Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 パフォーマンスチューニングガイド

容量計画

これまでの説明では、配備アーキテクチャーの定義に向けた指針を示しました。ただし、配備の実際のサイズは、「容量計画」と呼ばれるプロセスによって決定します。容量計画では、次のことを予測します。

これらの値を予測するには、現実的なデータセットおよび作業負荷を用意したアプリケーションを使用して、入念なパフォーマンスベンチマーク測定を行います。

Procedure容量を決定する

  1. 1 個の CPU 上でのパフォーマンスを特定する。

    まず、1 個のプロセッサで持続できる最大の負荷を特定します。この数値は、シングルプロセッサマシン上でアプリケーションのパフォーマンスを測定することによって入手できます。類似の処理特性を持つ既存のアプリケーションのパフォーマンス数値を利用するか、より理想的な方法として、テスト環境で実際のアプリケーションおよび作業負荷を使用します。この測定で使用するアプリケーション層およびデータソース層の構成は、最終的な配備と完全に一致するようにしてください。

  2. 垂直方向のスケーラビリティーを特定する。

    プロセッサを追加したときにパフォーマンスがどの程度上昇するかを特定します。これは、特定の作業負荷がかかったときにサーバー上で発生する共有リソース競合の量を間接的に測定することになります。この情報は、マルチプロセッサシステム上でのアプリケーションの追加負荷テストに基づいて入手するか、あるいは、すでに負荷テストが完了している類似のアプリケーションから入手した既存の情報を利用します。

    一般的には、1〜8 個の CPU 構成で一連のパフォーマンステストを段階的に実行することにより、システムの垂直方向スケーラビリティー特性の感覚が得られます。結果を歪曲することがないように、必ず、アプリケーション、Application Server、バックエンドのデータベースリソース、およびオペレーティングシステムを適切に調整してください。

  3. 水平方向のスケーラビリティーを特定する。

    十分に強力なハードウェアリソースを利用できる場合、単一のハードウェアノードでパフォーマンス要件を満たせる場合があります。それでも、2 台以上のシステムをクラスタ化することで、さらなる可用性の向上を実現できます。外部のロードバランサおよび作業負荷シミュレーションを利用して、ステップ (2) で特定したように、十分に調整された 1 つのアプリケーションサーバーノードをレプリケートすることによって得られるパフォーマンス向上を特定します。