Sun Java System Portal Server 7.1 配備計画ガイド

アイデンティティー管理

Portal Server は、アイデンティティー管理を使用して、コンテンツ、アプリケーション、およびサービスにアクセスする際、組織全体で、時には組織外でさまざまなロールを持つ数多くのユーザーを管理します。課題としては、だれがアプリケーションを使用するのか、ユーザーはどんな能力範囲で組織または企業に労働力を提供するのか、ユーザーの使命は何か、ユーザーは何にアクセスする権限をもつべきか、ほかの人は管理作業をどのように支援できるか、などの点が挙げられます。

表 1–1 に、アイデンティティー管理機能とその利点を示します。

表 1–1 アイデンティティー管理機能と利点

機能 

説明 

利点 

ディレクトリサービス

Portal Server は Access Manager と Directory Server を使用します。 

Portal Server は、認証、シングルサインオン (SSO)、管理の委任、およびパーソナライズの目的で、LDAP ディレクトリを使用し、ユーザープロファイル、ロール、および識別情報を保存します。 

ユーザー、ポリシー、およびプロビジョニング管理

Access Manager により、コンテンツ、アプリケーション、およびサービスにアクセスする間、組織全体で、時には組織外でさまざまなロールを持つ数多くのユーザーを管理できます。 

識別情報の保存と管理を中央集中型で行います。ポリシーソリューションと統合してアクセス権を制御します。共通アイデンティティーを拡張して新規アプリケーションを処理し、アプリケーションで管理作業を共有できるようにします。また、普通ならこれらのサービスを構築することに関連付けられるタスクを簡素化します。 

ユーザーとアプリケーションの管理を統合します。コンテンツとサービスの配信をパーソナライズします。情報とサービスへのアクセスを簡素化し、無駄を省きます。アクセスおよび配信の管理に関係するコストを削減します。 

アプリケーションへのアクセスをポリシーベースで行い、セキュリティーで保護します。ポータル配備が社員の LAN アクセス範囲を超えて拡張される場合でも、アクセスを確実にセキュリティー保護します。 

シングルサインオン (SSO)

Access Manager は、SSO API によってユーザー認証とシングルサインオンを統合します。一度認証されたユーザーは、SSO API が継承します。認証されたユーザーが保護されたページへアクセスしようとすると、毎回 SSO API は、認証資格に基づいてユーザーが適切なアクセス権を持っているかどうかを判断します。ユーザーが有効であれば、追加認証なしでページへのアクセスが許可されます。無効であれば、ユーザーは再認証するように求められます。 

社員、パートナー、および顧客による、コンテンツ、アプリケーション、およびサービスへのアクセスを有効にしながら、認証とシングルサインオンを管理する一貫した中央集中型メカニズムを提供することによって、ユーザーの生産性を向上させます。 

管理の委任

Portal Server 管理コンソールは、ロールベースの管理の委任の機能を異なる種類の管理者に割り当て、指定されたアクセス権に基づいて組織、ユーザー、ポリシー、ロール、チャネル、およびポータルデスクトッププロバイダを管理します。 

IT がポータル管理の任務を委任して、貴重な IT リソースと管理を解放できるようにします。 

セキュリティー 

ポータルでの集約アプリケーションのシングルサインオンを可能にします。 

セキュリティーによってポータル内のさまざまな必要を満たすことができます。たとえば、ポータルへの認証、ポータルとエンドユーザー間の通信の暗号化、アクセス権を持つユーザーに限定したコンテンツとアプリケーションの承認などがあります。