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Sun Java System Calendar Server 6 2004Q2 配備計画ガイド 

第 4 章
Calendar Server の構成の計画

この章では、3 つの基本的な Calendar Server の構成について説明しており、この構成は使用しているサイトに特有の要件に応じて変更することができます。

この章で説明する内容は次のとおりです。


Calendar Server の考慮事項

Calendar Server は次の主な 5 つのサービスから構成されています。

スケーラブルな Calendar Server の配備の場合、HTTP サービスと管理サービスのインスタンスを Calendar フロントエンドシステムとして配備します。この設定では、マシンごとに cshttpd のインスタンスを 1 つ配備します。各マシンでは、マシンの CPU ごとに 1 つの cshttpd プロセスを設定します。通知サービス、予定通知サービス、分散データベースサービス、および管理サービスのインスタンスは、Calendar バックエンドシステムとして配備されます。

認証および XML と XSLT の変換は、多大なロードを生じさせる 2 つのカレンダサービスのアクティビティです。サービス品質の要件を満たすために CPU を追加することができます。

Calendar バックエンドサービスには、通常、Calendar フロントエンドサービスの CPU の半数が必要とされます。Calendar フロントエンドシステムによってサービス品質をサポートするには、フロントエンドの CPU の 2/3 前後を Calendar バックエンドシステムで使用する必要があります。

カレンダサービスをフロントエンドサービスとバックエンドサービスに分割することは、配備の初期の段階で考慮する必要があります。

通常、フロントエンドサービスのコンポーネントである Calendar Server HTTP プロセスは、CPU 時間を多く使用します。このことは、カレンダのピーク使用率を十分に考慮および配慮し、予測されるピーク HTTP セッションに対応するため、十分なフロントエンドの処理能力を選択することを示唆しています。通常、冗長性、つまり複数のフロントエンドホストを配備することによって、Calendar Server フロントエンドの使用可能性が向上します。フロントエンドシステムは持続的なカレンダデータをまったく保持しないので、Sun Cluster などの HA ソリューションの使用にはあまり向いていません。さらに、そのようなソリューションを使用する際のハードウェアの追加や管理オーバーヘッドにより、HA の Calendar Server フロントエンドへの配備のコストと時間がかかります。


本来の HA ソリューションを保証する Calendar フロントエンドの唯一の構成は、Messaging Server MTA ルーターを含む同じホストに Calendar フロントエンドを配備している場合です。ただし、この構成でも、そのようなソリューションのオーバーヘッドについては、利点がわずかなことからして、注意深く比較検討する必要があります。


Calendar Server フロントエンドのハードウェアの適切な選択は、1 つまたはデュアルのプロセッサ SPARC あるいは Intel サーバーです。マシンごとに Calendar Server cshttpd プロセスのインスタンスを 1 つ配備します。そのような配備によってコスト効率の良いソリューションが提供され、一定レベルの初期のクライアント並行性機能から開始し、ピーク使用率レベルがわかるにつれ、既存の構成にクライアントセッション機能を追加していくことができます。

複数のフロントエンドを配備する場合、フロントエンドサービス全体にロードを分散するにはスティッキ接続や持続的接続を備えるロードバランサが必要です。

Calendar Server バックエンド サービスは、リソースの消費で十分にバランスが取れているので、CPU あるいはディスクまたはネットワークなどの I/O のいずれにおいても、ボトルネックが形成されるという証拠はありません。このため、バックエンドのハードウェアな適切な選択は、1 つのストライプボリュームを備える SPARC サーバーになります。そのようなマシンはピーク時の大量のカレンダロードに対してかなりの容量を提供します。

要件の中に高可用性がある場合、バックエンドには持続的データが含まれているので、Calendar Server バックエンドを Sun Cluster で配備するのが妥当です。


フロントエンドおよびバックエンドの Calender Server ホストの両方を持つ構成では、ホストはすべて次の場所で稼動している必要があります。

  • 同じオペレーティングシステム
  • 同じリリースの Calendar Server (パッチやホットフィックスのリリースを含む)


単一サーバーの最小構成

図 4-1 に示す単一サーバーの最小構成では、すべての Calendar Server サービス (プロセス) が1 つのサーバーの 1 つの CPU (プロセッサ) または複数の CPU で稼動します。ディレクトリサーバーと Sun Java System Identity Server のプロセスは、同じサーバーまたは異なるサーバーで実行できます。

図 4-1 単一サーバーの Calendar Server の最小構成

Calendar Server の最小構成

単一サーバー上の Calendar Server インスタンスには、次のサービスが含まれます。

Calendar Server サービスの詳細については、『Sun Java System Calendar Server 管理ガイド』を参照してください。

最小構成ではデータベースは同じサーバーに配置されるため、カレンダデータベースが別のサーバーに配置されている環境でネットワーク機能を提供する DWP (データベースワイヤプロトコル) サービス (csdwpd プロセス) は必要ありません。

