Java ES Release 5 には、製品コンポーネントをアップグレードする新しい機能が実装されており、Application Server、Message Queue、HADB、および Java DB に限って有効です。Java ES インストーラは以前にインストールされたこれらの製品コンポーネントのリリースバージョンを検出し、それらがアップグレード可能であることを「コンポーネントの選択」ページに示します。これら 4 つの製品コンポーネントから選択すると、インストーラは新規インストールに使用するのと同種の論理を使用して、それらのコンポーネントをアップグレードします。
詳しく説明すると、選択した製品コンポーネントをアップグレードする前に、インストーラは現行バージョンと以前のバージョンの共有コンポーネントがあるかどうかを確認します。インストーラが選択したコンポーネントに必要な共有コンポーネントが古いバージョンであるか存在しないことを検出すると、インストーラは現在インストールされているすべての共有コンポーネントをアップグレードし、選択したコンポーネントに必要で存在していない共有コンポーネントをすべてインストールします。この動作は「すべての共有コンポーネント」で説明する要件を満たすものであり、非ゾーンオペレーティングシステム、大域ゾーン、およびすべての非大域ゾーンに適用されます。
しかし、この動作には次の 3 つの例外があります。
疎ルートゾーンでは、一部の共有コンポーネントをインストールまたはアップグレードできないため、それらの共有コンポーネントを大域ゾーンでインストールまたはアップグレードするまでアップグレード操作は停止します (詳細は、「共有コンポーネントと疎ルートゾーン」を参照)。インストーラは次のようなメッセージを表示します。「選択したコンポーネントに必要となる次の共有コンポーネントは、疎ルートゾーンではインストールまたはアップグレードできません。それらの共有コンポーネントを大域ゾーンでインストールまたはアップグレードしてから、続行してください。「すべての共有コンポーネント」オプションを使用してください。」(詳細は、「すべての共有コンポーネント」を参照)。
Application Server と Message Queue はともに Solaris オペレーティングシステムにバンドルされています。これらのいずれのバージョンも、疎ルートゾーンでは直接アップグレードできません。これらのバンドルされている 2 つのコンポーネントの詳細については、「製品コンポーネントの特殊ケース」を参照してください。
大域ゾーンでは、非大域ゾーンが存在する場合、現在インストールされているすべての共有コンポーネントのアップグレードと、インストールを選択したコンポーネントに必要で存在していない共有コンポーネントのインストールは行われず、その時点でインストールを選択したコンポーネントに必要かどうかにかかわらず、インストーラがすべての Java ES 共有コンポーネントを同期します。こうすることで、すべての共有コンポーネントは非大域ゾーンに伝播されるので、非大域ゾーンでバージョンの異なる共有コンポーネントが混在することはありません。
非大域ゾーンの製品コンポーネントのインストールやアップグレードを妨げる、数多くの特殊なケースや例外があります。このようなケースについては、「特殊なケースまたは例外」で説明しています。