Sun Java System Portal Server 7.1 配備計画ガイド

パフォーマンス要因

ポータルのパフォーマンスに影響する、リリースに依存しない、いくつかの重要かつ一般的な要素です。これらの要素は、すべての配備において、すべての顧客およびポータル設計者が考慮すべき最も重要な要素です。

到着率

到着率は、一定期間にポータルユーザー (従業員および顧客) がログインする割合として定義されています。到着率のピークが極端に高いと、1 日のほかの時間の CPU 使用率が非常に低い場合でも、Portal Server が CPU 依存になることがあります。たとえば、早朝に、企業の従業員または顧客、あるいはその両方がポータルに接続し、1 日の残りの時間は、セッションタイムアウトによってログアウトしているか、または終業時に手動でログアウトしているため、ほとんどアイドル状態であるとします。企業対従業員向けのポータルやユーザーベースの局所性が高い外部向けポータルの場合、これはもっとも一般的なシナリオです。ユーザーが、朝にログイン、または終業時にログアウトし、ポータルサーバーと何らかの通信を行う割合によって、ポータルサーバーが必要とするスループットが決まります。スループットテストにより、この要件の信頼性の高い結論を得ることができます。

ユーザーアクティビティー

ユーザーアクティビティーは、ポータルユーザーとポータルサーバーとの間のやり取りとして定義されています。特定のチャネルまたは情報に到達するために、ユーザーが経由する必要があるタブ、リンク、サイトの数によって決まります。

また、ユーザーアクティビティーは、ポータル設計者がユーザーに提供するチャネルのタイプにも左右されます。たとえば、通信チャネル (Portal Server ソフトウェアに付属のデフォルトのメールチャネルおよびカレンダーチャネル) が、ユーザーのポータルデスクトップに置かれている場合、ユーザーは、定期的にコンテンツの更新を要求する傾向があります。このような、通信チャネルまたはバックエンドシステムへの接続を持つ Portal サイトでは、再読み込み間隔が非常に短くなります。デスクトップを再読み込みすることの影響は、この動作が CPU サイクルを消費し、jvm ヒープのガベージを生成することです。ポータルはキャッシュ機能に優れているため、再読み込みを促すサイトは、CPU に負荷がかかる前に、メモリー依存になる場合があります。この問題を軽減するために、並行ガベージコレクタ用の JMV オプションを使用することをお勧めします。

デスクトップチャネルのタイプ

ポータルデスクトップの設定は、ポータルサーバーのパフォーマンスに影響します。ポータルデスクトップを設計するときは、デスクトップの設計プロセスを進める出発点として、ベースラインデータを参照する必要があります。機能の豊富なデスクトップは、ユーザーを引き寄せるには適していますが、包括的なユーザーエクスペリエンスのために、ポータルの応答時間も考慮する必要があります。デスクトップのパフォーマンスは、一定の範囲内に維持しておく必要があります。デスクトップで使用されるチャネルのタイプは、パフォーマンスに大きく影響します。安価と見なされるチャネルと高価であると分類されるチャネルがあります。安価なチャネルは、追加してもパフォーマンスに影響を与えないチャネルです。一方、高価なチャネルを追加すると、ある程度のパフォーマンスの低下が発生します。一般的に、高価なチャネルは、バックエンドサービスを必要とするチャネルか、または、計算量が多いチャネルです。通常、これらのチャネルには、接続プールメカニズムを使用することをお勧めします。デスクトップに URL スクレイパーチャネルを追加しても、スループットにはほとんど影響しません。