このマニュアルでは、Sun JavaTM Enterprise System 5 (Java ES) の新しい監視機能について説明します。監視は Sun Java System Monitoring Framework 2.0 および Sun Java System Monitoring Console 1.0 によって実装されます。
このガイドで説明する手順では、インストールした各コンポーネントに対して Monitoring Framework を設定および有効化する方法と、すべての監視対象データを Monitoring Console で表示する方法を示します。このガイドでは、フレームワークに含まれない個別コンポーネントのログファイルやその他の監視機構については説明しません。
このガイドは、次の対象読者向けに記述されています。
Java ES 配備の保守計画を設計する必要があるソフトウェアアーキテクト。
Java ES のインストールおよび設定を実行するシステム管理者。
Java ES 配備を監視および保守するシステム管理者および技術者。
次の節で説明する Java ES マニュアルセットのドキュメントの内容を理解しておくことをお勧めします。また、監視する Java ES コンポーネントの設計および機能についても理解しておくことをお勧めします。
さらに、監視コンポーネントをインストールおよび設定する場合は、まず、その他すべてのコンポーネントのインストールを完了する必要があります。インストールまたは設定を実行する前に、『Sun Java Enterprise System 5 リリースノート (UNIX 版)』を参照することをお勧めします。
Java ES ドキュメントセットには、配備計画およびシステムインストールに関する情報が記載されています。システムマニュアルの URL は http://docs.sun.com/coll/1286.2 です。Java ES の概要を理解するため、次の表に紹介されているマニュアルを、記載されている順番に参照してください。
表 P–1 Java Enterprise System のマニュアル
マニュアルタイトル |
内容 |
---|---|
既知の問題など、Java ES に関する最新の情報が記載されています。さらに、各コンポーネントのリリースノートが Release Notes Collection (http://docs.sun.com/coll/1315.2) にリストされています。 |
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Java ES の技術的および概念的な基礎について説明します。コンポーネント、アーキテクチャー、プロセス、および機能について説明しています。 |
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Java ES に基づく企業配備ソリューションの計画および設計に関する情報を提供します。配備の計画および設計に関する基本的概念と原則を示し、ソリューションのライフサイクルについて説明し、Java ES に基づくソリューションを計画する際に使用する高度な例と戦略を提供します。 |
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Java ES の配備に関し、ハードウェア、オペレーティングシステム、およびネットワーク面の実装仕様の開発に役立つ情報を提供します。インストールおよび設定計画を遂行する上で注意すべきコンポーネントの依存関係などの問題について説明します。 |
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Java ES のインストールプロセスを段階的に説明します。また、インストール後にコンポーネントを設定する方法、および設定したコンポーネントが正常に機能するかどうかを確認する方法についても説明します。 |
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設定パラメータについての補足情報と、設定の計画時に使用するワークシートを提供します。また、Solaris オペレーティングシステムまたは Linux オペレーティング環境でのデフォルトディレクトリやポート番号などの参照情報を示します。 |
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『Sun Java Enterprise System 5 アップグレードガイド (UNIX 版)』 『Sun Java Enterprise System 5 Upgrade Guide for Microsoft Windows 』 |
以前にインストールしたバージョンから Java ES 5 にアップグレードする手順を示します。 |
各製品コンポーネントに対して Monitoring Framework を設定する手順と、Monitoring Console を使用してリアルタイムデータを参照したり、監視ルールを作成したりする方法を示します。 |
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次の表は、監視機能を実装する Java ES コンポーネントのデフォルトのパスおよびファイル名についての説明です。
表 P–2 デフォルトのパスとファイル名
プレースホルダ |
説明 |
デフォルト値 |
---|---|---|
mfwk-base |
Monitoring Framework の共有コンポーネントが自動的にインストールされるディレクトリを表します。このパスは、設定ディレクトリの一部としても使用されます。 |
Solaris システム: /opt/SUNWmfwk Linux システム: /opt/sun/mfwk |
MConsole-base |
Monitoring Console に対して選択されたインストールディレクトリを表します。 |
Solaris システム: /opt/SUNWjesmc Linux システム: /opt/sun/jesmc |
WebConsole-base |
Web コンソールの共有コンポーネントが自動的にインストールされるディレクトリを表します。 |
Solaris システム: /etc/webconsole/console Linux システム: /etc/opt/webconsole/console |
AccessMgr-base |
Sun Java System Access Manager に対して選択されたインストールディレクトリを表します。 |
