ファイルを異なるプラットフォームから転送すると、サーバーがハングアップしたり、クラッシュしたりする可能性があります。次の設定ファイルがあります。
server.xml
magnus.conf
obj.conf
mime.types
socks5.conf
bu.conf
icp.conf
parray.pat
parent.pat
マスター管理サーバーにアクセスして、「Cluster」タブをクリックします。
「Control Cluster」リンクをクリックします。
制御するサーバーを選択し、必要な選択を行います。
「Reset」ボタンをクリックすると、いつでも内容が変更前の値にリセットされます。
ドロップダウンリストから「Start」、「Stop」、または「Restart」を選択し、「Go」をクリックします。操作を確認するプロンプトが表示されます。
ドロップダウンリストから、「View Access」または「View Error」を選択し、ログファイル内で表示する最終行の番号を入力します。「Go」をクリックし、情報を表示します。表示される「Cluster Execution Report」で「View」ボタンをクリックします。
設定ファイルを転送するには、次のことを行います。
転送する設定ファイルを選択します
ファイルのあるサーバーを選択します
「Go」をクリックして、情報を転送します