Java ES インストーラでは、依存性と互換性に関するいくつかのチェックが実行されます。ただし、インストーラでチェックできるのはローカルコンピュータのみです。たとえば、分散ソリューションで Access Manager をインストールする場合、インストーラでは、インストールする Access Manager との互換性がリモート Directory Server にあるかどうかのチェックを行うことはできません。
同じ Java ES リリースのすべてのコンポーネントを含む完全に新規のソリューションをインストールし設定する場合、互換性が問題になることは考えられません。確立済みのソリューションに新しいコンポーネントを追加している場合や、既存のコンポーネントの周囲に Java ES ソリューションを構築している場合、そのことが問題となる可能性があります。たとえば、すでに Directory Server を使用しており、Access Manager と Portal Server を使用するソリューションを既存の Directory Server の周囲に構築している場合、コンポーネント間の互換性が問題となります。新しいコンポーネントのインストールと設定を開始する前に、コンポーネントの互換性を確認する必要があります。
コンポーネントの依存性チェック。Java ES インストーラは、ローカルホスト上でのみ、インストールするように選択したほかのコンポーネントに必要なコンポーネントを除外しないようにします。分散ソリューションでは、インストーラは、リモートコンポーネントの存在を検証するためのリモートホストのチェックは行いません。この場合、リモートコンポーネントに互換性があり、適切な稼働状態にあることを確認する必要があります。
アップグレード。Java ES インストーラは、インストールされている Application Server、Message Queue、HADB、および Java DB と、インストールするコンポーネントとの互換性をチェックし、インストール時にコンポーネントをアップグレードするかどうかをユーザーに問い合わせます。
Java ES インストーラは、共有コンポーネントのアップグレードを行います。このトピックの詳細については、『Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (UNIX 版)』の「既存ホストの調査」を参照してください。