Sun Java System Calendar Server 管理ガイド |
第 15 章
Calendar Server データのバックアップと復元/var/opt/SUNWics5/csdb ディレクトリに格納されている Calendar Server データのバックアップと復元には、次のコマンド行ユーティリティを使用します。
または、次のような方法もあります。
- csstored.pl はカレンダーデータベースおよびログファイルのアーカイブ処理や「ホット」バックアップを実行する Perl スクリプト。つまり、Calendar Server プロセスの実行中にバックアップを実行する。csstored.pl スクリプトの使用方法については、付録 D 「Calendar Server のコマンド行ユーティリティのリファレンス」の「csstored.pl」を参照
この章で説明する内容は次のとおりです。
Calendar Server データのバックアップcsbackup ユーティリティを使用して、カレンダーデータベース、指定したカレンダー、ユーザーのデフォルトカレンダーをバックアップできます。ここで説明する内容は次のとおりです。
カレンダーデータベースのディレクトリへのバックアップ
カレンダーデータベースをターゲットバックアップディレクトリにバックアップするには、 csbackup ユーティリティの database コマンドを使用します。たとえば、カレンダーデータベースを backupdir というディレクトリにバックアップするときは、次のように実行します。
csbackup -f database backupdir
バックアップディレクトリ内のバージョンファイル ics50caldb.conf は、バックアップしたカレンダーデータベースのバージョン番号を示します。
指定したカレンダーのファイルへのバックアップ
csbackup -c jsmithcal calendar jsmith.xml
カレンダーを iCalendar 形式または XML 形式のファイルにバックアップするときは、csbackup ユーティリティの calendar コマンドを使用します。バックアップファイルの形式は、ファイル名拡張子 (.ics または .xml) によって示されます。
たとえば、jsmithcal というカレンダーを iCalendar 形式 (text/calendar MIME) の jsmith.ics というファイルとして backupdir ディレクトリ内にバックアップするには、次のように実行します。
ccbackup -c jsmithcal calendar backupdir/jsmith.ics
また、jsmithcal というカレンダーを XML 形式 (text/xml MIME) の jsmith.xml というファイルとして backupdir ディレクトリ内にバックアップするには、次のように実行します。
ccbackup -c jsmithcal calendar backupdir/jsmith.xml
ユーザーデフォルトカレンダーのファイルへのバックアップ
ユーザーのデフォルトカレンダーを iCalendar 形式または XML 形式のテキストファイルにバックアップするには、csbackup ユーティリティの defcal コマンドを使用します。ファイルの形式は、出力ファイルに指定する拡張子 (.ics または .xml) によって決定されます。
たとえば、jsmith というユーザーのデフォルトカレンダーを jsmith.ics という iCalendar 形式 (text/calendar MIME) のファイルにバックアップするには、次のように実行します。
csbackup -a jsmith defcal jsmith.ics
また、jsmith のデフォルトカレンダーを jsmith.xml という XML 形式 (text/xml MIME) のファイルにバックアップするには、次のように実行します。
csbackup -a jsmith defcal jsmith.xml
Calendar Server データの復元csrestore を使用して、csbackup で生成したカレンダーデータベース、個々のカレンダー、ユーザーのデフォルトカレンダーを復元できます。csrestore ユーティリティは、Calendar Server がインストールされているローカルマシンで実行し、事前に Calendar Server を停止する必要があります (データベースのバックアップ時は Calendar Server の停止は不要)。
ここで説明する内容は次のとおりです。
カレンダーデータベースの復元
csbackup ユーティリティで作成したバックアップディレクトリからカレンダーデータベースを復元するときは、csrestore ユーティリティの database コマンドを使用します。
たとえば、backupdir というバックアップディレクトリに保存されているカレンダーデータベースを復元するには、次のように実行します。
csrestore database backupdir
バックアップディレクトリからのカレンダーの復元
csbackup ユーティリティで作成したバックアップディレクトリに保存されているデータベースから特定のカレンダーを復元するときは、 -c オプションを指定して csrestore ユーティリティの database コマンドを実行します。
たとえば、backupdir というバックアップデータベースディレクトリから jsmithcal というカレンダーを復元するときは、次のように実行します。
csrestore -c jsmithcal calendar backupdir
バックアップファイルからのカレンダーの復元
csbackup ユーティリティで作成したバックアップファイルから特定のカレンダーを復元するときは、-c オプションを指定して csrestore ユーティリティの calendar コマンドを実行します。保存されているカレンダーファイルの形式は、そのファイルの拡張子 (.ics または .xml) で示されます。
たとえば、iCalendar 形式 (text/calendar MIME) の jsmith.ics というファイルとして backupdir ディレクトリに保存されている jsmithcal というカレンダーを復元するには、次のように実行します。
csrestore -c jsmithcal calendar backupdir/jsmith.ics