Calendar Server は、ユーザーの認証とユーザー設定の格納に使用するディレクトリサーバーを必要とします。通常は、Sun Java System Directory Server などの LDAP ディレクトリサーバーを使用します。ただし、Calendar Server API (CSAPI) を使用して、LDAP 以外のディレクトリサーバーを使用するためのプラグインを記述することもできます。この API については『Sun Java System Calendar Server Developer's Guide』を参照してください。

ディレクトリサーバーは、Calendar Server が稼動しているサーバーに配置することも、リモートサーバーに配置することもできます。

Sun Java System Identity Server (リリース 2003Q4 (6.1) 以降) には次の機能があります。

上記内容の詳細については 『Sun Java System Calendar Server 管理ガイド』を参照してください。

Identity Server は、Calendar Server が稼動しているサーバーに配置することも、リモートサーバーに配置することもできます。

エンドユーザーは、2 つの Web ユーザーインタフェース (UI) の 1 つ、つまり Sun Java System Calendar Express または Sun Java System Communications Express のいずれかを使用して、クライアントマシンから Calendar Server に接続します。各ユーザーインタフェースの詳細については、それぞれのインタフェースのオンラインヘルプを参照してください。さらに、次の Web サイトから入手できる『Sun Java System Communications Express 管理ガイド』も参照してください。


ネットワークフロントエンドとデータベースバックエンドのサーバー構成

Calendar Server は、複数のフロントエンドサーバーとバックエンドサーバーに設定を分配することにより、スケーラビリティを実現します。サーバーごとに、Calendar Server サービス (プロセスまたはデーモン) を複数の CPU (プロセッサ) に配布することもできます。

図 4-2 に示すネットワークフロントエンドとデータベースバックエンドのサーバー構成では、ユーザーはフロントエンドサーバーにログインし、DWP (データベースワイヤプロトコル) サービス (csdwpd プロセス) を使用してバックエンドサーバーに接続します。カレンダデータベースは、バックエンドサーバーだけに接続されています。

図 4-2 ネットワークフロントエンドとデータベースバックエンドのサーバー構成

Calendar Server のスケーラブルな構成

フロントエンドサーバーとバックエンドサーバーの両方で実行される Calendar Server プロセスは次のとおりです。

この構成では、ユーザーはバックエンドサーバーにログインしないため、HTTP サービス (cshttpd プロセス) は必要ありません。

Calendar Server の詳細については、『Sun Java System Calendar Server 管理ガイド』を参照してください。

スケーラブルな Calendar Server の構成には、ユーザーの認証とユーザー設定の格納に使用するディレクトリサーバーが必要です。

Identity Server (リリース 6.1 (リリース 6 2003Q4) 以降) を使用して、シングルサインオン (SSO) の実装、Sun Java Enterprise System LDAP Schema 2 の使用、ホストしている (仮想) ドメイン、ユーザー、グループ、組織、リソース、ロールのプロビジョニングと管理を行うことができます。

エンドユーザーは、2 つの Web ユーザーインタフェース (UI) の 1 つ、つまり Sun Java System Calendar Express または Sun Java System Communications Express のいずれかを使用して、クライアントマシンから Calendar Server に接続します。各ユーザーインタフェースの詳細については、それぞれのインタフェースのオンラインヘルプを参照してください。さらに、次の Web サイトから入手できる『Sun Java System Communications Express 管理ガイド』も参照してください。


複数のフロントエンドサーバーとバックエンドサーバーの構成

図 4-3 に示す複数のフロントエンドサーバーとバックエンドサーバーの構成では、ユーザーは特定のサーバーにログインし、各サーバーはカレンダデータベースに接続されます。この構成では、カレンダを物理的に配布することができます。各サーバーにはカレンダが配置され、その所有者が Calendar Server にログインします。

図 4-3 複数のフロントエンドサーバーとバックエンドサーバーの構成

複数のフロントエンドサーバーとバックエンドサーバーによる Calendar Server の構成

フロントエンドおよびバックエンドの各サーバーには次のすべての Calendar Server サービスが必要です。管理サービス (csadmind プロセス)、HTTP サービス (cshttpd プロセス)、予定通知サービス (enpd および csnotifyd プロセス)、DWP (データベースワイヤプロトコル) サービス (csdwpd プロセス)。

Calendar Server サービスの詳細については、『Sun Java System Calendar Server 管理ガイド』を参照してください。

複数のフロントエンドサーバーとバックエンドサーバーの構成には、ユーザーの認証とユーザー設定の格納に使用するディレクトリサーバーが必要です。

Identity Server (リリース 6.1 (リリース 6 2003Q4) 以降) を使用して、シングルサインオン (SSO) の実装、Sun Java Enterprise System LDAP Schema 2 の使用、ホストしている (仮想) ドメイン、ユーザー、グループ、組織、リソース、ロールのプロビジョニングと管理を行うことができます。

エンドユーザーは、2 つの Web ユーザーインタフェース (UI) の 1 つ、つまり Sun Java System Calendar Express または Sun Java System Communications Express のいずれかを使用して、クライアントマシンから Calendar Server に接続します。各ユーザーインタフェースの詳細については、それぞれのインタフェースのオンラインヘルプを参照してください。さらに、次の Web サイトから入手できる『Sun Java System Communications Express 管理ガイド』も参照してください。



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