Sun Java System Application Server Enterprise Edition 8.2 パフォーマンスチューニングガイド

接続プール

接続キュー情報は、キュー内のセッション数や接続が受け付けられるまでの平均遅延時間などを示します。

システムに余分な CPU サイクルが存在する場合には、接続プール設定を段階的に増やしていき、増やすたびにパフォーマンスを監視します。パフォーマンスが飽和したら (改善しなくなったら)、設定を増やすのをやめます。

パフォーマンスに影響を与える接続プール設定は、次のとおりです。

最大保留カウント

最大保留カウントは、待機ソケット上で保留状態になっている接続の最大数を指定します。最大保留カウントを調整するのは、システムの負荷が非常に高い場合だけにしてください。低負荷から中程度の負荷の場合、デフォルトで問題ありません。

システムの動作を監視したあと、その結果に基づいて値を変更してください。そうでないと、サーバーは接続をドロップし始めます。バックログキューがいっぱいになった待機ソケット上で接続がタイムアウトすると、その接続は失敗します。最大保留カウントが制限に近づいた場合、高負荷下で接続のドロップが発生しないように、最大接続キューサイズを増やしてください。

キューサイズ

キューサイズは、サーバーが持つことのできる未処理の (まだ処理されていない) 接続の数を指定します。限られた数の要求処理スレッドを持つ、ユーザー数の多い高負荷システムでは、この設定を調整して大きな値にしてください。


注 –

接続キューサイズの設定を大きくしすぎると、サーバーのパフォーマンスが劣化する恐れがあります。その設計目的は、処理できない接続によってサーバーが過負荷状態に陥るのを防ぐことでした。サーバーが過負荷状態に陥っている場合に接続キューサイズを増やしても、要求処理の待ち時間が長くなり、接続キューが再度いっぱいになります。


送信バッファーサイズ

ソケットによって使用される送信バッファーのサイズ (バイト) を指定します。

受信バッファーサイズ

ソケットによって使用される受信バッファーのサイズ (バイト) を指定します。

送信バッファーサイズと受信バッファーサイズは、それぞれ出力バッファー、入力バッファー用として割り当てられるバッファーサイズのことです。これらのパラメータを調整するには、それらの値を規則的に増やし、そのパフォーマンスへの影響を監視します。パフォーマンスが飽和したら (あまり改善されなくなったら)、値を増やすのをやめます。