また、XML 形式 (text/xml MIME) の jsmith.xml というファイルとして backupdir ディレクトリに保存されている jsmithcal というカレンダーを復元するには、次のように実行します。
csrestore -c jsmithcal calendar backupdir/jsmith.xml
ユーザーのデフォルトカレンダーの復元
csbackup ユーティリティでバックアップファイルに保存したユーザーのデフォルトカレンダーを復元するには、csrestore ユーティリティの defcal コマンドを使用します。保存されているカレンダーファイルの形式は、そのファイルの拡張子 (.ics または .xml) で示されます。
たとえば、iCalendar 形式 (text/calendar MIME) の jsmith.ics というファイルとして backupdir ディレクトリに保存されている、jsmith というユーザーのデフォルトカレンダーを復元するには、次のように実行します。
csrestore -a jsmith defcal backupdir/jsmith.ics
また、XML 形式 (text/xml MIME) の jsmith.xml というファイルとして backupdir ディレクトリに保存されている、jsmith というユーザーのデフォルトカレンダーを復元するには、次のように実行します。
csrestore -a jsmith defcal backupdir/jsmith.xml
Sun StorEdge Enterprise Backup または Legato Networker® の使用Sun StorEdge Enterprise Backup ソフトウェア (従来の Solstice Backup) または Legato Networker を使用して Calendar Server データのバックアップと復元を行うこともできます。Sun StorEdge Enterprise Backup ソフトウェアと Legato Networker は似ているので、ここで紹介する手順はどちらの製品にも適用できます。
ただし、Calendar Server のバックアップを行う前に、Sun StorEdge Enterprise Backup または Legato Networker のマニュアルを参照してください。
Sun StorEdge Enterprise Backup ソフトウェアのマニュアルは、http://docs.sun.com で入手できます。
ここで説明する内容は次のとおりです。
Calendar Server のバックアップと復元に必要なファイル
/opt/SUNWics5/cal/sbin ディレクトリには、Sun StorEdge または Legato バックアップソフトウェアを使用する上で必要となる次のファイルが格納されています。
Sun StorEdge Enterprise Backup ソフトウェアまたは Legato Networker による Calendar Server データのバックアップ
Sun StorEdge または Legato バックアップソフトウェアを使用してカレンダーデータベースをバックアップするには、次の手順を実行します。
- Sun StorEdge または Legato の nsrfile バイナリファイルを /usr/lib/nsr ディレクトリにコピーします。
- /usr/lib/nsr ディレクトリに次のシンボリックリンクを作成します。
icsasm -> /opt/SUNWics5/cal/sbin/icsasm
nsrfile -> /usr/lib/nsr/nsrfile- /opt/SUNWics5/cal/sbin ディレクトリに移動し、-l オプションを指定して csbackup ユーティリティを実行します。
例 :cd /opt/SUNWics5/cal/sbin
./csbackup -l-l オプションによって、現在のディレクトリの下にバックアップディレクトリイメージが作成されます。このディレクトリ内のファイルは空で、カレンダーがバックアップ媒体にどのように格納されるかをバックアッププログラムに伝えるためだけに使用されます。バックアップディレクトリがすでに存在する場合、現在のディレクトリ構造がそのディレクトリに反映されます。
- save コマンドを実行してカレンダーデータをバックアップします。
例 :/usr/bin/nsr/save -s /opt/SUNWics5/cal/sbin/budir
Sun StorEdge または Legato のバックアップ GUI でクライアント保存セットを設定してバックアップをスケジューリングし、データベースを定期的にバックアップすることもできます。
注 : .nsr ファイルを変更しないでください。これらのファイルには、バックアップ時に save コマンドと icsasm ASM が解釈する指令が記録されています。
Calendar Server は増分バックアップ機能をサポートしていません。バックアップディレクトリはフォルダ構造のイメージに過ぎず、実際のデータを含まないので、この機能を使用しないでください。
ASCII 以外の文字またはスラッシュ記号 (/) を含む名前を付けてカレンダーをバックアップすることはできません。
- バックアップ手順を自動化します。
これまでは手動で行うバックアップ手順について説明してきました。バックアッププログラムの backup コマンドを設定し、バックアッププログラムの save コマンドによって自動的なバックアッププロセスが開始される前に、Calendar Server の csbackup コマンド行ユーティリティが実行されるようにします。
Sun StorEdge Enterprise Backup ソフトウェアまたは Legato Networker による Calendar Server データの復元
Calendar Server データを復元するには、次の手順を実行します。
- Sun StorEdge Enterprise Backup ソフトウェアの nwrestore 機能または recover コマンドを使用して、バックアップされているカレンダー情報を復元します。nwrestore を使用した場合は次のメッセージが出力されます。
"File already exists.Do you want to overwrite, skip, backup, or rename?"
- overwrite を選択します。
このメッセージは、バックアップツリーが単なるディレクトリ階層であるために表示されます。つまり、このツリーは空のファイルだけを含み、この状態は変化しません。