アプリケーションのエンドユーザーは一般に、パフォーマンスに関して何らかの期待を抱いています。多くの場合、そのような期待は数値的に定量化できます。顧客のニーズが満たされることを保証するために、これらの期待を明確に理解し、容量計画に反映する必要があります。
パフォーマンスに関する期待について、次の事項を検討します。
アプリケーションとの各種の対話処理で、ユーザーが期待する平均応答時間はどの程度か。もっとも頻繁に行われる対話処理は何か。時間的要求がきわめて厳しい対話処理が存在するか。1 回の対話処理の長さは思考時間を含めてどの程度か。多くのケースで、精度の高い予測を得るためには、観察に基づいたユーザー調査の実施が必要です。
通常状態時およびピーク時のユーザー負荷はどの程度と予測されるか。一日、一週間、または一年のうち、負荷のピークが観測または予測される特定の時間帯または時期が存在するか、オンラインビジネスでは数百万の登録ユーザーが存在する場合もありますが、ある特定の時点で実際にログインしてビジネストランザクションを実行しているのはそのうちのごく一部です。容量計画の間の一般的な誤りの 1 つは、同時ユーザー数の平均値およびピーク値ではなく、顧客基盤の全体サイズを基準として使用することです。時間の経過とともに、同時ユーザー数に何らかのパターンが現れる場合もあります。
1 回の要求で転送される平均およびピークのデータ容量はどの程度か。この値はアプリケーション固有でもあります。コンテンツサイズの適切な予測とその他の使用状況パターンを組み合わせることで、ネットワーク容量のニーズを予測しやすくなります。
今後 1 年間で予測されるユーザー負荷の増加はどの程度か。将来を十分に見据えた計画を立てることにより、危機的な状況や、アップグレードのためのシステム停止期間を避けやすくなります。