Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 アップグレードと移行

移行が必要な理由

J2EE 仕様はアプリケーションの要件を広く網羅してはいますが、現在も進化の途上にある標準です。アプリケーションの一部が含まれていなかったり、実装の詳細がアプリケーションプロバイダの裁量に委ねられている部分もあります。

これによって、アプリケーションサーバーの実装に違いが生じたり、アプリケーションサーバー上の J2EE コンポーネントの配備方法にも違いが生じています。特定のアプリケーションサーバー製品で使用可能な一連の設定および配備ツールによっても、製品の実装方法の違いが発生します。

仕様そのものが絶え間なく進化するため、アプリケーションプロバイダーは困難に直面します。また、それぞれのコンポーネント API も進化の途上にあります。このため、製品によって準拠の度合いにばらつきが発生しています。特に、Application Server などの新しい製品では、他の確立されたアプリケーションサーバープラットフォーム上に配備された J2EE アプリケーションコンポーネント、モジュール、およびファイル間の相違点に取り組む必要があります。こうした相違点に対応するには、以前の J2EE 標準の実装詳細 (ファイル命名規則やメッセージ構文) 間のマッピングが必要になります。

さらに、製品プロバイダは通常、追加の機能やサービスを製品とバンドルします。これらの機能は、カスタム JSP タグまたは独自の Java API ライブラリとして提供されます。残念ながら、これらの独自機能を搭載すると、アプリケーションの移植性は失われてしまします。