Solaris システム: /opt/SUNWam Linux システム: /opt/sun/identity |
AppServer-base |
Sun Java System Application Server に対して選択されたインストールディレクトリを表します。 |
Solaris システム: /opt/SUNWappserver/appserver Linux システム: /opt/sun/appserver |
CalServ-base |
Sun Java System Calendar Server に対して選択されたインストールディレクトリを表します。 |
Solaris システム: /opt/SUNWics5 Linux システム: /opt/sun/calendar |
DirServ-base |
Sun Java System Directory Server に対して選択されたインストールディレクトリを表します。 |
Solaris システム: /opt/SUNWdsee/ds6 Linux システム: /opt/sun/ds6 |
IM-base |
Sun Java System Instant Messaging に対して選択されたインストールディレクトリを表します。 |
Solaris システム: /opt/SUNWiim Linux システム: /opt/sun/im |
MsgServ-base |
Sun Java System Messaging Server に対して選択されたインストールディレクトリを表します。 |
Solaris システム: /opt/SUNWmsgsr Linux システム: /opt/sun/messaging |
Portal-base |
Sun Java System Portal Server に対して選択されたインストールディレクトリを表します。 |
Solaris システム: /opt/SUNWportal Linux システム: /opt/sun/portal |
WebServer-base |
Sun Java System Web Server に対して選択されたインストールディレクトリを表します。 |
Solaris システム: /opt/SUNWwbsvr7 Linux システム: /opt/sun/webserver |
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P–3 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
|
---|---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 machine_name% you have mail. |
|
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
machine_name% su Password: |
|
aabbcc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
|
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャー・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
|
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
|
\ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
|
コード例は次のように表示されます。
C シェル
machine_name% command y|n [filename] |
C シェルのスーパーユーザー
machine_name# command y|n [filename] |
Bourne シェルおよび Korn シェル
$ command y|n [filename] |
Bourne シェルおよび Korn シェルのスーパーユーザー
# command y|n [filename] |
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
次の表は、デフォルトのシステムプロンプトとスーパーユーザープロンプトを示しています。
表 P–4 シェルプロンプト
シェル |
プロンプト |
---|---|
UNIX および Linux システムの C シェル |
machine_name% |
UNIX および Linux システムの C シェルのスーパーユーザー |
machine_name# |
UNIX および Linux システムの Bourne シェルおよび Korn シェル |
$ |
UNIX および Linux システムの Bourne シェルおよび Korn シェルのスーパーユーザー |
# |
Microsoft Windows のコマンド行 |
C:\ |
次の表は、この用語集で使用される記号の一覧です。
表 P–5 記号の規則
記号 |
説明 |
例 |
意味 |
---|---|---|---|
[ ] |
省略可能な引数やコマンドオプションが含まれます。 |
ls [-l] |
-l オプションは必須ではありません。 |
{ | } |
必須のコマンドオプションの選択肢を囲みます。 |
-d {y|n} |
-d オプションには y 引数か n 引数のいずれかを使用する必要があります。 |
${ } |
変数参照を示します。 |
${com.sun.javaRoot} |
com.sun.javaRoot 変数の値を参照します。 |
- |
同時に押すキーを示します。 |
Control-A |
Control キーを押しながら A キーを押します。 |
+ |
順番に押すキーを示します。 |
Ctrl+A+N |
Control キーを押してから放し、それに続くキーを押します。 |
-> |
グラフィカルユーザーインタフェースでのメニュー項目の選択順序を示します。 |
「ファイル」->「新規」->「テンプレート」 |
「ファイル」メニューから「新規」を選択します。「新規」サブメニューから「テンプレート」を選択します。 |
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内容 |
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